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「ネットで旨いマズいを語ることの難しさ」食べ物評論のプロたちが語る

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食べログが主張する「3.5点以上の店舗(上位4.3%)は食通レビュアーから高評価なので高い確率で満足できます」は本当に信頼できるのだろうか? 普段は聞けない飲食店の本音や、フードコーディネーターやグルメ雑誌のライターなど、食を生業にしている人たちの話から、食べログの信頼度を検証する。

【座談会・後編】食べ物評論のプロたちが語る、ネットで旨いマズいを語ることの難しさとは?

⇒【前編】食べログ評価3.5以上を疑え!座談会http://nikkan-spa.jp/444797

――では、皆さんはどんなときに食べログを使っているんですか?

上田:口コミや雑誌、ブログなどと並ぶ判断材料のひとつです。

瀬川:私も二次的要素としてかな。だけど、以前の会社で新しく赴任してきた役員に社内で評判の店を教えたら、「食べログで点数が低いからその店は嫌だ」って言われたことがあって、それはすごいショックでしたね。

黒崎:僕は基本、写真しか見ない。お店の公式HPと素人が撮った写真とを見比べれば、普段からきちんと盛り付けをしている店なのかどうかがわかります。

米山:料理が見てくれだけだったり、サービスが悪い店は仕方ないとして、好みじゃないというだけで悪く書く人って何なんだろう?スゴいバイタリティだよね。グルメライターの場合は、きちんと取材しないと書けません。署名原稿である以上、責任も生じるし。

瀬川:気に入らないことがあれば、その場で言えばいいのに、食べログのような人目につくところに書きこむのは陰険な感じがします。

黒崎:味が薄いとか濃いとかいうやりとりのなかで、どんどん自分好みの味にカスタマイズされていくのが外食の醍醐味なのに。

上田:例えば、牛肉を相対的に評価しようと思ったら、産地や牛の種類、熟成の度合いを食べ比べて知っていないとできないじゃないですか。そこまでわかってレビューを書いている人っているのかな。

黒崎:いないと思う。一見、いいレビューでも、『美味しんぼ』の台詞の盗用だったり(笑)。

瀬川:コスパがいいか悪いかに評価が偏っているのも気になります。

米山:それはわかる。僕は基本、資本系のお店より個人オーナーのお店を応援したいんです。だけど、コスパって言われると、資本力があるお店には太刀打ちできない。

黒崎:この道20年の技とか、コスパに置き換えられないでしょ。

上田:おいしいものってそれなりの値段がしますからね。

米山:もうさ、黒崎さんに飲食店経営の立場から「客ログ」を作ってもらうしかないよ。カリスマブロガーが料理写真を撮っているところを撮ってアップしてもらおう。

一同:(笑)

<参加メンバー>

●黒崎祥之さん(仮名)

バー、カフェ、ラーメン店など複数の飲食店の経営を経験。現在は飲食コンサルタントとして活躍中

●米山正文さん(仮名)

日本酒からスイーツ、和から洋まで、あらゆる美味を追いかけて日本全国を旅するグルメライター

●上田可奈子さん(仮名)

グルメ雑誌を渡り歩くフリー編集者。1年のうち360日は外食する。有名シェフとの強力なネットワークを持つ

●瀬川志保さん(仮名)

某有名化粧品メーカーの社長秘書を経て、現在はフードコーディネーターに。外食の裏事情に詳しい

― [食べログ評価3.5]を疑え!【7】 ―



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