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音楽の売上げか…。
iTunesが登場したのが2001年。それから12年たって初めて、デジタル音楽の売上げが昨年落ちました。なぜ、デジタル音楽の売上げが落ちたのか…。ストリーミング音楽サービスが影響しているのでしょうか。
先日、Nielsen SoundScanが年間音楽売上げを発表し、様々な物の売上げが伸び悩むのと同じく、音楽のセールスも問題を抱えていることがわかりました。ネタ元のBillboardが報じたところによりますと、デジタル音楽曲の売上げは5.7%下落、昨年の13億3000万ユニット(ユニットはCD、テープ、ダウンロードをすべて含めたカウント方法)から12億6000万ユニットに落ち込みました。また、アルバム売上げは0.1%の下落で1億1769万ユニットから1億1770万ユニットへと下がり方向に。
iTunesと言えば、この10年強、困窮する音楽業界の光とも言えたメインとなる収入ポイントであったわけです。Napsterの登場でCD売上げが落ちた時、アップルのiTunes登場で多くのレコード会社が救われ、デジタル音楽への移行がさかんになりました。が、それもここまでなのか…。
ここで注目なのが、ストリーミング音楽サービスの存在。これがデジタル音楽の売上げ減少の理由なのでしょうか。Nielsen SoundScanは、まだストリーミングサービスの2013年の結果を発表していませんが、きっとユーザー数は上昇していると予想がつきます。ストリーミングで聞く人が増えれば、曲の購入者が減るのは、そりゃそうだと誰でも思いますもの。
レコード会社はストリーミングサービスを「悪」とし、今後問題解決に取り組むという動きもあるそうですが、この「悪」というのが誰にとっての悪なのかというのが大きな問題でしょう。ストリーミングサービスにお金を払って音楽を聞いているユーザーは、何もズルしているわけではないからです。ユーザーにとっては素晴らしいサービスであるからです。ただ、レコード会社からしたら以前のように売上げが伸びない、お金が入ってこない、つまりその原因にあるものは悪だとなるのでしょうけれど。難しい問題ですね。
しかし、売上げが落ちたのが必ずしも業界の衰退を意味するとは限りません。事実、レコード業界は1999年以来久々に、昨年その市場が拡大しています。
CD、デジタル音楽、ストリーミング、この三つ巴はまだ始まったばかり。今後、どのようにシフトし、バランスをとり、決着をつけていくのでしょう。
[Billboard via Circa]
そうこ(MARIO AGUILAR 米版)
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