「自分には才能がない」と思い込んでいませんか? 実は、才能は特別なものではなく、誰もが持っているものです。才能は、開花するまでに8つのステージがあります。実は、自分がどのステージにいるのかチェックすることができます。あなたの才能は今どのステージにいるでしょうか?
■才能を見つけよう
まだ、自分の才能が何かはっきりわからなくても、いろんなステージがあることを知っておくと、才能と向き合う際のいいヒントになります。自分がどのようなプロセスを経て、才能を見つけることになるのかイメージしてください 。
1. 何の疑問も持たず、流されて生きるステージ
ほとんどの人が、このステージで生きています。仕事をしているときも、「やるべきことだから」という感覚でやっています。今の仕事に意味があるかなどは考えず、ただひたすら作業に埋没する毎日と言っていいでしょう。
彼らは、同じような仕事を毎日やっても、そんなに苦になりません。それが単純作業でも、知的作業でも、あまり深く考えないようにしているからです。ですから、日常的に感情の起伏もあまりなく、平穏無事だけど慌ただしい毎日が過ぎていきます。多少イヤなことがあっても、お笑いのテレビを見てぐっすり眠れば、次の日には忘れることができます。
もらえる給料の範囲内で、外食したり旅行に行く余裕はあるし、仕事関係で時には楽しいこともあり、そんなに不満がない生き方です。仕事仲間とは、適当に上司の悪口や芸能界ネタやスポーツの話題で盛り上がることができて、毎日可もなく不可もなくという感じです。
時々将来に対して漠然とした不安を感じることもありますが、毎日の仕事、家事、育児、介護などで忙しくしているうちに忘れてしまいます。これは、ある意味では楽な生き方です。あなたのハートをノックする音が聞こえてくるまでは…
2. 才能が何かわからず、もんもんとして生きるステージ
先ほどのノックの音は、「このままでいいの?」とか、「今の仕事に意味があるのだろか?」という自分の深いところから湧き出る声ともいえます。その声が聞こえてきたとき、
1. 無視する
2. ちょっと聞くけど、忘れる
3. 真剣に聞いて、人生を変えていく
という3つの選択肢があります。ほとんどの人は1. か2. を選んで、次の日には忘れています。しかし、3. を選んでしまったあなたは、もう後戻りできなくなります。才能を開発するステージは、ここからスタートします。まわりとの違和感が最初のサインです。
格好悪いかもしれませんが、ナイーブなあなたは、同僚に
「あのさぁ、今の仕事って意味ないと思わない?」
などという質問を投げかけます。すると、相手はちょっと迷惑そうな顔で、
「そんな面倒なこと考えないほうがいいんじゃない」
という答えを返してくるでしょう。このステージでは、「何かが違う」「とにかく息苦しい」と感じるのが特徴です。ウツっぽくなってしまう人もいます。けれども、その原因が自分らしさを発揮できていないことになかなか気づきません。
そして、このステージからステージ1. に戻っていく人も多くいます。それはある意味、精神的にはいい選択かもしれません。何も考えないようにすれば、あまり悩むことなく笑って暮らせるからです。
3. いろいろ当たっては砕ける失望と行動ステージ
イライラした状態がずっと続き、もうたくさんだと思ったときから、次のステージが始まります。
「これ以上、今の状態が続くと苦しすぎる。もっと、自分らしく生きたい!」
という叫びにも似た感じで、新しい生き方を目指すのがこのステージです。自分らしさと才能を探す旅に出たものの、どこに行ってもうまくいかないも、このステージの特徴です。
「これかな?」と一瞬ワクワクしても、すぐに違うとわかって落ち込みます。そして、またしばらくして、「これかも!」と期待して、またそれが裏切られてがっかりします。
そうやって、いろんな職業を見たり、才能を探していくうちに、「これは違う」というものだけははっきりわかってきます。そのわりに、「これだ!」という感覚はなかなかやってきません。そして、「これだ!」という感覚を求めて、放浪の旅に出るのです。
試行錯誤する中で、今度こそ間違いないかもと期待して、ドンと落ちる。これを何十回も繰り返していくうちに、ドンピシャのものに出会うのです。これは、パートナーシップとも似ているかもしれません。「この人が運命の人かな?」と思っても、1人で盛り上がっていただけだったことがわかったら、数日ショックから立ち直れません。でも、再び元気になったら、素敵な恋人を探す旅に出られるのです。
4. 「自分が誰か」がはっきりわかるステージ
数カ月から数年の才能探しの旅は、ここでいったん終わります。「自分が誰か」がはっきりわかったら、次のステージに行くことになります。
これまでのステージは、夢遊病者のように目をつぶったままフラフラ歩いていたようなものです。どこをどうやって歩いてきたか、記憶も曖昧です。
しかし、ここからは、はっきり目が開くので、まわりもはっきり見えるし、目の前に広がる道も見えてきます。どういうシチュエーションでそれがわかるかは、人それぞれです。共通して言えるのは、「これが自分の才能だ!」と、しっかりわかる瞬間があることです。
それは、ほとんど神の啓示のようなものです。いったん得た気づきは、一生消えることがありません。「私はこれをやるために生まれてきた」という感覚を持って、ライフワークに臨むことになります。
5. 才能を磨ききれず、落ち込むステージ
「自分の才能はこれだ!」とはっきりわかったら、その後はバラ色かというと、そう簡単にはいかないところが人生の悩ましいところです。自分には、
「デザインの才能がある」
「発明する才能がある」
とわかったのに、思うように才能が磨ききれない事実は、ジレンマを生みます。また、専門分野を決めたとしても、そこには、ものすごい数の競争相手がいます。分野によっては、今はもう亡くなっている人とも競合することになります。
自分の分野を決めたとたん、同じ無力感に襲われることは間違いないでしょう。そして、何百回も「もう、無理だ!」と思うことになります。
それは、自分が目指したい場所と現在地のあまりの差に、がく然とするからです。一流のバイオリンの演奏をふだん聴いている人が、突然バイオリンの練習をして、自分の弾く下手なバイオリンの音を聴くようなものです。どうやっても、彼らのような音は出ません。耳が良い分だけうらめしくなります。
このステージを乗り越えるのは、結構つらいものがあります。それは、片思いの相手に思いが伝わらず、全然相手にされないもどかしさに苦しむからです。
また、「こんなに好きなのに、どうせ自分は愛されないに違いない!」という感情が湧いてきて、正直、そのことに向かうのがきつくなります。たとえば、バレエなら「もうしばらく踊りたくない」という気分になるし、文章なら1行も書けなくなります。
自分の中にある「おまえにはできない」という声と折り合いをつけないと、次に行けないのです。
6. メンターを見つけて、教えを請うステージ
自分の才能を本格的に磨こうと思ったら、優秀なメンターに教えを請う必要があります。メンターとは、先生という意味です。才能をどうやって開花させていくか、具体的に彼らにコーチングしてもらうと、独学でやるよりも数倍早く進むことができます。ただ、メンターは、あなたの才能を見つける手伝いはできません。才能の磨き方しか教えられないのです。
すばらしいメンターは、あなたの一生の財産です。彼らは、あなたが自分自身を信じられないときに、あなたを信じてくれる存在です。
自分と同じ種類の才能を持っているメンターに出会えた人は、ラッキーです。メンターを探そうと思ったとき、自分と違うタイプの人にあこがれを持ってしまうので、自分と正反対のタイプをメンターに選びがちです。
たとえば、自分が1つのことに集中できないタイプの人は、専門家タイプの人を尊敬するので、そういう人をメンターにしようとしてしまいます。
でも、そもそも持っている才能の種類が違うので、どうしてもミスマッチが起きます。メンターが、「自分の言うとおりやればいいんだ」と言ってくるタイプだと、あなたは日に日に自信を失っていくことになるでしょう。
メンターの言われたとおりにやっても、なかなか上手にできません。なぜなら、それはあなたに合うやり方ではないからです。そのせいで、「自分には才能がないんだ」と勘違いしていたら、あまりにももったいなすぎます。
あなたの才能を開いてくれるメンターには、「コーチ」タイプと「プレーヤー」タイプがいます。野球でいうと、現役時代はパッとしなかったのに、教えることは上手というタイプがコーチ型。また、プレーヤー型は、選手時代から有名ですごい業績を残した人です。
コーチ型は、才能の磨き方を理論的に教えることができるタイプです。でも、自分が一流の舞台に立ったことがないので、そのあたりのことを教えることができません。一方、プレーヤー型の多くが天才なので、自分はできても、他人に教えることができません。このあたりのことを頭において、メンターを選ぶ必要があります。
7. 自分のオリジナルを追求するステージ
一定期間メンターの教えを受けたら、いよいよ自分のオリジナルで勝負するステージにきます。ここまできたら、あなたの才能磨きもいよいよ最終段階です。才能を積極的に磨いていくと、自分の世界ができていきます。これまで普通の生き方をしてきたところから、自分の優秀性を発揮することができるようになります。
しかし、まだこのレベルではモチベーションが必要です。なぜなら、まだ内側からエネルギーが自由にあふれ出てくるとまではいかないからです。お客さんや仕事仲間からの感謝、業績、高収入などで、やりがいを得ています。
このレベルの人たちは、忙しく、パワフルに生きています。自分を高める努力は怠らず、トップクラスの仕事をこなしていく喜びを原動力にしています。
8. 天才性に目覚め、人生の目的に生きるステージ
優秀レベルの人たちと比べると、この人たちは、まったく違う考え方で人生を生きています。人が評価するかどうかには、あまり意識が向かいません。「自分にとってどうか」にすべての基準をおいています。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズは、あるとき、パソコンの内側の部分をきれいに磨くように指示したそうです。担当者が、「誰も見ないパソコンの内側をきれいに仕上げるのは、コストがかかるからやめたほうがいい」と提案しました。それでも、「きれいに仕上げるように」と指示したスティーブに、部下が「誰が気にするというのですか?」と言ったところ、スティーブが「私が気にする」と答えたそうです。
彼にとっては、コストではなく、美意識の問題だったのです。iPodを開発したときもボタンを1つだけにすることに異常にこだわったそうですが、それも彼の美学のなせるわざです。結果的に、世界中のアップルファンは、スティーブの生み出す製品の美しさに熱狂し、たくさんのお金を払ったわけです。
天才は、今の世界を相手に仕事はしていません。彼らは、何十年も先を見ています。だから、自分が受け入れられるかどうかも考えないことが多いのです。死後、評価される天才たちは、つねに自分とだけ向き合っています。
才能の開発次第それぞれのステージにどんなことが起きるのか、イメージができたでしょうか? いろんなタイプの人を観察してわかることは、途中で止まったり、後戻りしてしまう人が多いことです。
もう少しで次のステップに行ける人が、自分の感情にやられてしまって、後ずさりしていくのは、とてももったいないことです。
このプロセスを歩んでいく途中で、「もうダメなのではないか」と感じたとき、そういう感情はつきものだという理解があるかどうかで、ずいぶんその後が違ってくると思います。
あなたの才能は今どのステージにいましたか?
才能のヒントは見つかりましたか?
「自分の才能」を見つけたい人は、「自分の才能の見つけ方」を読んでみてはいかがでしょうか? 起業、転職を考えている人には特におすすめの一冊です。
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