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スマートフォン部品に使われるレアアース(希土類元素)の多くが、希少なだけじゃなく代替不能なことがイエール大林学環境学部(F&ES)の最新調査でわかりました。
F&ESでは既存の論文、設計者からの聞き取り調査などをもとに、スマートフォン製造に不可欠な金属・半金属62種の代替可能度を「優良(0点)」から「貧弱(100点)」まで100点満点で数値化しました。
すると今の携帯の金属原料はどれひとつとして「同等に良い」代替原料がないことがわかったのです。
12種は代替原料があることにはあるのだけど「劣悪」レベル。つまり取り替えたところで使い物にならないんですね。
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F&ES研究員で論文共同執筆者のバーバラ・レック(Barbara Reck)博士はこう述べています。
今回の調査結果を踏まえてみるに、元素周期表にある金属はどれも、今後来るべき供給難を代用だけで乗り切れない可能性が高い。
レアなだけでも頭痛いのに代用不能となると二重苦です。例えば原子番号66の元素「ジスプロシウム(dysprosium、Dy)」も代替評点は最悪(100点)。埋蔵量が減る一方(供給不足が問題化するのは推定2020年頃)なのに加え、その独特の磁性が魅力で今やスマホだけでなく電気自動車や風力タービンといったエコ技術にも欠かせない原料となってますからね。先々のことまで考えて進まないと、早晩デッドエンド、ゲームオーバーになってしまいます。
今回の調査ではレアアースだけじゃなく、もっと一般的な銅(Cu、70点)、鉛(Pb、100点)もおいそれ別の原料に置き換えられないことがわかってます。ああ、銅、鉛がレアじゃなくて良かったわホント…。
限りある資源。こうしてカラー別の元素周期表で眺めると、なんとかのばしのばし使って時間稼ぎしながら対策を考えないと未来は早晩どん詰まり、「次のステップ」はない、ということを改めて実感しますね。
[Yale via Ars Technica]
関連:希少元素の代替材料技術を探せ
ERIC LIMER(原文/satomi)
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