戦後68年の被爆地・長崎を舞台に今の日本へ“再生”メッセージを投げかける映画『爆心 長崎の空』に主演した女優の北乃きいが、劇中に登場する“食べながら泣くシーン”に苦戦したことを明かす一方、生きるヒントにもなり得る本作の鑑賞を真摯に呼びかけた。
芥川賞作家で現・長崎原爆資料館館長・青来有一氏の「爆心」を原案にした本作は、母親を亡くした少女(北乃)と愛娘を亡くした母親(稲森いずみ)が導かれるように出会い、互いの悲しみを共有しながら己の人生に一筋の希望を見出していくまでを描く感動ドラマ。劇中の北乃は、とても繊細で細やかな表情で心情表現を繰り返すが、「日向寺太郎監督のおかげです(笑)」と謙遜する。「監督の具体的な指示はなかったです。NGもセリフを間違えたというようなことではなく、監督の中で表情、演技、照明、音響、すべてがOKになった時がOKなので、ああ、何かが違っているという雰囲気を感じましたね」。日向寺監督はカメラの角度などにすごくこだわったそうで、何度もテイクを重ねたシーンもあったとか!
その北乃、演じることがもっとも難しかったシーンは、“生きること”を象徴するシーンだったと回想する。「これまでにもなぜか食べながら泣くシーンを演じることが多かったのですが、食べると脳は最初に“美味しい”と感じるので、食べたら涙というのがまったく結びつかなくて――」と予想外の困難に直面! 「悲しいと強く思っても、どうしても“美味しい”とか“冷めている”という感情が先にくるから泣けない。普通は泣いたら食べない、泣けてくれば食べることを止めることもある。だから食べながら泣くシーンは、難しかったです」。
しかし、そういった小さな、そして丁寧な演出と演技を積み重ね、完成した映画は“再生”を課題とする現代の全日本人に響く感動作に仕上がった! 悲しみの現実を必死に受け止め、それでも前を向いて歩こうとする女性を北乃が渾身の演技で表現しているためだ! 「人生には辛いことも起こるけれど、生きていれば“生きるって素晴らしい!”という人々の生き様を観ることができます。いろいろな世代の人に観てほしいと思います!」と北乃も絶対の自信で送り出す本作! 夏休み、時間を作ってでも観てほしい必見の一本。
映画『爆心 長崎の空』は、2013年7月20日(土)より、全国ロードショー
【関連情報】
映画『爆心 長崎の空』公式サイト
http://www.bakusin-movie.com/
[ 関連リンク ]
『燃えよドラゴン』リマスター! 40周年イベントで竹中直人「"考えるな。感じろ!"で生きてます」
日本で最もローン・レンジャーに近い男が映画『ローン・レンジャー』来日会見に潜入!
夏休み本番もモンスターが席巻予告! 『モンスターズ・ユニバーシティ』 興行収入2週連続第1位! 世界57カ国でナンバーワンに!