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実は就活以上に大事な「異動活(イドカツ)」のススメ 

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〈イドカツ〉はこの記事のための造語だ(若干ムリヤリだけど)。どの会社で働くかは大事だが、何をするか、誰と働くかはもっと大事な話な気がする。そんな「人生を選ぶ自由」を求める人には、ぜひ読んでみてほしい。

■こんな人は本気で〈異動活(イドカツ)〉を考えよう

初夏から秋にかけ、多くの会社では新入社員の配属部署が決まる。歓喜している新人もいれば、憤死寸前!の新人もいるだろう。

もちろん新人でなくっても、今の部署がイヤでイヤでしょうがないビジネスマンは多いはず。確かに、どの会社に勤めるか以上に、どんな仕事をするか、誰と働くかは、人生のハッピー度において、すごくすごく、大事な話だ。

ということでこの特集では、あらゆる業種・業態、約120社の人事制度を手がけてきた、人事コンサルタントの平康慶浩(ひらやすよしひろ)氏(セレクションアンドバリエーション取締役社長)をお迎えし、「今の職場から脱出したいビジネスマン」に、就活ならぬ〈異動活(イドカツ)〉の成功ルールを届けたい。まず、本気で「異動」を考えるべきは、現在、以下のどれかに当てはまっている人たちだ。

(1)職場の人間関係が限界だ

厚労省の調査でも明らかなように、「人間関係」は職場のストレスの最も大きな理由のひとつである。もちろん、心地よいだけの職場なんてあり得ないが、心身に異常をきたすほどつらいなら、違った環境へさっさと脱出したほうがハッピーに決まっている。

(2)会社の業績が悪化し続けている

以下は平康氏のお話を。

「業績悪化が止まらないのは、その会社の〈ビジネスモデル=儲ける仕組み〉が古くなってしまった証拠です。となると『転職』が頭をよぎるでしょうけど、転職で給与が上がる可能性は五分五分なんですね。いきなりそのリスクを取るよりは、まずは社内の、今後業績が伸びそうな新しい部署へ異動することを勧めます」

(3)将来の転職も視野に入れたい

「さらに、成長事業は基本的に同業他社でも一緒ですから、そういう部署で働いておけば、もし会社が本当にダメになったときでも、転職は有利になります」







■これが〈異動活〉の成功ルールだ

就活の成功ルールはさんざん語られているのに、なぜかほとんど語られることのない〈異動活〉の成功ルール。以下、平康氏にレクチャーしていただこう。

(1)「これから伸びる部署」を探す(派手な部署とは限らない)

「異動先を選ぶ際、もちろん『自分の気持ち』は大事にしてほしいですが、将来の収入やキャリアのことも考えれば、できるだけ、これから伸びる部署から選ぶべきです。選び方の基準は3つ。ひとつ目は『過去3年の売り上げ平均より、去年の売り上げが大きいこと』。つまり伸び盛りということです。ふたつ目は『初期投資額が大きいこと』。これは経営陣の期待の大きさの表れを意味します。3つ目は『1人当たりの売上高が、社内平均よりも高い部署』。つまり、利益率が高いということです。

なぜ、このように数字で判断してほしいかというと、『今は小さいがこれから伸びる部署』は、得てして社内で評判が悪く、そういう評判に惑わされないためです。実際、『これから伸びる事業』は、その会社のかつての花形事業と比べると市場が狭かったり、地味だったりする。しかしその分、希望者は少なくて倍率も低い。

例えば、私の知るある電機メーカー研究員は、アジア勢にシェアを奪われる一方だったパソコンの開発担当部門から、医療機器メーカー向けサーバー部門へいち早く異動。その部署は成長を続けています。もちろん、部署ではなく、担当する商品・サービスや、担当エリアを変えてもらう方法もありますが、発想は同じことです」

(2)人事権を持っている人と顔なじみになる

多くの場合、異動先の仕事は自分にとっても未経験のため、「即戦力」アピールは難しい。そうなると、希望する異動先の部長・役員クラス、あるいは人事部のプッシュが重要になってくる。「名前も知らない優秀な社員より、顔なじみのデキる社員のほうが絶対に優先されるものです。経営陣も人間ですからね」

(3)今の上司や部署の悪口は言うな

「もし今の職場の人間関係が最悪でも、たとえ今の上司に人間的な問題があることは周知の事実でも、社内で異動をアピールする際、悪口は絶対言ってはダメ。『こいつは新しい職場でも、また悪口を言いふらすだろうな』と思われて、信用されなくなるものです」

(4)「評価に結びつく知識」を習得

「『こいつは努力をしているから、希望どおり異動させてあげよう』と思われるためには勉強も大事。オススメは、事業計画策定やマーケティング、財務といったマネジメント系の専門知識。つまり、経営陣の視点を得るための知識です。 ポイントは、会議の場などで勉強の成果をアピールできるジャンルを学ぶこと。例えば財務なら、過去の売り上げや利益の数値を分析する知識を学ぶとか。逆に『社内で使うアテ』がない資格を得ても、評価には結びつきません」







■こんな部署なら異動を思いとどまろう

たとえ今はつらくても、できれば異動を思いとどまるべきケースがあると平康氏は言う。それは、今の部署が「出世の階段」になっている場合と、「ビジネスの本質に関わる経験」ができる場合だ。

(1)社長(または次期社長)が経験した部署に、今いる

「例えば、大企業で出世した役員たちの異動歴を見てみると、同じ部署を経験している場合が多くあるんですね。昔だったら人事部でしたが、最近では海外現地法人や工場の管理部門など、多岐にわたります。自社の『出世の階段』を調べてみましょう」

(2)過去1年以内に大規模な投資や、人員増などが行なわれた部署

「こういう部署は会社側が成長させようと期待している部署です。会社が目をかけて金をかけて人まで投入しているのなら、そこから異動するのは明らかに損。こういう部署では『ビジネスの本質』を経験できますよ」

(3)経営企画や営業企画といった企画系の部署

「企画系部署は基本的にエリートが配属されます。そんな職場では、上司や同僚や部下との関係を十分につくってから異動を考えるべき。それに多くの場合、こういう部署は『出世の階段』でもある。また、人事や経理でも、新規プロジェクトに属している場合は同様です」

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