
働いていると、時にはキレてしまったり、間違った目標設定をしたり、恥ずかしい想いをしたりするもの。完璧な社員はどこにもいません。でも、これらの行為は、解雇されやすい人がよくやることです。そこで、今回はプロとして働く上で、良い評価をもらい続けるためのガイドラインを作りました。
米Lifehackerの記事で、どんなミスを犯すとプロとしての名声を失うかを聞いてみたところ、読者から、笑ってしまう話も含めてたくさん、素晴らしい投稿が寄せられました。そんな中から、よくある仕事上の悪いミスと、それを防ぐ方法を紹介します。
高すぎる目標を掲げる

ささいなことのようですが、目標設定を間違えると、まわりの人たちから「信頼できないスタッフ」だと思われます。同僚よりもよい働きをしていても、目標が高すぎて、それを達成できないことが多いと「できないヤツだな」だと思われます。でも、ちょうどよい目標を掲げれば、少ない働きでも「できるヤツ」に見えます。
多くの人が、一生懸命働いて会社の星になりたいと思っています。特に新しい仕事に就いた時は、がんばりすぎて、燃え尽きて、立ち直れなくなってしまいがち。上司に「なんでもできます」と言ってしまうのが、失敗のはじまりです。代わりに、何ができるのか、何が期待できるかを正確に伝えるようにしましょう。
逆に、上司があなたに能力以上の期待をしてしまうことも。これは、高く評価されている証だと受け止めましょう。でも、できないことは伝えなければなりません。多くの場合、現実的な目標を伝えても、上司はがっかりしません。あなたが非現実的な目標を掲げて失敗することが、上司をがっかりさせるのです。
現実的な目標を設定するには、自分をよく知ることが大事です。これは、言うは易く、行うは難し。途中で間違えることもありますが、まずは一定の期間にどのように働き、何を成し遂げられるかに注目してみましょう。自分がどこまで、何をできるかを知り、それを上司に知ってもらい、適切な量の仕事を与えてもらいましょう。それをこなせれば、良い評価を得られます。
前の会社の悪口を言う

自分が今勤めている会社の悪口を言う人はいませんが、以前に勤めていた会社を悪く言うのも、自分の評価を下げます。仕事をやめたとしても、経歴からその会社に勤めていた事実は消せません。悪い評判はその後の人生についてまわり、人生を困難にします。
勤めていた会社を離れる際におこなわれる面談や、就職面接などの時に、勤めていた会社の悪口を言う、というのがよくあるパターン。
勤めていた会社を離れる時、「職場の問題点と、どうすればよくなるかを教えてほしい」とよく聞かれます。簡単な提案をするのはよいですが、怒りを込めないようにしましょう。この過去記事も参考に、冷静に対処してください。
面接では、なぜ今の仕事を辞めたい(辞めた)のか聞かれることがあります。自分のしたい仕事との違いを誠実に説明するのは問題ないですが、決して怒りを込めないように。前の仕事に辛辣な評価をしている人は、いずれ自分の会社にもそういう態度をとるように感じられるので、新しい会社の人には魅力的に映りません。
読者のAcmeindustrialさんは、こういった質問に、そつのない答えをしたことが、面接の出来を大きく変えたと言っています。
私の以前勤めていた会社をよく知っている会社の面接に臨んだことがあったのですが、その会社の面接官は、私が以前の会社を辞めたい理由について、いくつか質問をし、悪く言うようにそむけようとしました。 でも、私はそつのない答えをして、悪口を言いませんでした。雇ってもらったあと、雇われた理由を聞くと「そつのない答えをしたからだった」と何人かが教えてくれました。
前の仕事を悪く言いたいなら、会社関係の人ではなく、友達に言うようにしてください。それが、新しい仕事を得られるかどうかに関わってきますよ。
ブチ切れる

評判を数秒でガタ落ちにするのは「怒り」です。その怒りが正しいかどうかなんて関係ありません。ブチ切れてしまうことは、自分を台無しにしてしまうのです。怒っている人と、温厚で冷静な人の論争は、いつも温厚で冷静な人が勝つのです。怒っている人は、自分をコントロールできない人に見えます。こういう場合は、もう自分で怒りを制御できないのだから、その場をいったん離れるべきです。
大学を卒業して1年目、自分の誕生日に、私は夜中ずっと、サーバーの機能停止に対して怒っているお客様の対応をするはめになりました。誕生日パーティーには出られず、自分が起こしたのではない問題の対応をしなければなりませんでした。私は自分を見失い、お客様からのひどい苦情電話を切るときに「もし、また電話をかけたらあなたの家族を殺します」という悪いジョークを口にしてしまいました。すぐに、ひどいことを言ったと気づいて、聞いていた人たちみんなに謝りました。その中に上司もいました。でも上司は理解のある女性で、私を解雇せず、怒ったあとにハグしてくれました。
私は冷静さを失い、ひどいことを口にしましたが、言い方にも大きな問題がありました。怒っていると、言い方も冷静さを失い、狂ったように聞こえます。職場でのそういう状態は、まわりを怖がらせます。私の場合は、働きすぎているだけで、本当に殺そうとなんて思っていないと分かっている上司だったので、大きな問題にならずにすみましたが、気を付けないといけません。しかし、読者のドロシーさんの例では、チームリーダーとして大問題に陥りました。
私は押しの強い性格で、第一印象でまわりに嫌なヤツだと思われがちです。前の上司には「最初に会った時はひどいヤツだと思ったけれど、すぐに『悪いヤツではないな』と思った」と言われました。私はプロとして働きたいし、言いたいことは直接はっきり伝える主義でした。でも2~3カ月前、新しいグループをリーダーとしてまとめていた時、私は声を荒げてブチ切れました。そして、これによって1年かけて作り上げたチームからの信頼はガタ落ち。仕事でも、プライベートでも、もう絶対にしません。
「ああ、キレそう」と思ったら、その場から離れましょう。そうすれば、自分の名声を怒りでぶち壊しにせずに済みます。
個人的な問題を職場に持ち込む

みんな個人的な問題を抱えていますが、それは職場に入る前に置いておかなければなりません。職場に友達ができ、個人的な問題を話す機会もありますが、それが仕事に影響を及ぼすようになったら、評判に傷をつけます。いくつか例を挙げて考えてみましょう。
恋人との破局は悲しく、仕事へのやる気もなくなります。恋人との別れは、様々な感情をもたらすものですし、上司も一度か二度は大目にみてくれるかもしれません。でも、それを過ぎたら、自分を立て直し、しっかり仕事をしなければなりません。冷酷な言い方に聞こえるかもしれませんが、会社というものは、あなたの一定以上のレベルの働きを評価してお金を払っているのです。期待された働きができなければ、あなたは今までより使えない社員となってしまいます。読者のumataro42さんは、これが大きな問題を引き起こした例を教えてくれました。
彼女と別れて悲しんでいる人が職場にいたのですが、そのせいで仕事が遅く、雑になりました。冷たく聞こえるかもしれませんが、個人的な問題で仕事がおろそかになるのは、仕事の質を落とすだけでなく、悪い評判にもつながります。彼は信頼できない、仕事を任せられない人だと思われるようになりました。
つらい気持ちを抱えていて仕事が手につかなければ、セラピストに会うべきです。有給休暇は少しなくなりますが、仕事を失うよりかは良いでしょう。
子どもが生まれて、よく遅刻するようになる人もいます。新しい(そして素晴らしい)責任を持つようになったことで、そっとしてくれる会社も多いですが、どこかでけじめをつけて、時間通りに出社するようにしなければなりません。うまくいかなくて困っているなら、他の子供がいる同僚に相談してみましょう。
家族や親しい友人の死はつらいもので、仕事もはかどらなくなります。多くの会社が、愛する人を失くしたつらさを理解し、サポートをしています。身近な死が予測されるかどうかは別として、自分の会社の規則を見直し、何日か休みを取れるなどのサポートがあるかどうか知っておきましょう。規則に載っていなければ、上司や人事部に問い合わせを。知っておくと、いざという時に適切に対処できます。
一番良いのは、困難なことが起きる前に、準備をしておくことです。会社のサポート体制を知っておき、まわりの困難への対処を観察し、自分にとってのベストの対処法を準備しておきましょう。
SNSの扱い方を間違える

SNSに恥ずかしい写真を載せたり、仕事の愚痴をつぶやいている人がいます。解雇されてもかまわない、というのではなければ、オンラインで悪口をつぶやくのはやめましょう。
解決策は簡単。自分がつぶやく内容を確認してください。間違っても同僚や上司に対してつぶやかないように。万が一、あとで後悔するようなつぶやきを見られないように、上司や同僚は別のグループに入れておきましょう。恥ずかしい写真に載っているあなたをFacebookでタグづけする友達もいるかもしれません。すべてを管理することはできませんが、友達の動きを規制することはできます。詳しくはこの過去記事を参考にしてください。
時には、同姓同名の誰かが変なことをしてしまっていることも。新しく人を雇う時、会社側がその人の名前でウェブ検索するのはよくあることです。その時、同姓同名の誰かを見て、雇うのをやめてしまうこともあるかもしれません。その同姓同名の人物を消すことはできませんが、自分が良い投稿をして、彼らよりも検索結果の上に出すようにすることはできます。
FacebookやTwitterだけでなく、YouTube、Vimeo、 LinkedIn、 Flickr、 Picasa、Instagramなど、様々なSNSに良い投稿をしましょう。自分の名前のウェブサイトを作り、個人の実績などを載せたページを作りましょう。もっと詳しくは、この過去記事または、「Brand Yourself」などのオンラインのツールを使ってみてください。
最後にまとめ
プロとしての評価を下げないために必要なことは2つ!
常識を持つこと。バカなことをしないこと。
これは簡単なようで、難しいことです。その理由は、みんな自分は優しくて、賢いと思い込んでいるから。困難に直面すると、人は意地悪になることもあります。でも、自分がそうなるかもしれないと知っておき、適切な対処法を考えておけば、最悪の事態は避けられるはず。どうぞ、今回学んだミスと対処法を、心に留めておいてください。
Adam Dachis(原文/訳:曽我美穂)
Photos by Everett Collection (Shutterstock), Pressmaster(Shutterstock), Adam Gregor (Shutterstock), Anneka (Shutterstock), and Sergey Peterman (Shutterstock).
■あわせて読みたい
仕事と私生活のバランスは「OR」でなく「AND」の精神で取っていこう
RSSフィードとSNSフィードをひとまとめに表示する『FlowReader』
メールは心身に強いストレスを与えるという研究結果:その対処法は?
好きなところで揺られよう...トラックの後ろに取り付けるハンモックチェア
仕事の評判を台無しにする簡単な方法(と、そうしないための対策)