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百田尚樹の小説執筆は、奥さんに趣味だと思われていた

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 400万部を突破した『永遠の0』の映画公開も控えるなど、稀代のヒットメーカーとなった百田尚樹氏。24歳で同志社大学法学部を中退後、放送作家となり、多数の番組を構成。『探偵! ナイトスクープ』のチーフライターとして視聴率20~30%を叩き出すお化け番組を長年支えてきた。そのような放送作家として絶好調の時期に、小説に挑戦するのはどんな心境だったのだろうか?

「僕はそのとき50歳でね。人生50年というくらいですから、昔やったら死んでる年ですよ。そんなことを考えているうち、何かやり残したことがいっぱいあるような気がしてきたんですね。テレビのバラエティの世界ではベストを尽くしてきたつもりですけど、テレビは大勢でやる仕事。一方で、自分1人で作ってみたい気持ちもあって、それで小説を書こうと考えたんです」

 だが、小説に打ち込む百田氏に対して当初は家族の理解を得られなかったようだ。

「僕の小説に関して家内の第一声は『あんた、これ、いつまでやんねや』ですから。家内はあくまでも趣味のうちやと思ってたんですね。書いてるうちに、やっぱり時間が足りず、どんどんどんどんテレビの仕事量を減らしていったんですよね。番組をいくつか辞めて、それでずっとやってたんですが、それでもなかなか仕上がらない」

 そのうち家計も圧迫するようになり、奥様から詰め寄られる百田氏。だが、百田氏がとったある行動が、奥様の気持ちを変えることになる。

「『家計、今、えらいことになっとる。あんた、自分で勝手に仕事どんどん辞めたやろ』と、えらい怒られて困ったなあと思って。で、ちょうど半分ぐらい書いてたんで、それをプリントアウトして、『いや、今ちょっとここまで書いたんで、1回ちょっと読んでみてくれへんか』って。初めて家内に書きかけの原稿を渡したんですよ。ほなら、ブスっとしたまま、その原稿を持って隣の部屋行ったんですけど、それから3~4時間ぐらいして家内が帰ってきてね。で、黙って僕の机に原稿置いて、『家計はなんとかするから、最後まで仕上げなさい』と」

 こうして『永遠の0』は完成することになったのだ。

※12/17発売号の週刊SPA!「エッジな人々」では、百田尚樹氏のロングインタビューを掲載中。小説出版の経緯から、自身に寄せられる「右傾エンタメ」批判への反論など、内容充実!

<取材・文/野中ツトム(清談社) 撮影/佃 太平>



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