『スポーツツーリズム』という言葉を耳にしたことがあるだろうか?
たとえばプロスポーツ観戦のために、普段はあまり行く機会がない地域を訪れることはしばしばある。そして試合観戦と共に、名所やグルメや温泉など、現地周辺の観光を組み合わせて楽しむ。そういう旅のスタイルを『スポーツツーリズム』と呼ぶそうだ。
そのような言葉が存在することを、筆者は最近になって初めて知ったのだが、考え方そのものはずっと昔からあったと思う。
たとえば筆者は以前、大分トリニータの取材で大分市を訪れたとき、仕事を終えて訪れた現地の居酒屋のカウンターで、たまたまアルビレックス新潟のサポーター夫婦と同席したことがある。その夫婦いわく、「こうやって新潟のアウェイの試合を観戦しながら、日本各地の美味しいものを食べ歩きするのが楽しみなんです」とのことだ。
また、昨シーズンの2012年にクラブ初となるJ1昇格を果たしたサガン鳥栖が、J1を舞台に旋風を巻き起こし、2年連続で残留を果たしている。この2年間のうちに、「生まれて初めて佐賀県に足を踏み入れ、観光を楽しんだ」というJ1サポーターも多いのではないだろうか。スポーツツーリズム、それもJリーグの楽しみ方だ。
ところで来シーズンは、Jリーグ史上初となる四国のクラブがJ1に昇格してくる可能性がある。そのクラブの名は、『徳島ヴォルティス』。
8日(日)の15時半から国立競技場で行なわれるJ1昇格プレーオフ決勝で、京都サンガF.C.に勝つことができれば、徳島のJ1入りが決定する。
実は筆者は、なぜか縁がなく、生まれてこの方、四国の地に足を踏み入れたことがない。もしも徳島がJ1に来てくれれば、「この機会にJリーグ観戦にからめて、四国の観光を楽しめるかも……」と密かに思っている。
また、四国には徳島のほかに、J2の愛媛FCもある。土曜日に徳島でJ1の試合を見た後、日曜日には愛媛でJ2の試合へ……。その途中にご当地グルメを楽しむ、そんな“四国ハシゴ旅”も夢ではないだろう。
さらにさらに、J1昇格プレーオフ決勝が行なわれる8日同日には、J2・JFL入れ替え戦として、J2のガイナーレ鳥取とJFLのカマタマーレ讃岐も決戦に臨む。第一戦を1-1で引き分け、第2戦では、讃岐が勝つか、2得点以上での引き分けでクラブ史上初のJ2入り決定、鳥取がJFLに降格する。
仮に、徳島のJ1入りと讃岐のJ2入りがダブルで達成されれば、四国・スポーツツーリズムの夢はさらに広がる。なんてことを考え始めると、サポーターでなくても徳島と讃岐に肩入れしたくなってしまうところだが……。
とはいえ、徳島のJ1入りは決して簡単なことではない。
なぜならJ1昇格プレーオフは、年間を通したリーグ戦の優位性を反映させるために、試合が90分間で引き分けた場合は、シーズンの順位が高いほうが勝者となる。京都は今季のJ2で3位のチーム、徳島は4位だ。つまり、徳島がJ1昇格を果たすためには、引き分けではダメ。京都に勝つしかない。なかなか手厳しい状況だ。
一方の京都は、勝つか引き分けで4年ぶりのJ1の舞台に戻ってくることになる。そういえば、筆者は京都にもここしばらく行けていない。京都が上がってきてくれても、それはそれで楽しいかもしれないなあ……。
第三者としては、そんな気持ちで見たくなってしまう構図のJ1昇格プレーオフ、J2・JFL入れ替え戦だが、もちろん、それぞれのクラブの当事者やサポーターにとっては、そんな戯言に付き合っている場合ではないだろう。
筆者のような呑気な観戦者は、8日15時半、国立競技場のメインスタンドかバックスタンド、あるいはNHK・BS1で生中継されるテレビでの観戦をオススメする。
きっと、ピッチ内の選手やゴール裏のサポーターたちが、作り物ではない素晴らしいドラマを見せてくれるはずだ。
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たとえば筆者は以前、大分トリニータの取材で大分市を訪れたとき、仕事を終えて訪れた現地の居酒屋のカウンターで、たまたまアルビレックス新潟のサポーター夫婦と同席したことがある。その夫婦いわく、「こうやって新潟のアウェイの試合を観戦しながら、日本各地の美味しいものを食べ歩きするのが楽しみなんです」とのことだ。
また、昨シーズンの2012年にクラブ初となるJ1昇格を果たしたサガン鳥栖が、J1を舞台に旋風を巻き起こし、2年連続で残留を果たしている。この2年間のうちに、「生まれて初めて佐賀県に足を踏み入れ、観光を楽しんだ」というJ1サポーターも多いのではないだろうか。スポーツツーリズム、それもJリーグの楽しみ方だ。
ところで来シーズンは、Jリーグ史上初となる四国のクラブがJ1に昇格してくる可能性がある。そのクラブの名は、『徳島ヴォルティス』。
8日(日)の15時半から国立競技場で行なわれるJ1昇格プレーオフ決勝で、京都サンガF.C.に勝つことができれば、徳島のJ1入りが決定する。
実は筆者は、なぜか縁がなく、生まれてこの方、四国の地に足を踏み入れたことがない。もしも徳島がJ1に来てくれれば、「この機会にJリーグ観戦にからめて、四国の観光を楽しめるかも……」と密かに思っている。
また、四国には徳島のほかに、J2の愛媛FCもある。土曜日に徳島でJ1の試合を見た後、日曜日には愛媛でJ2の試合へ……。その途中にご当地グルメを楽しむ、そんな“四国ハシゴ旅”も夢ではないだろう。
さらにさらに、J1昇格プレーオフ決勝が行なわれる8日同日には、J2・JFL入れ替え戦として、J2のガイナーレ鳥取とJFLのカマタマーレ讃岐も決戦に臨む。第一戦を1-1で引き分け、第2戦では、讃岐が勝つか、2得点以上での引き分けでクラブ史上初のJ2入り決定、鳥取がJFLに降格する。
仮に、徳島のJ1入りと讃岐のJ2入りがダブルで達成されれば、四国・スポーツツーリズムの夢はさらに広がる。なんてことを考え始めると、サポーターでなくても徳島と讃岐に肩入れしたくなってしまうところだが……。
とはいえ、徳島のJ1入りは決して簡単なことではない。
なぜならJ1昇格プレーオフは、年間を通したリーグ戦の優位性を反映させるために、試合が90分間で引き分けた場合は、シーズンの順位が高いほうが勝者となる。京都は今季のJ2で3位のチーム、徳島は4位だ。つまり、徳島がJ1昇格を果たすためには、引き分けではダメ。京都に勝つしかない。なかなか手厳しい状況だ。
一方の京都は、勝つか引き分けで4年ぶりのJ1の舞台に戻ってくることになる。そういえば、筆者は京都にもここしばらく行けていない。京都が上がってきてくれても、それはそれで楽しいかもしれないなあ……。
第三者としては、そんな気持ちで見たくなってしまう構図のJ1昇格プレーオフ、J2・JFL入れ替え戦だが、もちろん、それぞれのクラブの当事者やサポーターにとっては、そんな戯言に付き合っている場合ではないだろう。
筆者のような呑気な観戦者は、8日15時半、国立競技場のメインスタンドかバックスタンド、あるいはNHK・BS1で生中継されるテレビでの観戦をオススメする。
きっと、ピッチ内の選手やゴール裏のサポーターたちが、作り物ではない素晴らしいドラマを見せてくれるはずだ。
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