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前ワタミ会長・渡邉美樹が参院選で孤立無援になっている

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居酒屋チェーン「和民」をはじめとするワタミグループの創業者である渡邉美樹(わたなべみき)氏。彼が自民党公認の比例代表候補として参院選に出馬することになったのだが、その逆風たるやすさまじいものがある。

6月28日には、過労により自殺した元ワタミ社員の両親が自民党本部前を訪れ、「若者を使い捨てにするような経営者に国会議員になる資格があるのか」と涙ながらに公認撤回を要請。

同日深夜の討論番組『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)では、自民党の平沢勝栄(ひらさわかつえい)衆議院議員が苦言を呈した。

「(渡邉氏は)一定の票は取ると思いますが、(自民党にとっては)それ以上に、減る票のほうが多いと思う」

公認撤回については「私個人の考え方ですが、ぜひそういう形にもっていきたい」(平沢氏)と発言。すると、放送終了直後から同議員のもとに電話やメールが殺到。

「3日間で100件近くのメールが届いたようで、9割以上が『よくぞ言ってくれた!』と賛同する内容だったそうです」(自民党関係者)

自民党のベテラン衆議院議員S氏がこう囁く。

「彼を公認したことに対する抗議が党本部に相当数きています。候補者個人に対する抗議がこれだけ集まったのは自民党結党以来、初めてのことです」

公示日(7月4日)の直前には、総務会(党内の最高意思決定機関)の会議の席上でこんな動きがあったという。

「ある議員が『彼を公認したことに対して、地元からものすごい批判が出ている。なんとかしてくれ』と党幹部に要望しました」(S氏)







別のある議員は愚痴をこぼす。

「ワタミは私の地元の商店街に町内会費を払っておらず、そればかりか、会社に所属する非正規社員の雇用保険などの社会保険料を負担していないそうだ。もし、それが本当なら看過できない。こんなダーティな会社の元経営者に公認を与えたということになれば、自民党のイメージが損なわれる。ほかの候補者の選挙戦にも影響が出るかもしれない」

どうやら、渡邉氏は自民党内で“はれ物”扱いされているようだ。とはいえ、選挙戦が始まった以上、何かしらのスキャンダルでも起きない限り公認撤回はできない。

「こうなると、渡邉氏本人が自らの意思で出馬を辞退してくれることを期待しているのですが……」(前出・S氏)

現在、ネットをはじめとして各所から渡邉氏の出馬辞退を求める声が上がっている。だが、彼の秘書はこう断言する。

「さまざまなご意見をいただいておりますが、渡邉に出馬を辞退する意思はまったくございません。やる気です!」

それでは、今回の参院選で渡邉氏が当選する可能性はどれほどなのだろうか。冒頭で述べたとおり、彼は自民党の比例代表として出馬する。「参院選の比例区は『個人名+政党名』の合算の得票数で各党に議席が配分され、比例名簿に載せた候補者のうち、個人名での得票が多い順に当選する、という仕組みです。今の勢いがあれば自民党は比例区で20議席は取れるはず」(S氏)

自民党の候補者は29人。S氏の見立てから考えると、この中の約3分の2が当選する計算だ。

“悪名は無名に勝る”。彼はさんざん叩かれて逆の意味でネームバリューを高めていますから、当選は確実だと思います(苦笑)」(S氏)

一方で政治評論家の浅川博忠(ひろただ)氏は厳しい見方を示す。

「選挙期間中、渡邉氏は街頭で汚名返上を訴えるでしょうが、党内で応援演説に行く人は誰もいないはず。ワタミ関係者の組織票が期待できるとはいえ、孤立無援では選挙に勝てません」

開票は今月21日。政治家・渡邉美樹の誕生なるか?

(取材・文/興山英雄) 【関連記事】
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