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地球最大の火山が日本近海の海底で見つかりました。太陽系全体を含めても最大級。こんな近場にこんな怪物が眠っていたなんて、びっくり。
この「タム・マシフ(Tamu Massif)」と呼ばれる巨大火山、場所は日本の東方約1600kmの太平洋の海底で、海面からは見えないのですが、高さは2.2マイル(3541m)で、エベレストの半分ぐらいあります。
タム・マシフは何がすごいって、面積と体積です。裾野は総面積11万9000平方マイル(31万平方km)―米ニューメキシコ州に迫る規模。世界最大の活火山マウナロア(総面積2000平方マイル=5179平方km)でもこの2%ぽっちなのです。
高さでは太陽系最大の火星の山「オリンポス山(Olympus Mons)」(標高2万2000m)に遠く及びませんが、体積ではオリンポス山より25%少ない程度。すごいじゃないか、タム・マシフ。ずんぐりむっくり度では太陽系一番と言っても過言ではないでしょう。
これだけのものが今まで見つからなかったのも不思議ですが、ここに何かあることは科学者の間でも知られていました。ただ、みんな複数の火山が集まってるものとばかり思っていたんですね。ところがテキサスA&M大学が調べてみたら、ひとつの火山だったというわけで、成果は地球科学専門月刊誌「Nature Geoscience」に掲載中です。
タム(Tamu)山というと響きが和風ですが、伝説のカイジュウ…ではなくただ単にテキサスA&M大学(Texas A&M University)の頭文字をとっただけ。
幸い活火山ではありません。これだけ成長したのは今から1億4500年前に起こった爆発が原因で、その数百万年後には休火山となり穏やかに寝静まっているとのことです。なんせ世界の7割は海なので、他にも海底には寝ている巨大火山がゴロゴロありそうですけど、とりあえず今んとこ海底のキングゴジラはタム山ということで。
むっくり起きませんように。
[Phys.Org]
Image by Texas A&M Integrated Ocean Drilling Program
ERIC LIMER(原文/satomi)
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