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「賞味期限を過ぎると味はどんどん落ちる」は本当?

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 製造側が品質を確実に保証している期限を示す賞味期限。腐敗しやすく、期限を超すと食中毒のリスクが高まる消費期限と違い、「期限を超えたからすぐに食べられなくなるわけではありません」と説明するのは、食品保存に詳しい徳江千代子氏。でも、賞味期限は誰がどのように設定するのか?

「JAS法(農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)や食品衛生法に沿って製造元が決めます。具体的には、菌の繁殖状況を調べる“微生物試験”、食品の臭いや濁りを物理的・科学的に測定する“理化学試験”、実際に人が食品を口にして食感や味などを調べる“官能試験”の3つを行います」

 仮にこれらの試験をもとに、「製造後30日までは大丈夫」と結果が出ても、この製造後30日がそのまま賞味期限にはならないとか。「厚生労働省などがガイドラインで安全係数と呼ばれる数値を掛けることを掲げており、実際の賞味期限はもっと短くなります」

 スーパーなどは0.7~0.8の安全係数が一般的で30日×0.8なら24日、なかには0.5や0.6と厳しい安全係数を掛けているところもあり、賞味期限がさらに短くなるケースもある。「販売店は何か問題があっても文句を言われないように保険をかけているんです。それと品切れを防ぎつつ新しいものを棚に置きたいといった流通面の事情もあります」

 製造元が決める賞味期限に加えて、二重三重の安全係数が掛けられているのだ。多少、賞味期限を経過したところで、直ちに風味が劣化するわけではないのである。

 週刊SPA!12月10日発売号「食品の噂にダマされるな」では、他にも食品添加物や農薬などに関する扇情的な「危険論」についての科学的見解などを紹介。過剰な「食べるな危険論」について疑義を呈している。

【徳永千代子氏】

東京農業大学客員教授。前同大教授食品加工技術センター長。食品の保存全般に詳しく、著書に『賞味期限がわかる本』(宝島社)

※写真はイメージです

<取材・文/SPA!食品の噂調査班>



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