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ラーメン好きが注目する新ご当地系「長野ラーメン」とは?

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今、新たな“ご当地系”ラーメンとして注目されているのが「長野ラーメン」だ。

この「長野ラーメン」の最大の特徴は、共通した味の方向性がないこと。ご当地系といえば、福岡なら豚骨ラーメン、熊本といえば豚骨スープに馬油(焦がしニンニク油)が入った太麺ラーメンというように、基本となるスープや麺が決まっている。だが、長野ラーメンは店ごとに味がバラバラ。にもかかわらず、どの店・どの味でもハイレベルというのが最大のカラーだ。

なぜ、長野ラーメンは全国でもトップクラスの実力をつけるに至ったのか。その独特の進化過程を、ラーメン店を中心に7000軒以上もの飲食店を取材したフードジャーナリスト、はんつ遠藤氏が解説する。

「10年くらい前まで、長野にはラーメン文化が育っていませんでした。しかしここ数年の発展ぶりはすさまじいものがあります。店の数は増え、味も非常に高い水準に達しました。この成長を牽引したのは、『気むずかし家』などを展開し、いち早く東京進出も果たした塚田兼司さんです。

長野の県民性はマジメで控えめで、人と人との輪を大切にします。さらに押しが弱く心配性な気質もある。だから長野のラーメン屋さんは実力があっても東京で勝負するまでの自信は持てず、味以外の面でもいろいろなことが心配になってしまい、東京進出に慎重だったのだと思います。

そんな状況に風穴をあけたのが、長野県民としては珍しく積極的なキャラクターを持った塚田さんなのです」



塚田氏は、東京ではやっているさまざまなタイプのラーメンにオリジナリティを加えて長野に持ち込み、ことごとくハイレベルに仕上げた。そして店舗数を拡大する際には、同じ味を出すチェーン展開はせず、店ごとにラーメンの味も名前も変えて勝負した。その結果、長野には、あらゆるバリエーションのラーメンが幅広く発展した。

そして約8年前、『信濃神麺 烈士洵名』という店で東京に出店して大成功させ、長野のラーメン店主たちに自信と希望を与える。さらに長野県内のラーメン店主たちを集めた組織である「信州麺友会」を結成し、積極的に会合を開催。必要な情報を交換して知識や経験を共有できる場をつくった。店主たちは仲間意識を強め、競い合うというより互いに高め合う関係を構築させた。

その高い技術と意識は、東京進出2号店の「本枯中華そば 魚雷」のスープ作りにも表れている。



「魚雷のスープは何段階ものステップを踏んで作っています。地鶏や豚足などで出した濃厚なコラーゲンスープに、カツオやサバ、イリコなどの魚と大量のコンブで水出ししてから寝かせた魚介スープを合わせる。そのWスープをフラスコに注ぎ、最高峰の本枯節と本節の粉末をコーヒー用のサイフォンで煮出し、風味を閉じ込めた状態でWスープと合わせます。最後に煮干しとカツオをエスプーマ(亜酸化窒素で食材を泡状にする調理技術)して、あえてクセを効かせたムースを麺にのせて完成です」(塚田氏)

ここまで徹底してこだわり、独自性を追求する塚田氏の背中を追って成長した集団こそが「長野ラーメン」の正体だ。

(取材/菅沼 慶、撮影/井上太郎)

■週刊プレイボーイ38号「長野ラーメン 快進撃の秘密」より













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