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セルジオ越後の一蹴両断! 第331回「本気でW杯出場を目指すなら、J2降格の磐田から移籍すべきだ!」

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1997年、99年、2002年と過去に3度もJリーグ王者になった名門・ジュビロ磐田のJ2降格が決まったね。

今季は開幕から7試合未勝利でクラブワースト記録を更新するなど序盤から低迷し、5月には就任2年目の森下監督を解任。ロンドン五輪で日本をベスト4に導いた関塚監督を招聘し、補強も行ない、巻き返しを図ったものの最後まで立て直せなかった。

FW前田、MF山田、DF駒野、伊野波(いのは)と各ポジションに日本代表クラスの選手がそろうだけに、「そのうち上向くはず」「大丈夫だろう」という油断が、フロント、選手、サポーターにあったのかもしれない。まるで去年のG大阪の降格劇を見るようだった。

ただ、メンバーの顔ぶれこそ他チームに引けをとらないけど、ここ数年は低迷が続いていたのも事実。過去5年でふたケタ順位は4回。08年にはJ1・J2入れ替え戦も経験している。そういう意味では、各チームの力が拮抗した今の“どんぐりの背比べ”状態のJ1では、いつ降格の憂き目に遭ってもおかしくなかった。

外国人枠をフル活用しなかったり、過去の栄光が重荷になったりと、低迷を招いた要因はいろいろあるはず。

でも、一番は“リーダー不在”ではないか。かつて強かった時代の磐田には、ブラジル代表主将のドゥンガをはじめ、名波、藤田、ゴン(中山)といった優れたリーダーがたくさんいた。衝突することも厭わず、試合中でも意見をぶつけ合っていた。いい意味での厳しさ、緊張感があったんだ。






ところが、今の磐田にそんな選手は見当たらない。本来ならリーダーとなるべき日本代表の選手たちはみんなおとなしく、黙々と自分の役割をこなすタイプ。残念ながら、積極的に声を出してチームを鼓舞する姿は見られなかった。

チームとしても、まじめにきれいなサッカーをやっているんだけど、体を張って、なんとしても勝つんだという執念が伝わってこなかった。そこに尽きると思う。

選手層の厚いG大阪、神戸が抜ける来季のJ2の顔ぶれを見れば、磐田の1年でのJ1復帰は十分に可能だろう。

ただ、それにしても、主力選手の動向は気になるところだ。主将の駒野をはじめ、前田、伊野波、山田と、いずれも日本代表ではメンバー当落線上の選手ばかり。複数年契約を結んでいるにしても、来年にブラジルW杯を控え、彼らがどういった決断をするのかには注目したい。

日本的な感覚からすれば、チームに残って責任を取るという考えもあるだろう。また、そういう話が美談として語られることも多い。

でも、プロであるなら、純粋に年俸と環境でプレーする場を決めるべきだ。もちろん、今のJリーグの経済状況では、他チームも十分なオファーを出せないかもしれない。ただ、もしJ1のチームからそれなりのオファーが届くようなら、迷わず移籍してほしい。

日本代表のザッケローニ監督はG大阪がJ2に落ちても、遠藤と今野を代表に呼び続けてきた。でも、それは本当におかしなこと。イタリア代表にセリエB(2部)の選手が絶対呼ばれないように、世界を見渡しても、2部リーグから代表が選ばれるケースなんて限りなくゼロに近い。だから、彼らには、本気でW杯出場を目指すのならJ1に移籍しろと言いたいね。

(構成/渡辺達也) 【関連記事】
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