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賞金10億円がかけられたカナダの巨大類人猿・ビッグフットを追え!

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アメリカとカナダの国境地帯にそびえるロッキー山脈周辺で、19世紀から途切れることなく目撃情報が残っている未確認生物「ビッグフット」。

ついに10億円の賞金がかけられた巨大類人猿を、週プレ取材班が本気で追いかけた! 舞台は米北東部の五大湖からカナダ西部へ。そこで先住民が伝えた「ビッグフットの声」とは――。

***

イチローやマー君をはるかに凌駕する強肩ハロウィンの足音が近づきつつあった10月某日、記者の携帯に国際電話が着信した。発信者は毎度おなじみ、全米ナンバーワン・タブロイド紙『ウイークリー・ワールド・ニュース』(WWN)のニール・マクギネス編集長だ。

「スペシャルニュースだ。10億円ゲットのチャンスだ! 有力な情報を提供するから山分けしよう」

じ、じゅうおくえん!!!

「1979年の創刊以来追い続けてきた“ヤツ”を、ついに射程にとらえたんだよ。あの『ビッグフット』を……」

ビッグフット? 身長3m近い、巨大ゴリラのような、雪男やイエティの仲間ともいわれるUMA(未確認生物)のこと? それと10億円にどんな関係が?

「昨年11月、スパイクTVというアメリカのテレビ局が、2014年1月放送予定の『10 Million Dollar Bigfoot Bounty』という番組で“ビッグフット実在の証拠”を示した人に、米テレビ史上最高の賞金1000万ドル(約10億円)を贈ると発表したんだ。賞金の支払いは、イギリスの保険組合『ロイズ』が保証している」

うおお、やりますやります!

「よし、まずはWWNのデータベースから最新情報を送ろう。毎年秋には、米北東部の五大湖周辺でビッグフットが目撃される。今年も9月に入ると、イリノイ州からウィスコンシン州にかけての地元住民の目撃報告、湖畔に停泊していたボートハウスが巨大生物に襲われたという情報が寄せられた。そこからヤツらの足跡を追うのが近道だろう。成功を祈る!」



  *

取材班は東京から直行便で約12時間、全米第3の都市シカゴに飛んだ。シカゴの位置するイリノイ州は、五大湖のひとつであるミシガン湖に面し、北海道の面積以上の森林を有する。緯度も北海道とほぼ同じで、10月でも夜は防寒着が必要なほど冷える。

なぜ、この周辺で秋にビッグフットが目撃されるのか? そのヒントを探しながら、アウトドアグッズの品ぞろえが豊富な「スポーツオーソリティ」に入店すると、スタッフのアダムス君(24歳、NBAのシカゴ・ブルズファン)が気になる情報を教えてくれた。

「わざわざ日本から!? クレイジーだな(笑)。でも、このあたりの土地は『モーレン』といって、氷河で削られてできた古代のままの自然地形が残っている。しかも寒帯気候。大昔の雪男みたいなビッグフットが森の中で生き残っていてもおかしくないよ。

このあたりのアウトドア好きならみんな知っているけど、周囲数十km圏内が無人のはずの湖畔のコテージに、深夜に100m以上離れた森の奥からこぶし大の石が投げ込まれる現象が頻発しているんだ。彼らの縄張りに入った人間への警告じゃないかと思うね」

こぶし大の石となると、おそらく重さは300g以上で、野球の硬球の倍以上。それを100m以上も遠投するとは、イチローやマー君どころの騒ぎじゃない。投げるという動作が霊長類だけのものだとすれば、ゴリラ以上のパワーを持つ巨大な類人猿の可能性が高い。

「ここから北に向かって、ウィスコンシン州のミルウォーキーあたりの農園に行ってごらんよ。きっと面白い話が聞けるはずだからさ」

■巨大カボチャを抱えて走り去るパワー

名作アニメ『あらいぐまラスカル』の舞台としても知られるミルウォーキーに続く道のりは、どこまでも続く森林と田園風景。クルマで2時間以上走っても景色は変わらず、周囲にはただカボチャ畑が広がるばかりだ。

州間高速道路94号線沿いの農家の軒先で、ハロウィンに向けた出荷を待つカボチャを磨いていたアンナばあさん(78歳、青木宣親が在籍するMLBのミルウォーキー・ブルワーズファン)に、ワラにもすがる思いで聞いてみた。

「ビッグフットだって! あたしらカボチャ農家は、あいつらにホトホト手を焼いてるんだよ。せっかく育ったカボチャを毎日持って帰っちまうんだからね。あんまりバカにしてるから、この前は銃をぶっ放してやったよ」



断片的な話をつなぎ合わせると、どうやら収穫間際のハロウィン用の巨大カボチャを、ビッグフットが森に持ち去ってしまうらしい。牛乳ビンの底みたいな分厚いメガネをかけたアンナばあさんは、半信半疑の取材班に業(ごう)を煮やして、「こっちに来てみな!」と、畑に連れていってくれた。

そこには……なんと、45cm以上もの巨大な足跡が点々とっっ!!

「このカボチャは『アトランティックジャイアント』っていう品種で、ハロウィンの装飾用なのさ。大きく育つけど、硬くてとても人間が食べられるものじゃない。あたしゃ、大きなものだと200kg以上にもなるカボチャを、ヤツらが両脇に抱えて走っていく姿を何度も見ているからね」

ヤツらが現れるのは、毎年カボチャが成長しきる9月下旬から10月上旬。当初は巨大カボチャコンテストのライバルからのいやがらせだと思ったが、巨大カボチャを軽々と持ち運ぶ姿や、食い散らかしたカボチャの残骸を見つけて、こりゃビッグフットに間違いないということになったらしい。

「ここらじゃ、11月に入ると雪が降り始める。それまでにしこたま食べて、春まで寝てるんだろ」

確かに、巨大生物には大量のエサが必要だ。カボチャの収穫が終わったこの地に、ビッグフットが戻るとは考えにくい……。



取材班はここまでの結果を、ニール編集長に電話で報告した。

「そうか、狙いはカボチャだったのか! なぜ、この時期にビッグフットが危険を冒してまで五大湖周辺の人里に出没するのか、そのナゾが解けた。しかも足跡まで発見するとは、さすがだよ。カボチャ畑の足跡写真と調査結果はスパイクTVに送っておく。

実はごく最近、ヤツらがカナダまで北上したという未確認情報を得たんだが……。移動の理由がエサを追い求めての“渡り”だとすれば、ヤツらの次の狙いはキングサーモンに間違いない!」

日本でも冬の味覚として愛されるキングサーモンは、北米大陸西岸ではカナダ・バンクーバー以北でしか捕れない。ビッグフットがキングサーモンを狙うとすれば、脂の乗った個体が産卵のピークを迎える10月から11月だろう。

「カナダ・ブリティッシュコロンビア州のフレイザー川上流だ。急げ! これが、ヤツらを冬眠前に捕まえるラストチャンスだ!」






■カボチャとサーモンでビッグフットと話せる?

大急ぎでシカゴに戻り、空路で約4時間30分、3000kmかなたのバンクーバーへ向かう道中、ニール編集長から送られた最新資料とビデオ映像に目を通す。仮説どおり、キングサーモンの産卵がほそぼそと始まった今年7月にも、フレイザー川上流でビッグフットが撮影され、ニュース番組で大々的に放送されていた。

バンクーバーに到着後、まずはホテルにチェックインし、ホテルマンをつかまえる。あのー、ビッグフットを探しているんですが。

「あぁ、サスカッチね」

あ、あっさり!

実は、カナダではビッグフットは「サスカッチ」と呼ばれ、2010年のバンクーバー冬季五輪でも公式マスコットに採用された人気UMAだ。サスカッチとは先住民の言葉で「毛深い巨人」を意味し、“森の毛深い巨人”に関する伝説もたくさんあるという。



ホテルマンにテレビニュースの映像を見せると……。

「ミッション市のステイブ・ダムのあたりだ。ここからクルマで2時間ってとこかな」

翌朝は7時前に出発。10月だというのに息が白く、温度計は摂氏5℃を示していた。山岳地帯に入るとミルクのような白い霧に覆われ、視界ほぼゼロのなか、ハンドルにしがみつくようにしてゆっくりクルマを走らせる。予定より約1時間半遅れで、なんとかステイブ・ダムに到着した。

ビジターセンターを訪ねると、「今日は日本からですって!」と、なぜか笑顔の受付のおばちゃん。聞けば、実は前日になんとあのBBC(イギリスの公共放送局)のクルーが、ビッグフットを探しにやって来たという!

小走りにビッグフットが撮影された場所へ向かうが、新たな発見はナシ。湖畔の釣り人に話を聞くと、やはりこのあたりはサーモンの漁場で、人工産卵場もあるとのこと。あのー、日本からビッグフットを探しに来たんですが。

「ここから2時間ほど先に、先住民とビッグフットの精神の交流の場所がある。そこの『サスカッチ・イン(ビッグフット・ホテル)』に行ってみたら?」

ガソリンの残量を気にしながらクルマを走らせ、やっとたどり着いたのは、1936年から続くログハウス風の小さなホテル。建物の各所には、ビッグフットと先住民の交流の歴史、そして住人や旅人とビッグフットとの遭遇の歴史が記されていた。



オーナーのナンシーさん(64歳、NHLのバンクーバー・カナックスファン)はこう言う。

「サスカッチが近くに来ると、ここで暮らす私たちは“鼓動”を感じるの。先住民の人たちの感覚はもっと研ぎ澄まされていて、心で会話できるみたいね。森を感じて森と一体になれば、すべてを感じ取れる。私はつい『明日はカナックスが勝つかしら』とか考えちゃうからダメなのね(笑)」

さらにクルマで30分ほど奥地に向かい、ナンシーさんの紹介で、自然とともに暮らす先住民のアーティストたちを訪ねた。取材や写真撮影は拒否されたものの、彼らがビッグフットに心で語りかけて、その声をゆっくりと聞かせることはかまわないという。

「森の人たちは、騒がしさを好まない。森の人たちは、あなたたちの機械の歯ぎしり音を怖がる。あなたたちが追わなければ、森の人たちはやって来る。あなたたちが騒がなければ、森の人たちは語りかけてくる。森の人たちは、必要なだけ食べ、必要なだけ話す。多く食べるのはよくない。多く話すのもよくない」

森の人たちは、カボチャをたくさん食べるそうなんですが。

「カボチャ? ……(しばし沈黙)……おお。森の人たち、それを好きだそうです。私、初めて知りました(笑)」

今回は持ち合わせがなかったが、森の奥でサーモンとカボチャを持って静かに語りかければ、本当にビッグフットに出会えるかもしれない。クマとコヨーテが先に来なければ……。



調査結果と写真をニール編集長に送り、取材班は帰国した。

(1)足跡の発見






(2)好物の特定






(3)“渡り”という習性の発見






(4)森、水、食料という生存エリアの共通項の発見






(5)カボチャとテレパシーを利用したコンタクト方法の発見

これだけの成果があれば、もはやビッグフットを“捕捉”したといっていい。10億円の賞金はいただいたも同然だ!

1週間後、ニール編集長を通してスパイクTVから回答があった。

「日本にも熱烈なビッグフットのファンがいることを知り、われわれは心から喜んでいます。ぜひ今後も調査を楽しんで情報を寄せてください。われわれは世界中からの『Bigfoot Bounty』への参加者を歓迎しています。ありがとう!」

賞金に関する記述は、どこにもなかった。どこにも……。

取材班は諦めない。次は巨大カボチャをエサにビッグフットを捕獲して、10億円を手に入れるのだ!(たぶんto be continued...)

(取材・撮影・文/近兼拓史&本誌取材班) 【関連記事】
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