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視聴率より視聴質! 水曜夜10時の名作は「ショムニ」か?「Woman」か?

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水曜夜10時は何のドラマを見てますか? 江角マキコ主演、10年ぶりの新シリーズ「ショムニ2013」でしょうか。それとも、「重すぎる」「辛くて見てられない」という感想が上がっている満島ひかり主演「Woman」でしょうか。

初回平均視聴率は、「ショムニ2013」が18.3%、「Woman」が13.9%と江角マキコに軍配が上がりました。視聴率としては惜しくも負けてしまったものの、おそらく視聴質は「Woman」が完全圧勝していると思います。今回は、「Woman」第2話を受けて、このドラマの魅力を紹介します。



語らず語る名作の予感!
「辛すぎる!」「暗い気持ちになっちゃう!」という感想を持った方もかなり多くいる「Woman」。シングルマザーの小春(満島ひかり)は、昼も夜も働き二人の子供を養っています。しかし、生活は決して裕福ではありません。極貧とも言える生活にもかかわらず、7歳の娘・望海は笑顔を絶やしません。

そんな笑顔を見ていると、確かに「どんだけ辛いのよ!」「仕事から帰って来て、こんな暗い気持ちになんでなんなきゃいけないのよ!!」とチャンネルを「ショムニ2013」に変える視聴者も少なくないのでしょう。

望海は、自分が食べたいもの・遊びたいこと・興味があることがたくさんあるのに、その欲望をありのままに母・小春に伝えることを絶対にしません。それどころか、母親との“ある約束”を守れなかったことを心の底から悔い、布団のなかでひとり涙しるのです。

この子供、わずか7歳の子供の健気すぎる思いを目にしたとき、視聴者の心は揺さぶられたかのごとく動きます。音を立てて動きます。彼女の心の叫びは、決して台詞で表現されません。話のなかで、母との約束を破ったことに対する自責の念を無言で表現します。

登場人物の心をなんでもかんでも台詞にすることは、視聴者をバカにしているとしか思えません。たとえば、「お前のことが好きだ!」と心の中をそのまま台詞で表すと、確かに視聴者は「あぁ〜、主人公のこの男は、やっぱりこの子のことが好きだったんだね」と一目瞭然で理解ができます。たとえ毎回ドラマを見ていなくても、視聴者はストーリーから置いてけぼりにならないでしょう。

しかし、そんな小手先の技術で作られたドラマではなく、なぜ「ストーリーで視聴者を惹き付けてやろう」と考えないのでしょうか。それが作り手の意地ではないでしょうか。その点で言うと、ドラマ「Woman」は意地だらけの作品! 見ていて辛くなるのは間違いありません。もっと言うなれば、見ていて辛くなるが見逃せないドラマです。胸が締め付けられているのに、一時としてテレビから目が離せません。ボヤッと見ていると、なぜ娘の望海がふとんのなかでひとり涙しているのかがわからなくなります。

「わかりやすさなんて糞喰らえだ! 見逃せないドラマを作ってやる!!」という作り手のみなさんの気概が感じられる名作の予感が、もう既にしています。

「Woman」「ショムニ2013」比較
水曜夜10時にあなたはどちらのドラマをご覧になりますか? 「ショムニ2013」でしょうか。それとも「Woman」でしょうか。まったく毛色の違うドラマで比べようがない、といえばそうなのですが、ここはあえて比べてみることにしましょう。

まず、劇中の“音”。音響効果から考えると、「ショムニ」は飽きさせないための音効演出です。登場人物の顔アップを兎にも角にも多様しているこのドラマ。アップになれば、チン、だの、ポン、だの。視聴者を飽きさせないための音効が炸裂しています。一方、「Woman」はドヴォルザークの新世界が象徴的に流れます。その他にも音楽は流れますが、あくまでストーリーを邪魔しない、ストーリーを際立たせる使われ方をしています。唯一、気になるのはオープニング楽曲です。ドラマの世界観とあまりにも違う楽曲に戸惑ってしまいますが、オープニングの勢いを演出しているという点ではその役割を果たしているかもしれません。

次に、主演女優で比べると、「ショムニ」の江角マキコは“THE 女優”とは到底言えない芸能人です。「ショムニ」の坪井千夏というキャラクターだからこそ、違和感なく見れていますが、最大の難点は大きな声を出さなければならないとき、途端に演技が下手になることです。たまに、ごくまれに、彼女の声が「サザエさん」のアナゴさんに聞こえてしまいます。あんなOL扮装をしたアナゴさんは、いただけません。かたや「Woman」満島ひかりは、その声・髪型・髪の量・体型すべてが、この千春のために用意されたものかと思えるほどです。“THE女優”です。

最後は、その人気と質で比べると、冒頭でも述べたように「ショムニ」が視聴率では勝っています。前シリーズまでのファンも新しい視聴者も楽しめたドラマだったのが、その勝因ではないでしょうか。一方、「Woman」は視聴質で圧勝しているはずです。視聴者がどんな思いでドラマを見ているか、を比べると、その違いは明瞭です。前者は、途中でお風呂に入ってもストーリーがわかる作品。後者は、トイレさえも行けない作品です。



水曜夜10時が今年からドラマ地帯になりました。この夏はまったく性格を異にするドラマ2本が、表と裏で放送中です。どちらが表で、どちらを裏にするかはもちろん視聴者次第です。毛色の違うこの2本のドラマが並んでいるので、せっかくならば両方見て、どちらが魅力的かを比べてみてはいかがでしょうか? 

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