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高層ビルに巨大スプリンクラーで中国の大気汚染は解決?

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「雨降らせるより水まいちゃえば」って、コロンブスの卵的発想!?

中国では大気汚染が深刻で、都市部に住む人が地方に引っ越すほどになってます。中国政府は人工降雨でどうにかしようとしていますが、浙江(せっこう)大学のユ教授は、巨大スプリンクラーを高層ビルにくっつければいいんじゃないかと考えています。

ユ教授は米国環境保護庁に所属していて、雨や雪の粒が空気から細かい粒子を集めるプロセス、「湿性沈着」の専門家です。つまり雨や雪の粒が汚染物質を集めて地面に落とす仕組みのことで、雨がやんだ後に空気がきれいになるのは、このためです。中国政府は人工の雨でこの湿性沈着を起こそうとしてるんですが、ユ教授は「わざわざ雨降らせないで、水まけばいいじゃん」って発想なんですね。彼は「Environmental Chemistry Letters」1月号に掲載された論文で、高層ビルにくっつけた巨大スプリンクラーから水をまきまくって、大気中の汚染物質を洗い流す手法を提案しました。


140122_chinasmog2.jpg1月16日、北京にて(Image:ChinaFotoPress)


この提案には、反論もあります。サウスチャイナ・モーニング・ポストで、ある科学者は水の調達方法と再利用方法について疑問視しています。でも彼は同時に、「ユ教授のチームが、機能するシステムを考案し、コスト面の分析も十分行い、水資源の扱い方も考えてあるとすれば、これは有効な選択肢になるだろう」とも言っています。


140122_chinasmog3.jpg中国中央テレビ(CCTV)本部ビル。ユ教授はここにもスプリンクラーを装着させてはどうかと考えている(Image:Lintao Zhang/Getty)


でももちろん、高層ビルにスプリンクラーを後付けするコストもあるし、それが強風とか豪雨のときにも壊れないようにするシステムも必要です。それから水量が多すぎたりしないように管理するシステムとか、寒い日に凍らないようにする仕組みも必要になります。要はまだ、ユ教授の提案は学術誌上のアイデアに過ぎず、実際それに基づいて動けるようなものではないってことです。少なくとも今はまだ。

ユ教授はサウスチャイナ・モーニング・ポストに対し、彼らのチームはまず浙江大学で、次に杭州市でもテストを実施する計画だと語りました。彼の論文には、北京のCCTV本部ビルや上海テレビ塔にスプリンクラーを装着した場合の想像図もあります…が…すみません、ここ多分笑うところじゃないのに笑ってしまいました。


140122_chinasmog4.jpg


察するに画像編集はあまり得意じゃないみたいですが、ユ教授の提案はロジカルでもあります。都市部の汚染物質はたいてい100m以下程度の空間に漂っているので、既存の高層ビルから水をまくと湿性沈着には効率的なんです。そして高層ビルは通常、人がたくさん集まってきて多くの時間を過ごすような場所にあるので、そこを集中的にきれいにできるという点でも有意義です。

中国気象局の人工降雨プロジェクトについてはすでに発表されていますが、本当に雨を増やす効果があるのかどうか疑問視されています。そこで巨大スプリンクラー案が救世主となるかどうか…わかりませんが、とにかく手を尽くすのは大事ですよね、多分。


[Environmental Chemistry Letters、South China Morning Post、トップ画像:sakhorn/Shutterstock]

Kelsey Campbell-Dollaghan(原文/miho)

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