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アップル、電子書籍の価格操作で有罪判決

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談合の中心的役割を負ったと。

アップルは出版社5社とともに、iBookstoreにおける電子書籍価格を意図的に高く操作して、Amazonなどの競合他社が追随するよう仕向けたとして米司法省から訴えられていました。そして今月10日、米国連邦地裁ではアップルが有罪であるとの判決を下しました。アップルが罰金をいくら支払うことになるかはわかりませんが、この判決だけでも談合を牽制する効果はありそうです。

2012年4月、米司法省はアップルと出版5社による反トラスト法違反を指摘し、彼らが「新刊・ベストセラーの電子書籍価格を釣り上げ固定し、低下させないよう共謀した」と主張しました。それに対する法廷の判断は、アップルがiBookstoreでの書籍価格を、電子書籍の標準となっていた9.99ドル(約1000円)でなく12.99ドル(約1300円)や14.99ドル(約1500円)にすべきと提案したのは事実だというものでした。

アップルはAP通信などに対して声明を出し、スポークスマンのトム・ニューメイヤー氏は「アップルは間違っていない」としました。そして、同社が上訴する方針であることを示しました。

法廷に提出されたメールや証言などの情報を総合すると、談合が始まったのは、アップルのエディー・キュー上級副社長がiPadのリリースの前に電子書籍市場を調査し始めた頃でした。キュー氏、そしてアップルは電子書籍市場のポテンシャルの大きさに気づき、その最大の競合はAmazonだと考えました。

法廷記録で「主要交渉者」と名指しされているキュー氏と彼のチームは、出版社がAmazonの9.99ドルという値付けに不満を持っていることを知りました。そして、出版社全体が価格を上げたいと望んでいることも。法廷記録では、キュー氏と複数の出版社の会議の詳細にまで踏み込み、彼らがいかに共謀を誘導し、電子書籍の価格を本来あるべき水準より高く釣り上げ、競合他社や消費者に損失を与えたかが描かれています。

この判決を出したコート判事は、次のようにコメントしています。

この裁判の争点は、終始明白でした。アップルが米国の反トラスト法を侵害し、価格固定の陰謀に参加したのかどうかということです。アップルには、被告の出版社による集団的かつ違法な取引制限を取りまとめ、そそのかした責任があります。彼らの共謀によって、Amazon(及び他の電子書籍販売事業者)は小売価格決定権を放棄させられ、電子書籍の価格を釣り上がりました。アップルらが高い価格を付けられたのは、通常の市場の力によるものではなく、アップルが主体的に参加した陰謀によるものでした。 この件に関し、アップルとともに訴えられた出版5社はすでに司法省と和解しています。アップルはどこまで戦うんでしょうか...。


[New York State District Court via Reuters and AP(Washington Post)]

Mario Aguilar(原文/miho)


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