スマホの登場によって、ますます複雑化するケータイの料金プランや割引制度。なかでも理解しづらいのが、購入の際、店頭で見かける価格表示や販売方法だろう。
気をつけたいのは、そうした難解な販売システムの裏に潜む“落とし穴”だ。
街のケータイショップや家電量販店だけでなく、一見、マトモ(?)と思えるキャリアショップにも、ユーザーから少しでも多くのお金を巻き上げようとする、さまざまな“仕掛け”が用意されているのだ。
ケータイショップで「契約直前に有料コンテンツのワナ」にはまったというAクンの失敗談を紹介しよう。
***
いま使っているケータイを契約してから、ようやく2年。友達がどんどんスマホに移行するなか、Aクンは“2年縛り”(2年間ごとの継続契約を条件に割り引かれる料金プラン。途中で解約すると解約金が発生することからこう呼ばれる)の解約金が惜しくてこの日をずっと待っていた。機種選びで失敗しないよう、ネットで情報をしっかりチェック。
もちろん、できるだけ安く端末を手に入れるため、ツイッターを使って安売り店舗をチェックし、電話をして取り置きをお願いした。Aクンはウキウキしながら契約に向かったのだが……。
「ツイッターには、キャッシュバックの優遇についても書いてあって魅力的でした、でも……。まあ結論から言うと契約して帰ってきたんですけど、悔しくて……」
念願のスマホを手に入れたというのに、どこか浮かない顔。何かあったのか?
「ツイッターには有料コンテンツの条件とかは書いてなかったんで取り置きを電話でお願いしてから店に行ったんですよ。MNP(モバイルナンバーポータビリテイー・他社から番号そのままで乗り換える制度)なんで、必要になるMNP番号も用意して。で、契約の書類に住所とか氏名を書いて、あとはプランを選ぶだけってときになって、お店のお姉さんから『実は今日やっている価格は特別なので、いくつか有料コンテンツに入ってもらう必要があります』って、突然言われたんですよ。そんなの聞いてないよって突っぱねたんですが、『だったらこの値段では出せません』って、お姉さんも折れなくて……」(Aクン)
契約をやめて、別のお店を選ぶ余裕はなかったの?
「はい。できるならそうしていました。でも、解約金なしでMNP転出できる期限が迫っていたんです。お店に行ったのは日曜日の夕方遅くで、しかもお店のある場所は都心からちょっと離れた所。近所で別の店を探すのもムリだし、来週末に出直すと解約金がかかってしまう。プラスマイナス考えたら、コンテンツの条件をのんで契約したほうがマシってことになって……。いや、ホントにうかつでした。トホホ」(Aクン)
このケースについて、ケータイ料金に詳しいフリーライターの後藤一泰氏はこう分析する。
「Aクンはふたつのミスをしましたね。まず電話で在庫の問い合わせをしたときに、細かい条件も合わせて確認しなかったこと。ツイッターでの安売り告知には、最小限の情報しか掲載しない業者も珍しくありません。なので別途、コンテンツ契約が必要かどうかなどは、お店に足を運ぶ前に必ず確認しましょう。『いらっしゃってからご説明します』という店員もいるようですが、そんなお店は要注意です。
ちなみに、そうした『ダマシのテクニック』を使うお店は、店舗名をネットで検索すると情報が出てくることもありますが、その情報の真偽も微妙ですし、お店の経営方針だって変わることがありますから、100パーセント信用できるものではありません。
もうひとつのミスは、解約金が不要になるギリギリの時期にMNP転出を考えたことです。解約金が不要になる時期は前もってわかっているわけですから、ギリギリになって不本意な契約を結ばなくてもいいように、計画を立てて行動しましょう」
安いものには裏があると肝に銘じておきたい。
(取材・文・撮影/本誌「ケータイ販売店にダマされるな!」取材班 イラスト/服部元信)
■週刊プレイボーイ37号「ケータイ販売店にダマされるな!!」より 【関連記事】
・高速通信規格「LTE」は、なぜ“それほど速くない”のか?
・ドコモの「ポイントサービス改悪」に泣くのは長期契約者
・通話料金が一番安いのは、実はドコモだった!
・いま、中古ケータイの需要が高まっている理由とは?
・ケータイキャリアの“ゴーマン経営”を止める、解決策とは?
気をつけたいのは、そうした難解な販売システムの裏に潜む“落とし穴”だ。
街のケータイショップや家電量販店だけでなく、一見、マトモ(?)と思えるキャリアショップにも、ユーザーから少しでも多くのお金を巻き上げようとする、さまざまな“仕掛け”が用意されているのだ。
ケータイショップで「契約直前に有料コンテンツのワナ」にはまったというAクンの失敗談を紹介しよう。
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いま使っているケータイを契約してから、ようやく2年。友達がどんどんスマホに移行するなか、Aクンは“2年縛り”(2年間ごとの継続契約を条件に割り引かれる料金プラン。途中で解約すると解約金が発生することからこう呼ばれる)の解約金が惜しくてこの日をずっと待っていた。機種選びで失敗しないよう、ネットで情報をしっかりチェック。
もちろん、できるだけ安く端末を手に入れるため、ツイッターを使って安売り店舗をチェックし、電話をして取り置きをお願いした。Aクンはウキウキしながら契約に向かったのだが……。
「ツイッターには、キャッシュバックの優遇についても書いてあって魅力的でした、でも……。まあ結論から言うと契約して帰ってきたんですけど、悔しくて……」
念願のスマホを手に入れたというのに、どこか浮かない顔。何かあったのか?
「ツイッターには有料コンテンツの条件とかは書いてなかったんで取り置きを電話でお願いしてから店に行ったんですよ。MNP(モバイルナンバーポータビリテイー・他社から番号そのままで乗り換える制度)なんで、必要になるMNP番号も用意して。で、契約の書類に住所とか氏名を書いて、あとはプランを選ぶだけってときになって、お店のお姉さんから『実は今日やっている価格は特別なので、いくつか有料コンテンツに入ってもらう必要があります』って、突然言われたんですよ。そんなの聞いてないよって突っぱねたんですが、『だったらこの値段では出せません』って、お姉さんも折れなくて……」(Aクン)
契約をやめて、別のお店を選ぶ余裕はなかったの?
「はい。できるならそうしていました。でも、解約金なしでMNP転出できる期限が迫っていたんです。お店に行ったのは日曜日の夕方遅くで、しかもお店のある場所は都心からちょっと離れた所。近所で別の店を探すのもムリだし、来週末に出直すと解約金がかかってしまう。プラスマイナス考えたら、コンテンツの条件をのんで契約したほうがマシってことになって……。いや、ホントにうかつでした。トホホ」(Aクン)
このケースについて、ケータイ料金に詳しいフリーライターの後藤一泰氏はこう分析する。
「Aクンはふたつのミスをしましたね。まず電話で在庫の問い合わせをしたときに、細かい条件も合わせて確認しなかったこと。ツイッターでの安売り告知には、最小限の情報しか掲載しない業者も珍しくありません。なので別途、コンテンツ契約が必要かどうかなどは、お店に足を運ぶ前に必ず確認しましょう。『いらっしゃってからご説明します』という店員もいるようですが、そんなお店は要注意です。
ちなみに、そうした『ダマシのテクニック』を使うお店は、店舗名をネットで検索すると情報が出てくることもありますが、その情報の真偽も微妙ですし、お店の経営方針だって変わることがありますから、100パーセント信用できるものではありません。
もうひとつのミスは、解約金が不要になるギリギリの時期にMNP転出を考えたことです。解約金が不要になる時期は前もってわかっているわけですから、ギリギリになって不本意な契約を結ばなくてもいいように、計画を立てて行動しましょう」
安いものには裏があると肝に銘じておきたい。
(取材・文・撮影/本誌「ケータイ販売店にダマされるな!」取材班 イラスト/服部元信)
■週刊プレイボーイ37号「ケータイ販売店にダマされるな!!」より 【関連記事】
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・通話料金が一番安いのは、実はドコモだった!
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・ケータイキャリアの“ゴーマン経営”を止める、解決策とは?