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自民党が次に狙う法案は「共謀罪の創設」と「通信傍受法の改正」

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衆参両院で多数を占める議席を背景に、やりたい放題の自民党政権。12月6日に強行採決された「特定秘密保護法」は、その象徴ともいえる。

だが、刑事法を専門にする大阪学院大学法科大学院の村井敏邦教授(72歳)は、「本当に恐ろしいのはこれから」と強調する。

「秘密保護法は成立しましたが、それと密接に関連した法案が控えているのです。共謀罪の創設、通信傍受法の改正です」(村井教授)

まず、共謀罪について説明しよう。人が逮捕されるのは、犯罪を行なった後だ(未遂も含む)。だが、共謀罪では、その犯罪を“計画しただけ”で罪に問われる。例えば、「××を殺そう」「じゃあ、俺が銃を用意する」といった会話を交わしただけで、「殺人の共謀」として逮捕につながる。

共謀罪構想の成り立ちは、2003年、国連の「国際組織犯罪防止条約」(国を越えてのテロ行為などを取り締まる条約)を日本が国会で承認したことから始まる。その批准のため、越境組織を取り締まる国内法が必要となった。

「ところが、フタを開けたら、いつの間にか越境組織への対策はなくなり、暴力団はもとより、環境保護団体、消費者団体、労働組合などをターゲットにする国内法案に矮小化されているんです」

こう語るのは、監視法案に詳しい山下幸夫弁護士だ。

「共謀罪が対象とする犯罪は実に幅広い。放火、恐喝、傷害、窃盗、殺人、売春など600以上もあります。秘密保護法の25条でも、特定秘密を漏らしたり、得たりするときに『共謀した者は懲役5年以下』と規定されています」(山下弁護士)

実際に犯罪行為をしなくても逮捕。あまりに危険なこの法案は、今まで3回国会に上程されたが、市民運動や野党の大反対で3回とも廃案された。しかし、2014年中に4度目の上程をされる見込みだ。



一方で、話し合いであれ、目配せであれ、捜査陣がよほどの近距離にいない限り、共謀の確認は無理ではないのかという素朴な疑問も湧いてくる。そこで必要になるのが通信傍受法の改正だ。前出の村井教授が説明する。

「共謀を確認する手段はふたつ。狙った組織にインフォーマー(スパイ)を送り込むか、もしくは、盗聴器を設置するか。現在の通信傍受法で盗聴が認められる対象犯罪は、薬物関連、銃器関連、集団密航、組織的殺人の4つだけ。これを共謀罪同様に範囲を広げ、秘密保護法での罰則も対象犯罪にしようとの審議が法務省の法制審議会で行なわれている」

さらに、現在の盗聴は電話だけだが、改正案では、裁判所から令状さえもらえれば、警察は、目をつけた個人宅や事務所に盗聴器をこっそり設置し、無線傍受する室内盗聴が認められている。

法制審議会は2014年4月頃には通信傍受法改正の結論を出し、それを受け、同年秋にも改正案が国会に出されると予測されている。

国民に対し十分な説明をしないまま、採決されてしまった特定秘密保護法。その傲慢を繰り返さないためにも、これら2つの法案には目を光らせる必要がある。

(取材/樫田秀樹)

■週刊プレイボーイ1・2合併号「自民党が次にゴリ押しする『恐怖のトンデモ法案』大全」より 【関連記事】
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