催眠術は他人に対してかけるものだと思っていませんか? 実は、催眠術は自分にも書けることができます! しかも、催眠術を自分にかけることで使って、思い通りに自分の人生をデザインすることが出来るのです。
人は知らない間に自分に制限をかけています。自分に催眠術をかけて思い通り生きるヒントを紹介します。
杭につながれたサーカスのゾウ
催眠術の前に、杭につながれたサーカスのゾウの話を知っていますか?
サーカスのゾウは、地面に打っている小さな杭と鎖だけでつながれています。ゾウの力であれば簡単に杭を抜いて逃げ出すことができるはずなのに、それをしようとはしません。なぜでしょうか?
思い込みの力
それは、ゾウの子どもの頃からの思い込みによるものです。まだ小さくて力のない子ゾウは、小さな杭と鎖で動くことができません。最初のうちは何度も鎖を外そうと努力します。何度も何度も、鎖を引っぱっては外れないという体験を繰り返します。そうすると、子ゾウはそのうち鎖を外そうとしなくなるのです。
何度も失敗したので「どうせ逃げられない」と思い込んでしまうのです。子ゾウのときにこのような思い込みを植えつけられたゾウは、大きくなって実際に杭を外すことができるようになっても、外そうとしなくなります。
人間もゾウも同じ
動物は、人間よりも頭が悪いからこのようなことが起こるのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。人間もまったく同じです。例えば、恋人からの暴力を頻繁に受けている、いわゆるDVを受けている女性を例に挙げれば、第三者から見ると
「それだけ暴力を振るわれているのに、なぜ逃げないの? 十分逃げる時間があるのに」
と不思議に思います。でも、このような状態は、誰にも起こり得ることなのです。先ほどの子ゾウのような状態を「学習性無力感」と呼びます。この学習性無力感は、心理学者セリグマンによって提唱されています。
学習性無力感とは
学習性無力感は、「自分が何をしても状況は変わらない」という絶望感のようなものです。何度も逃げようとしては暴力を振るわれ、別れようとしては暴力を振るわれ、暴言を吐かれるなど、長期間、回避不能な恐怖やストレスにさらされ続けると、そこから逃げようとする自発的な行動が起こらなくなるのです。
冷静に考えれば、DVを受けて物理的に回避不能な状態になることはないのですが、さまざまな心理的な要素や社会的背景により、回避不能だと思ってしまうことがあるのです。
学習性無力感に陥ると、環境に対する積極的な行動や自発的な働きかけが起こらなくなり、情緒も不安定になりがちです。また、成功体験を学習することが困難になります。このようなケースは、あなたにはまったく関係のない話だと思いますか?
賢い人ほど間違った学習をしている
人間は、良くも悪くも学習能力が高い生き物です。その学習能力が高い分、動物よりもはるかにすばやく、より高い確率で、学習性無力感に陥ることがあります。また、学習性無力感までいかずとも、学習して勝手に自分に制限や思い込みを設けてしまう場合がよくあります。その学習が良いものならいいのですが、時に間違った学習をしてしまうことがあります。例えば、
大好きな人に勇気を振り絞り思い切って告白する。
↓
ひどい振られ方をして傷つく。
↓
しばらくしてまた大好きな人ができる。前に振られた経験があるから怖いけれど、頑張って告白する。
↓
再度ひどい振られ方をして傷つく。
こんなふうに2、3回同じようなことが続いたらどうなるでしょうか? 勝手に「必要のない学習」、つまり、しばらくしてまた大好きな人ができても、「どうせ告白しても振られるからやめておこう」という思い込みや制限を作るのです。よく似た事例は、日常に数えきれないくらいあふれています。
同じことが何度か続いたら、人はすぐに「必要のない学習」をしてしまうのです。動物なら10回くらい学習しないといけないものが、たった2、3回、人によっては1回失敗しただけで学習してしまう賢さです。
「悩みが多い人は、ダメな人間ではなく、むしろ賢すぎるとも言えるのです。」
学習プログラムは正確すぎる
学習プログラムは、本来はあなたを守るために動いています。高いところから落ちて痛い思いをすると、脳はこの苦痛の原因を考え出します。そして、その場所、時間においてこれまでの記憶と照合して答えを出し、「高いところは危険」という学習プログラムをインプットします。
そうしないと、高いところからまた落ちたり、自分から飛び降りてしまうかもしれないからです。本当はあなたを守るための学習プログラムなのに、賢すぎる脳は、あなたに必要のないプログラムを間違ってインプットし、あなたを生きづらくさせてしまうことがあります。
いったんインストールされた学習プログラムは実に正確です。例えば、「ヘビが怖い」というプログラムを入れれば、あなたの意識とは関係なくヘビを見れば体が反応するし、「拒絶が怖い」という学習プログラムを入れれば、反射的に拒絶されると傷ついたと感じられるような体の反応をします。
インストールされたプログラムは、あなたの望んでいる・いないにかかわらず反応する。だから、怖いのです。
必要のないプログラムは書き換えれる
催眠術というと怪しいイメージですが、本来は催眠療法として使われています。催眠療法を使うと、自分の人生に必要のないプログラムを修正したり、自分の望む人生を生きるために必要なプログラムをインストールすることができます。
人生を本当に変えようと思えば、これまで長年培ってきた思い込みや制限である価値観に変化を与えなければいけないのです。そして、価値観に変化を与えるには、無意識へのアプローチが必要です。催眠はこの無意識とコミュニケーションできるスキルなのです。
催眠術は人を驚かせたり楽しませたりするだけのものでなく、あなたの人生を好転させるパワーを秘めた心理テクニックです。催眠術ほど人生を好転させるために直接的な力を発揮するスキルはありません。
自分に催眠術を使って、思い通りに自分をデザインしてみませんか? 何冊も自己啓発書を読むより効果的です! 自分に催眠術をかける方法を学ぶ方法を知りたい人は「人の心を操る催眠術ブレイン・ハック(著:中井英史)」を読んでみてはいかがでしょうか。
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思い込みの力
それは、ゾウの子どもの頃からの思い込みによるものです。まだ小さくて力のない子ゾウは、小さな杭と鎖で動くことができません。最初のうちは何度も鎖を外そうと努力します。何度も何度も、鎖を引っぱっては外れないという体験を繰り返します。そうすると、子ゾウはそのうち鎖を外そうとしなくなるのです。
何度も失敗したので「どうせ逃げられない」と思い込んでしまうのです。子ゾウのときにこのような思い込みを植えつけられたゾウは、大きくなって実際に杭を外すことができるようになっても、外そうとしなくなります。
人間もゾウも同じ
動物は、人間よりも頭が悪いからこのようなことが起こるのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。人間もまったく同じです。例えば、恋人からの暴力を頻繁に受けている、いわゆるDVを受けている女性を例に挙げれば、第三者から見ると
「それだけ暴力を振るわれているのに、なぜ逃げないの? 十分逃げる時間があるのに」
と不思議に思います。でも、このような状態は、誰にも起こり得ることなのです。先ほどの子ゾウのような状態を「学習性無力感」と呼びます。この学習性無力感は、心理学者セリグマンによって提唱されています。
学習性無力感とは
学習性無力感は、「自分が何をしても状況は変わらない」という絶望感のようなものです。何度も逃げようとしては暴力を振るわれ、別れようとしては暴力を振るわれ、暴言を吐かれるなど、長期間、回避不能な恐怖やストレスにさらされ続けると、そこから逃げようとする自発的な行動が起こらなくなるのです。
冷静に考えれば、DVを受けて物理的に回避不能な状態になることはないのですが、さまざまな心理的な要素や社会的背景により、回避不能だと思ってしまうことがあるのです。
学習性無力感に陥ると、環境に対する積極的な行動や自発的な働きかけが起こらなくなり、情緒も不安定になりがちです。また、成功体験を学習することが困難になります。このようなケースは、あなたにはまったく関係のない話だと思いますか?
賢い人ほど間違った学習をしている
人間は、良くも悪くも学習能力が高い生き物です。その学習能力が高い分、動物よりもはるかにすばやく、より高い確率で、学習性無力感に陥ることがあります。また、学習性無力感までいかずとも、学習して勝手に自分に制限や思い込みを設けてしまう場合がよくあります。その学習が良いものならいいのですが、時に間違った学習をしてしまうことがあります。例えば、
大好きな人に勇気を振り絞り思い切って告白する。
↓
ひどい振られ方をして傷つく。
↓
しばらくしてまた大好きな人ができる。前に振られた経験があるから怖いけれど、頑張って告白する。
↓
再度ひどい振られ方をして傷つく。
こんなふうに2、3回同じようなことが続いたらどうなるでしょうか? 勝手に「必要のない学習」、つまり、しばらくしてまた大好きな人ができても、「どうせ告白しても振られるからやめておこう」という思い込みや制限を作るのです。よく似た事例は、日常に数えきれないくらいあふれています。
同じことが何度か続いたら、人はすぐに「必要のない学習」をしてしまうのです。動物なら10回くらい学習しないといけないものが、たった2、3回、人によっては1回失敗しただけで学習してしまう賢さです。
「悩みが多い人は、ダメな人間ではなく、むしろ賢すぎるとも言えるのです。」
学習プログラムは正確すぎる
学習プログラムは、本来はあなたを守るために動いています。高いところから落ちて痛い思いをすると、脳はこの苦痛の原因を考え出します。そして、その場所、時間においてこれまでの記憶と照合して答えを出し、「高いところは危険」という学習プログラムをインプットします。
そうしないと、高いところからまた落ちたり、自分から飛び降りてしまうかもしれないからです。本当はあなたを守るための学習プログラムなのに、賢すぎる脳は、あなたに必要のないプログラムを間違ってインプットし、あなたを生きづらくさせてしまうことがあります。
いったんインストールされた学習プログラムは実に正確です。例えば、「ヘビが怖い」というプログラムを入れれば、あなたの意識とは関係なくヘビを見れば体が反応するし、「拒絶が怖い」という学習プログラムを入れれば、反射的に拒絶されると傷ついたと感じられるような体の反応をします。
インストールされたプログラムは、あなたの望んでいる・いないにかかわらず反応する。だから、怖いのです。
必要のないプログラムは書き換えれる
催眠術というと怪しいイメージですが、本来は催眠療法として使われています。催眠療法を使うと、自分の人生に必要のないプログラムを修正したり、自分の望む人生を生きるために必要なプログラムをインストールすることができます。
人生を本当に変えようと思えば、これまで長年培ってきた思い込みや制限である価値観に変化を与えなければいけないのです。そして、価値観に変化を与えるには、無意識へのアプローチが必要です。催眠はこの無意識とコミュニケーションできるスキルなのです。
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