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ブックオフが生まれるまでは2勝10敗だった。名経営者「坂本孝」の事業家人生とは

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中古本で有名なブックオフを創業した坂本孝さんは、立ち飲みで格安で美味しくて大人気の「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」を運営する「俺の株式会社」を設立しました。この2社をみるとすべてがうまくいっているようにみえ、最初から名経営者のようにみえます。しかし、現在に至るまでは大きな苦労があったのです。今回は、ブックオフが生まれるまでの2勝10敗の事業家人生を紹介します。



2勝10敗の事業家人生
「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」は、坂本さんのビジネス人生において13戦目の事業です。それまでの12戦について振り返ると、勝敗は2勝10敗でした。そのうちの1勝が中古ピアノの販売で、もう1勝がブックオフです。

ブックオフは12戦目ですが、これ以前の事業展開には、たくさんのさまざまな失敗がありました。実際、最初の家業で倒産の危機もあれば、事業再生も経験しています。

中古ピアノの販売で初勝利がブックオフのヒントにつながる
オーディオの販売で初戦敗退した後、もっと将来を読めるような、「今日の行動が、明日明後日につながるような、そういう事業の展開をしていかなければならない」と思案し続けました。そんな中で、たまたま出席した楽器屋さんの会合にブックオフのヒントを得たのです。

会合の中で、「おたくの資産はどのくらいですか?」という質問がありました。それはどんなことを意味しているのかすぐには分からなかったのですが、楽器屋さんにとって資産とは、店舗数でも、在庫数でもなく、音楽教室の生徒の数だったのです。

家族に、女の子が生まれたら、「女の子でよかったですね」と楽器屋さんの営業マンがお祝いを持ってご家庭にお邪魔します。3歳になったら「月掛け1000円でオルガンを買いませんか」と勧誘します。この当時は情操教育に目を輝かせていた時代です。こぞってオルガン教室に通って、積み立てを続けます。

小学校に上がると「オルガンは指が寝るから」と、ピアノに切り替えます。次にエレクトーンを勧められます。エレクトーンには級があって、級が上がるとインストラクターになれて、自宅で教室を開業できます。楽器屋さんのビジネスはこのような仕組みの上に成り立っていて、音楽教室の生徒の数こそが楽器屋さんの資産というわけです。

この仕組みは著しい勢いで全国に広がっていきました。大手楽器メーカーは皆この仕組みに走ったのです。全国に音楽教室ができ、ポップコンサートが開催されていました。そして坂本さんが「よし、音楽教室をやろう!」と某メーカーに申し出たところ、山梨県は某楽器店が中心になっていて、そのサブでないとだめで、卸値は9掛けといわれました。

「新品がだめだったら、中古があるじゃん!」

ということで、中古ピアノの商売をはじめました。1972年のことです。そこでまず、「中古ピアノを持っているのはどこだろう?」と、考えました。それは、調律師でした。

すぐに、全国の調律師に手紙を出して、ピアノを集めました。そこで、中古ピアノ80台でセールを行ったら、よく当たりました。その仕組みは、調律師に手紙を書いて、仕入れて、チラシをつくって、セールをする、というシンプルなものでした。いまでも中古ピアノの一斉セールをしている会社がありますが、その元祖が坂本さんです。12戦のうちの1勝。そう、初勝利だったのです。

ただし、中古ピアノを扱うには限りがあるということを感じていたため、将来的にはたくさんの人と関われるような中古商品をやりたいと思うようになっていたのです。



その後、坂本孝さんはブックオフを始め、破竹の勢いで拡大を続けました。しかし、最初から名経営者だったわけではありません。様々な経験を積んだからこその今があったのです。

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