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EV普及の足かせ?「火力発電用天然ガス」価格見直し急務 !

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電力各社は原発稼動停止に伴う火力発電用の天然ガス需要が大幅に増加したことを理由に、昨年9月の東京電力による平均8.46%の電気料金値上げに追従して次々と値上げに動いています。 

まず関西電力と九州電力が今年の5月1日から、各々平均9.75%、6.23%の電気料金値上げを申請して経産省が認可。

続いて東北電力(平均11.41%)と四国電力(平均10.94%)が7月1日から、北海道電力(平均10.2%)が9月からの値上げを各々申請中で、現在経産省の認可が下りるのを待っている状況。 

今のところ、中部電力、北陸電力、中国電力、沖縄電力の4社は値上げ申請の動きが無いようです。しかし、実際には政府の認可無しに燃料費や為替相場の変動を毎月の電力料金に反映できる「燃料費調整制度」に基づいて各社が先行で値上げを実施中。 

 

産経新聞によると、8月の電気料金値上げは6→7月に次いで2ヶ月連続で過去最高となる模様。 

例えば上表で東京電力管内の標準的な使用量の家庭の電気代は7月比58円増の7978円となる予定で、1年前(7201円)と比べて約780円の負担増となるようです。夏場はエアコンによる電力の消費が多いので、家計にも響きそう。 

生活実態調査委員会が関西電力による5月の電気料金値上げ後に関西在住1万人を対象に実施した意識調査アンケートでは電気料金の値上げによって現在の生活に影響が有ると実感している割合は66%に上り、その中で最も影響を実感しているのが「オール電化」しているパネラーだったとか。 

電気料金値上げを機に、震災時の備え等の観点から、太陽光による自家発電や売電についての興味が確実に高まって来ていると言います。 

現在の電気料金値上げはシェールガス採掘で盛り上がりを見せる米国の天然ガス価格などに比べて、資源に乏しい日本が結果的に割高な天然ガスを買わされており、電力各社が発電用燃料費増による経営悪化分を電力料金アップの形で消費者に転嫁しているという構図。 

本来は原発再稼動への思いを早く断ち切って、天然ガス買い付け価格の引き下げに総力をあげるべきと思われますが、今のところ米国産シェールガスの輸入が実現する2017年まではそうした動きも無さそうです。 

こうした電気料金値上げは急速充電機不足等で普及が足踏みしているEVをも直撃。 

東京電力の場合、長時間の充電時に期待の「深夜電力」が電源常時接続型の電気給湯ステムのユーザーでないと恩恵に預かれない というのもまた痛いところ。 

経産省は1005億円の補正予算を盛り込んで一般充電設備を2014年3月までに全国に約10万基整備すると共に、急速充電器を1400基から3万5700基まで拡充する計画。 

また、EV購入補助として2015年末までの3年間、EVの車両価格の目標を決めて、これを下回れば同クラスのガソリン車との差額分全額を国が補助する制度を創設するなど、EV普及に取り組んでいますが、日産リーフの場合2016年までにルノー分を合わせた販売目標150万台に対して累計販売が5万台程度に留まっている状況。 

電気料金値上げが今後も続けばEV普及への更なる足かせとなるのは必至。 

そうした事態を避ける意味でも、安全・安心なエネルギーへの転換が急がれる日本にとって、再生可能エネルギー本格化までの中心となる火力発電用天然ガスの輸入価格是正が急務と言えそうです。 

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■大手電力10社
・北海道電力 ・東北電力 ・東京電力 ・中部電力 ・北陸電力 
・関西電力   ・中国電力 ・四国電力 ・九州電力 ・沖縄電力

 (Avanti Yasunori) 

【画像ギャラリーをご覧になりたい方はこちら】 http://clicccar.com/?p=225826


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