1959年の初登場以来、実に54年間も親しまれてきた『ヤン坊マー坊天気予報』。ヤンマーが運営するそのウェブサイト版が、6月30日で閉鎖することが発表された。
サイトだけじゃない。地上波テレビでの放送もこの春、一部を除いて中止となっているのだ。
「全国32局でオンエアしていたのですが、この春に19局で打ち切りとなり、『ヤン坊マー坊天気予報』が見られるのは、今では地方の13局のみです。ただ、この13局も今年度いっぱいで、以降のことはまだ決まっていません」(ヤンマー・総務部広報グループ)
ヤンマーといえば、農業など産業機械メーカーの大手。ヤン坊、マー坊はそのヤンマーのシンボル的存在だ。
そのふたりが姿を消すなんて、ヤンマーに何が起こっているのか? ひょっとして業績不振で、リストラされてしまった?
そこでヤンマーのブランドマネジメント部に聞いた。
「いえいえ(苦笑)。昨年創業100周年を迎えたこともあって今、当社は『プレミアムブランドプロジェクト』を進めている最中。これからの時代に向けて、『グローバル』や『チャレンジ』のイメージを発信していきたいと考えています。ただ、ヤン坊、マー坊のイメージは親しみやすく、安心というもの。これから発信したいイメージとはちょっと外れていると判断し、ふたりにはしばらくお休みしてもらうことになったんです」
確かに、現在のヤンマーが扱う商品は農業機械だけにとどまらない。
しかも、本業とされる農業機械も世界ブランド化を意識して、様変わりしようとしている。
今年4月から、ブランド戦略の総合プロデューサーにアートディレクターの佐藤可士和(かしわ)氏、製品デザインはフェラーリを手がけた奥山清行(きよゆき)氏、農作業着デザイン担当に元イッセイミヤケのファッションデザイナー、滝沢直己(なおき)氏といった超有名クリエーターを起用し、「カッコいい」ヤンマーを実現すべく走り出しているのだ。
こうした動きを業界紙のデスクが解説する。
「大手のヤンマーでも、農業機械の国内での売り上げは落ちています。その代わり、海外売り上げを伸ばしており、全体で業績をプラスにしている状況です。それだけに、ヤンマーとしてはますます海外市場に打って出ざるを得ない。そうなると、海外企業の商品と戦えるだけの性能、デザインが必要となるので、有名クリエーターの起用に踏み切ったのです」
なるほど。海外市場でヤンマーブランドをアピールするには、ヤン坊、マー坊はあまりに牧歌的すぎるかもしれない。
「あの日本風のふたりの坊やが海外で受けるかは、甚だ疑問です(苦笑)。海外市場をターゲットとする今、ヤン坊、マー坊の露出を控えるヤンマーの判断は妥当でしょう」(業界紙デスク)
聞けば、今どきの農業用トラクターは上級モデルで1000万円超、最高級品だと数千万円するものもあるとか。
「最新モデルのトラクターではIT化が進み、これまでの農作業を自動で記憶するシステムも搭載されています。いつ、どこの畑をどれだけ耕したか、液晶画面でひと目でわかる」(業界紙デスク)
国内でも農家を目指す若者は増えている。そんな彼らがフェラーリ級のハイテクトラクターに憧れ、ヤンマーのショールームを訪れる日もやって来るかも。
となると、ますますヤン坊、マー坊の命運は絶望的だ。フェラーリ級の豪華トラクターと庶民的なふたりのイメージはあまりにも遠すぎる……。
と、悲観していたら、前出のヤンマー・ブランドマネジメント部からこんな答えが。
「2、3年後には新しいヤンマーのイメージ、つまり『カッコいい』ヤン坊、マー坊として生まれ変わり、復活する予定です。それまでご期待ください(笑)」
どうやらふたりはグローバル仕様になって、生き残れるらしい。それはそれでちょっと怖い気もするけど、まずはメデタシメデタシ?
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サイトだけじゃない。地上波テレビでの放送もこの春、一部を除いて中止となっているのだ。
「全国32局でオンエアしていたのですが、この春に19局で打ち切りとなり、『ヤン坊マー坊天気予報』が見られるのは、今では地方の13局のみです。ただ、この13局も今年度いっぱいで、以降のことはまだ決まっていません」(ヤンマー・総務部広報グループ)
ヤンマーといえば、農業など産業機械メーカーの大手。ヤン坊、マー坊はそのヤンマーのシンボル的存在だ。
そのふたりが姿を消すなんて、ヤンマーに何が起こっているのか? ひょっとして業績不振で、リストラされてしまった?
そこでヤンマーのブランドマネジメント部に聞いた。
「いえいえ(苦笑)。昨年創業100周年を迎えたこともあって今、当社は『プレミアムブランドプロジェクト』を進めている最中。これからの時代に向けて、『グローバル』や『チャレンジ』のイメージを発信していきたいと考えています。ただ、ヤン坊、マー坊のイメージは親しみやすく、安心というもの。これから発信したいイメージとはちょっと外れていると判断し、ふたりにはしばらくお休みしてもらうことになったんです」
確かに、現在のヤンマーが扱う商品は農業機械だけにとどまらない。
しかも、本業とされる農業機械も世界ブランド化を意識して、様変わりしようとしている。
今年4月から、ブランド戦略の総合プロデューサーにアートディレクターの佐藤可士和(かしわ)氏、製品デザインはフェラーリを手がけた奥山清行(きよゆき)氏、農作業着デザイン担当に元イッセイミヤケのファッションデザイナー、滝沢直己(なおき)氏といった超有名クリエーターを起用し、「カッコいい」ヤンマーを実現すべく走り出しているのだ。
こうした動きを業界紙のデスクが解説する。
「大手のヤンマーでも、農業機械の国内での売り上げは落ちています。その代わり、海外売り上げを伸ばしており、全体で業績をプラスにしている状況です。それだけに、ヤンマーとしてはますます海外市場に打って出ざるを得ない。そうなると、海外企業の商品と戦えるだけの性能、デザインが必要となるので、有名クリエーターの起用に踏み切ったのです」
なるほど。海外市場でヤンマーブランドをアピールするには、ヤン坊、マー坊はあまりに牧歌的すぎるかもしれない。
「あの日本風のふたりの坊やが海外で受けるかは、甚だ疑問です(苦笑)。海外市場をターゲットとする今、ヤン坊、マー坊の露出を控えるヤンマーの判断は妥当でしょう」(業界紙デスク)
聞けば、今どきの農業用トラクターは上級モデルで1000万円超、最高級品だと数千万円するものもあるとか。
「最新モデルのトラクターではIT化が進み、これまでの農作業を自動で記憶するシステムも搭載されています。いつ、どこの畑をどれだけ耕したか、液晶画面でひと目でわかる」(業界紙デスク)
国内でも農家を目指す若者は増えている。そんな彼らがフェラーリ級のハイテクトラクターに憧れ、ヤンマーのショールームを訪れる日もやって来るかも。
となると、ますますヤン坊、マー坊の命運は絶望的だ。フェラーリ級の豪華トラクターと庶民的なふたりのイメージはあまりにも遠すぎる……。
と、悲観していたら、前出のヤンマー・ブランドマネジメント部からこんな答えが。
「2、3年後には新しいヤンマーのイメージ、つまり『カッコいい』ヤン坊、マー坊として生まれ変わり、復活する予定です。それまでご期待ください(笑)」
どうやらふたりはグローバル仕様になって、生き残れるらしい。それはそれでちょっと怖い気もするけど、まずはメデタシメデタシ?
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