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今冬、ガラケーへの出戻りが急増する理由

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この冬、スマホからガラケーへ機種変更する「出戻り組」が増えそうだ。

その理由のひとつは、ガラケーからスマホに乗り換えたものの、不便な思いをしながら使い続けている人が多いこと。IT業界紙『東京IT新聞』の西村健太郎編集長がそのひとりだ。

「仕事柄、スマホを使わないわけにはいきませんが、やっぱり、メールはガラケーのほうがはるかに打ちやすいですよね。歌舞伎町のホストさんの大半がいまだにガラケーを使っていると聞きましたが、それがいい証拠でしょう。スマホはタッチしたつもりでも反応が悪くイライラさせられますし、逆にポケットの中で勝手に発信してしまうこともありますからね」

スマホの料金と通話音質に不満を感じる人も多い。

「スマホのLTEプランの通話料金は基本的に一律30秒21円。仕事でたくさん通話をする人にとってはかなり頭が痛いところ。通話アプリの『050 plus』などもありますが、料金が安い代わりに通話音質が低いのがネックです」(西村氏)

さらに、電池の持ちに至っては圧倒的な差がある。

「バッテリー自体はスマホのほうが高機能なものを使っているのですが、スマホはネットやアプリなどで消費する電力が多く、フル充電しても朝から夜まで持たせるので精いっぱい。なかには、『充電気にせず3日間』とうたうスマホもありますが、これはネットやアプリなどの使用時間を少なめに見積もった際のもの。それほど劇的に電池が長持ちする感覚は得られないでしょう」(西村氏)

最新機種という言葉にのせられてスマホに乗り換えたものの、結局のところ使用するのは通話とメールがメイン。そうなると、「ガラケーのほうが使いやすくておトク」となるわけだ。

「大してアプリなど使わず、それでいて通話をたくさんするような人には『本当にスマホ必要?』と問いかけたくなりますね。そういう人はしっかりと考えて、ガラケーで無料通話をギリギリ使い切れるプランにするのがお得だと思いますよ」(西村氏)

そして、ガラケー出戻り組が増えるもうひとつの理由が「タイミング」だ。青森公立大学経営経済学部准教授でモバイル研究家の木暮祐一氏が説明する。

「ガラケーからスマホへの移行がピークだった一昨年から2年が過ぎ、多くの人が違約金なしで変更できる時期となってきているので、これからガラケーに出戻りする人も出てくるはず。そもそも、日本のケータイ電話サービスは、キャリアと端末の数が多い海外に比べると自由度がとても低い。だから、キャリアの都合でユーザーにスマホを買わせ、電話料金も選択の幅が少なくなる。先頃、NECとパナソニックがスマホ製造に区切りをつけたため(ガラケー製造は継続)、それをきっかけにガラケーをきちんとつくれる国産メーカーが、もう一度市場を盛り上げてほしいものです」

この秋冬商戦では、久しぶりに3キャリアがそろってガラケーの新機種を発表。急増するガラケー出戻り組に、キャリアも備えている。

(取材/武松佑季、昌谷大介[A4studio]) 【関連記事】
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