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セルジオ越後の一蹴両断! 第322回「評価の難しい2連勝。真価が問われるのは10月と11月の欧州遠征だ!」

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グアテマラに3-0、ガーナに3-1、日本代表は国内では年内最後のテストマッチを2連勝で終えた。

来年のブラジルW杯本番まで9ヵ月、残された時間は少ない。世界の舞台で結果を残すためにも、今後のテストマッチがいつも以上に大きな意味を持つのは言うまでもない。

ただ、残念ながら、今回はW杯を想定するにはあまりにも相手が物足りなかった。グアテマラは明らかに格下で、攻めようという意識も希薄。勝って当然の相手だった。一方のガーナは前回W杯ベスト8の強豪国で僕も楽しみにしていたんだけど、直前に主力が来日をキャンセル。“2軍”のメンバー編成だった。前半こそ攻撃的な姿勢で頑張っていたけど、後半はバテて足が止まっていたね。

各大陸ともW杯予選が大詰めを迎えている時期で、交渉が難しいのはわかる。でも、それを差し引いても日本サッカー協会にはマッチメイクをもっと頑張ってほしかったというのが率直な感想だ。

だから、この2連戦は評価をするのが非常に難しいんだけど、それでも収穫と課題はあった。

まず、よかったのはガーナ戦で香川が得点したこと。左サイドからドリブルで中央に切り込み、右足でミドルシュート。実に香川らしいプレーだった。これまで彼は日本代表ではなかなか持ち味を発揮できずにいたし、所属のマンチェスター・Uでも今季は厳しい状況に置かれている。それだけに、あの得点が自信や勢いを取り戻すきっかけになればいい。本田の「俺が、俺が」という姿勢を見習って、今後もがむしゃらに得点を狙ってほしいね。彼の技術があれば、シュートを打てば入る。打たなければもったいない。

一方で、不安を感じたのはガーナ戦での両サイドの守備。まず、長友のいる左サイドは何度も相手に数的優位をつくられていた。本来なら左MFの香川が戻って対応しなければいけないのだけど、それができていなかった。そもそも香川に守備を期待するのがどうかという話だけど、世界の強豪と対戦したら当然、自陣に押し込まれる時間は長くなる。ボランチのふたりも含めて修正していかなければいけない。右サイドの内田も1対1の局面で何度もやられていた。攻撃時にも、自重していたのか、1対1になっても仕掛けないから相手は守りやすかった。

W杯ではどのチームも相手を徹底的に分析して試合に臨む。このままだと日本代表は両サイドの守備が弱点として狙われるだろう。

いずれにしても、今回の2連戦では「守備の立て直し」「新戦力の融合」という大きな課題を改善できたかどうかはなんとも言えない。評価は10月の欧州遠征(11日にセルビア戦、15日にベラルーシ戦)、さらに11月に予定される欧州遠征(9月12 日時点で対戦相手未定)に持ち越しだ。ここでいいプレーを見せて、自信を持って12月のW杯組み合わせ抽選会を迎えたいところだ。

最後に話は変わるけど、2020年の東京五輪開催が決まったね。日本の皆さん、おめでとう。盛り上がるのは間違いないし、僕もうれしいかぎり。ただ、五輪開催による経済効果の話ばかりされているのは少し気になる。日本のスポーツ文化をどう発展させていくのか、それを第一に考えて今後の準備を進めてくれればと思う。

(構成/渡辺達也) 【関連記事】
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