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タイで「器を持ち上げて食べる」のはOK? NG?

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 海外では常識でも日本ではそうでないものもあるし、またその逆もしかり。旅行などで海外を訪れた際に思わずやってしまう日本の習慣が実は大顰蹙だったなんてこともよくあること。

 そういったタブーはガイドブックなどに書いてあるが、でも「本当にそうなの?」という疑いもなくはない。

 今回は人気渡航先のひとつ、タイにおけるタブーは本当なのか、検証してみた。

●麺をすする

 タイ料理も麺類は豊富。そこで日本人がついついやってしまうのが「麺を音を立ててすする」ことだ。

 これは……ダメ!

 といっても、怒られることはなく「なんだコイツ……」という冷たい視線を浴びるくらいで済むのは食事のマナー程度だからだろう。

●器を持ち上げる

 トムヤムクンなど小さい器に入れてもらったスープを味噌汁のように持ち上げて器に口をつけて飲みたくなるが……、これもアウト!

 中華系タイ人のごく一部は茶碗などを持って食べる人もいるようだが、一般タイ人は器や皿に顔を近づけるのは「犬食い」となり、仏教の六道から動物は人間より格下のものであることからみっともないと思われてしまう。

 ちなみに、罵り言葉の多くは動物を例えており、動物呼ばわりされることがタイ人の最大の屈辱となる。なので「きみは犬系だね」なんて褒めた日には殴り返されるかもしれない。

●大声を出す

 中国人は大声を出して話すイメージがあるが、中国文化の影響を色濃く受けているタイでもこれはNG。タイ人は穏やかに生きることをモットーとしているので、大きな声で喋ったり、カッカと怒っているのをよしとしない。とはいいつつ、ケンカや殺人の発生率は日本の数十倍と言われるのだが……。

●子どもの頭を撫でる

 これはどのガイドブックにも載っているタブーだが、実のところは……OK!

「いいことをしたら、うちでは頭を撫でますよ」

 とは6歳の女の子を持つお母さんのゲーさん。

 頭に精霊が宿っていると信じられていたためなのだが、今ではあまり気にされなくなった。実際田舎に行くと「親族総出で子どもの頭を撫でてくる」とゲーさんは話す。

 さて、ここまでは万が一やってしまっても外国人だからと許してもらえるケースだ。次は外国人でも許されない絶対的タブーを紹介しよう。

●僧侶と女性が接触する

 女性が僧侶に触ることは絶対的タブーだ。もし触ってしまった場合、それまでの修行がすべてパアになるという。僧侶専門に取り締まる部門まで警察にあり、女人禁制を破る僧侶などを摘発するほどなのだ。

 筆者の目撃談になるが、寺に寄った際、2歳くらいの女の子を抱っこしながら歩く僧侶がいて「え?」となった。ほかにも友人の日本人女性と歩いていたら、僧侶が「日本人?」と明らかに彼女に興味を持って話しかけてきた。大丈夫なの? と訊くと

「触らなければOK!」

 と爽やかに返された。イッツ・タイランド……。とはいえ、僧侶が着る袈裟に触ってもダメなので、女性は気をつけなければならない。

●王室の悪口

 タイの現国王、プミポンアドゥンヤデート国王は国民から絶大的な人気を誇る。タイには王室不敬罪というものがあって、王様を始め王室関係を悪く言うことは禁じられている。この場合は刑務所一直線だ。

 タイではハリウッド映画が日本よりも早く上映され、旅行者も映画館に足を運ぶことが多い。数分ほどCMが上映され、本編開始直前に国王を称える歌が流れる。その際にも全員起立で拝聴しなければならない。

 王室の移動の際も沿道で座っていてはいけないし、実際に日本人でも不敬罪に問われている者がいる。また、タークシン元首相へのクーデター以後、王室を巡る発言で不敬罪適用が多く、かなりシビアなタブーとなっているので気をつけたい。

 ちなみによく日本のテレビなどで紹介される朝8時と夕方6時の直立不動は国旗掲揚に対するもので、立ち止まらなくても(今のところは)逮捕されることはない。

 以上、タイにおけるタブー検証の結果、いかがだっただろうか? こうしたカルチャーギャップを考えることで、交流から共生へと道が開いてくるのかも。 <取材・文・撮影/高田胤臣>



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