先月末、沖縄の基地問題に激震が走った。自民党沖縄県連が、突如、米軍普天間飛行場の「県外移設」の公約を破棄したのだ。
11月25日、東京の自民党本部で行なわれた会見に、自民党の石破茂幹事長と5人の沖縄県選出の自民党国会議員が出席。石破幹事長は米軍普天間基地の移設先について、「辺野古移設を含むあらゆる可能性を排除しないことで(自民党の沖縄県連と意見が)一致した」と語った。
「辺野古移設」を基本方針としてきた自民党本部とは違い、沖縄選出議員たちは2010年の参院選、昨年の衆院選で「県外移設」を選挙公約として掲げて当選した。つまり、今年4月に「辺野古容認」を表明したふたりに続き、残る3人もこの席上で事実上、“公約破棄”をしたことになる。
言うまでもなく、沖縄県民にとって普天間基地の「県外移設」への願いは強く、重い。次回の選挙で厳しい民意に直面することは間違いないが、それでもなお、自民党の沖縄県連が「寝返った」理由はなんなのか?
その真意を確かめるため、自民党沖縄県連の照屋守之幹事長(県議)を直撃した。
***
――自民党本部は、ここ数年の選挙で各候補者が「県外移設」を掲げることを黙認しておきながら、その後に公約撤回を迫った。
照屋:野党時代の自民党本部は、選挙(昨年6月の県議会議員選)のとき、われわれにそんなに強く(辺野古移設の方針を)求めていませんでした。政権を持たないから当然ですよね。
――政権政党でなければ、公約で何を言ってもいいと?
照屋:いずれにしても、外からどう見るかわかりませんけれども、政権を担っている責任政党と野党という立場では、国政ではその差は歴然としているんですよ。
――今回、県連が公約を撤回し、辺野古容認を決めた理由は?
照屋:公約を変えるには、より具体的に普天間の状況が劇的に変わっていくという、なんらかのそういうものがないと変われない。
――「劇的な状況の変化」とはどういうことか?
照屋:(仲井眞弘多)知事へ(飛行場建設のための辺野古の)埋め立て申請が出されていて、知事が承認するかどうかというタイミングもあるわけですよ。そのタイミングに近づくにつれて、われわれ(県連)は党本部に県外移設を再度強く求めていって、党本部、政府の状況を聞くわけです。そしたら、普天間の県外移設は非常に厳しいと。日米合意の辺野古しかないと。それがダメならば、もう普天間は継続的に使う状況にならざるを得ないと。つまり、普天間の固定化です。固定化阻止の観点から、辺野古を含むあらゆる選択肢を取って、この問題解決に当たろうということになったわけです。
***
確かに普天間への負担集中は大きな問題だが、それは前々からわかっていたことのはず。今になって「だから公約を撤回します」というのは、県民を納得させるに足る説明とはとても思えない。
(取材・撮影/頓所直人) 【関連記事】
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「辺野古移設」を基本方針としてきた自民党本部とは違い、沖縄選出議員たちは2010年の参院選、昨年の衆院選で「県外移設」を選挙公約として掲げて当選した。つまり、今年4月に「辺野古容認」を表明したふたりに続き、残る3人もこの席上で事実上、“公約破棄”をしたことになる。
言うまでもなく、沖縄県民にとって普天間基地の「県外移設」への願いは強く、重い。次回の選挙で厳しい民意に直面することは間違いないが、それでもなお、自民党の沖縄県連が「寝返った」理由はなんなのか?
その真意を確かめるため、自民党沖縄県連の照屋守之幹事長(県議)を直撃した。
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照屋:野党時代の自民党本部は、選挙(昨年6月の県議会議員選)のとき、われわれにそんなに強く(辺野古移設の方針を)求めていませんでした。政権を持たないから当然ですよね。
――政権政党でなければ、公約で何を言ってもいいと?
照屋:いずれにしても、外からどう見るかわかりませんけれども、政権を担っている責任政党と野党という立場では、国政ではその差は歴然としているんですよ。
――今回、県連が公約を撤回し、辺野古容認を決めた理由は?
照屋:公約を変えるには、より具体的に普天間の状況が劇的に変わっていくという、なんらかのそういうものがないと変われない。
――「劇的な状況の変化」とはどういうことか?
照屋:(仲井眞弘多)知事へ(飛行場建設のための辺野古の)埋め立て申請が出されていて、知事が承認するかどうかというタイミングもあるわけですよ。そのタイミングに近づくにつれて、われわれ(県連)は党本部に県外移設を再度強く求めていって、党本部、政府の状況を聞くわけです。そしたら、普天間の県外移設は非常に厳しいと。日米合意の辺野古しかないと。それがダメならば、もう普天間は継続的に使う状況にならざるを得ないと。つまり、普天間の固定化です。固定化阻止の観点から、辺野古を含むあらゆる選択肢を取って、この問題解決に当たろうということになったわけです。
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確かに普天間への負担集中は大きな問題だが、それは前々からわかっていたことのはず。今になって「だから公約を撤回します」というのは、県民を納得させるに足る説明とはとても思えない。
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