戸建ての中間相場1億円、賃貸は2部屋で月34万円―
「高給取りのおまえらが来たせいで俺たちが出ていかなきゃならないじゃん!」と、サンフランシスコ住民がグーグルやアップルの通勤バスを通せんぼし窓ガラスを割るなどし、急きょグーグルが通勤フェリー「Triumphant(勝利の凱旋)」を試験運用し、「そういう問題じゃないだろ~」と言われてますね。
じゃあ、何が問題なのか?
サンフランシスコの住宅が高いのは今に始まったことではないのですが、不動産会社がまとめたチャートを見ると去年からいよいよ凄まじいことになっているのがわかります。
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サンフランシスコでは賃貸物件の7割は「レントコントロール」という規制対象で、既存入居者を立退きから守るため家賃値上げは年1%に制限されてるのでグンと安い(半値以下)。月34万円という家賃はそれ以外の物件の相場です(日本語解説)。
これだけ家賃水準に差がつくと大家さんとしては「金持ちも貧乏人も仲良く住む多様なサンフランシスコ」も捨てがたいけど、立ち退いてもらって新しい人に貸したくなるのが自然な流れ…。高給取りのテック社員よりこういう住宅政策が問題なんじゃ…って気もします…よ?
今回のバス抗議ではデモ隊に「家賃が払えないんならおまえらが出ていけよ!」と怒鳴るグーグル社員風の男がいましたが、実はデモ主催者の自作自演だったことがわかっています。
傲慢なグーグル社員を熱演するデモの人
また、以下の暴言を書いて抗議活動に油を注いだスタートアップの社長もグーグル社員ではありません。
「他の大都市では社会の下層の人は分をわきまえて目立たない。[...] ところがサンフランシスコのダウンタウンはどうだ。変質者がハイエナのように群がり、ツバを吐き、小便をし、野次を飛ばし、ドラッグ売って、暴れて、まるで街の中心を我が物顔ではないか」
八つ当たりだよなーって思うのは訳者だけ?
因みに「バスの公道を無料で使いやがってこんにゃろー!」という一連の抗議を受け、通勤バスを運用するテック各社(Facebook、Google、Yahoo、Apple、Genentech、Intuit、eBay)と市はバス停ひとつにつき1ドルの沿道使用料を払うことで合意しましたよ。
グーグル通勤フェリー(収容150人)のドック使用料は1回50ドル。朝2回、夕2回の就航となります。
satomi(JAMIE CONDLIFFE/米版)
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