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「ミッションは完了した」…ネット監視を告発したスノーデン氏

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社会を変えたかったのではなく、変わりたいかどうかの判断をしてほしかっただけだから。

今年世界を騒然とさせたニュースのひとつが、NSA(米国家安全保障局)による米国民のネット活動監視、どころか、同盟国の元首までターゲットとしたありとあらゆるスパイ行為でした。そんな超極秘活動の実態を暴露して今はロシアに亡命しているエドワード・スノーデン氏がワシントンポスト紙のインタビューに答え、久しぶりに口を開きました。

スノーデン氏の行為に対しては賛否両論ありますが、このワシントンポストの記事では、彼のリークによってやっとNSAが1970年代以来初めて世間の批判を受けるようになったのであって、これがなければ将来的にも実態は明るみに出なかったかもしれないと評価しています。たしかに先週、連邦判事がNSAの行為を「ほとんどオーウェルの世界」だと批判し、おそらく違憲だとさえ言っています。オバマ大統領も当初は「監視は必要悪」という姿勢でしたが、今はネット監視がアメリカのビジネスを脅かしているとさえ言うようになりました。

そして今、ワシントンポストによれば、エドワード・スノーデン氏自身が「私は勝った」と言っています。本人がこう発言しています。

私にとって、個人的な満足感という意味では、ミッションはすでに完了しているんです。勝利したんです。ジャーナリストたちが動いた時点で、私がしようとしてたことの全てが是認されました。というのは、私は世界を変えようとしてはいなかったからです。私がしたかったのは、社会に対して変わるべきかどうかを判断する機会を与えることだったんです。 ただ「ミッション完了」とは言ってますが、戦いはまだ全然終わる気配もありません。「NSAの監視は違憲かも」といった連邦判事の発言も、米国政府のスパイプログラムのあり方を動かすたくさんのパーツのひとつに過ぎません。オバマ大統領がNSAについて語るトーンも変わってきてはいますが、それでも監視活動を停止するような措置は何もとられていません。

それでも、スノーデン氏のしたことの意味は大きいはずです。さらにスノーデン氏が持ち出した情報にはまだ公開されていないものもあるので、米国政府の行き過ぎた監視がどこまで行き過ぎてるのか、まだまだわかりません。スノーデン氏は次のように続けています。

私がしたかったのは、一般の人が統治のされ方について発言権を持てるようにすることだけです。それは我々がずっと前に通り過ぎたマイルストーンでした。でも今、我々はより高い目標をねらっています。 スノーデン氏はまた、NSAの同僚と不正な監視活動について話したこともインタビューで明かしています。NSAはそんな会話はなかったと否定していますが、同僚は彼に賛同しています。でも、スノーデン氏が同僚をだまして機密文書へのアクセス権を手に入れたのだとする説もあります。ただスノーデン氏本人は、同僚にリークをたきつけられたわけじゃないと言っています。

私はNSAを転覆させようとは考えていません。むしろ改善しようとしているんです。今だってNSAのために働いているんです。彼らだけがそれに気づいていません。 さらにスノーデン氏は、自分が情報をリークしたのは、議会の政治家や外国情報活動監視裁判所といった関係者がNSAの暴走を見逃してきたためであり、「誰かが最初にやらなきゃいけなかったから」だと言います。そんな使命感から内部告発に踏み切ったスノーデン氏ですが、今のロシアでの亡命生活では外出も控え気味で「家ネコ」のようだと言います。彼のミッションが本当に終わる日は、いつか来るのでしょうか…。


[Washington Post]

Adam Clark Estes(原文/miho)


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