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元CIAエドワード・スノーデン氏の報道で各国に温度差

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いま、米国の威信が崩れそうになっている。理由は、大規模な情報収集プログラムを30歳の若者に暴露されたからだ。暴露したのは、中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)の局員だったエドワード・スノーデン氏。彼は、米政府からスパイ活動取締法違反容疑で訴追されている。

いくつかの新聞社による取材を香港で受けたあと、スノーデン氏はロシアのモスクワに飛んだ。そして、ロシアに滞在しながら、エクアドルに対して亡命申請をする。ここで「おや?」と思う。

まず、中国の特別行政区である香港政府の対応だ。米政府は、訴追したスノーデン氏の身柄を拘束するよう香港政府に要求したが、無視された。次に彼が入国したロシアにも、米政府は身柄拘束を要求したものの、断られている。

「入国」といっても、プーチン大統領は6月25日に「モスクワ・シェレメチェボ空港のトランジットエリアにとどまっており、ロシアには入国していない」と述べている(ウォール・ストリート・ジャーナル、2013年6月27日付)。また、ロシアの対応を批判した米国に対して、同じ日にプーチン大統領は「犯罪人引き渡し協定を結んだ国には引き渡すが、米国との間に協定はない」と語った(読売新聞、6月26日付)。

一方、エクアドルのパティニョ外相は、6月25日に「どこかのエクアドルの大使館に行けば亡命申請を認めるかどうかの決定を下す」とスノーデン氏への対応を語っている(ウォール・ストリート・ジャーナル、同)。微妙な対応だが、アイスランドのように彼の亡命を突っぱねているわけではない。

ここでは、スノーデン氏がしたことの良し悪しについては触れない。注目したいのは、彼が情報を暴露してから滞在した国々、そして彼の亡命を拒否しない国は、ある意味で「世界の覇者」たる米国をコケにしているという点である。

現時点で、どの国が米国をコケにしているのかを知るには、各国のニュースサイトを読むのが早道である。スノーデン氏は、米国と親密な国のメディアでは「容疑者」と呼ばれ、コケにしている国では「氏」(もしくは氏名のみ)で呼ばれている。

世界を巻き込む「スパイ大作戦」まがいの出来事から、今後も目が離せない。

(谷川 茂)

※写真はDemocracy Now!より

【関連情報】
米国の監視体制をあばいたNSA内部告発者エドワード・スノーデンが名乗り出る  インタビュー(Democracy Now!)
http://democracynow.jp/video/20130610-1/

関連リンク ]
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