灯台下暗し。
レーダーでグリーンランドの氷床の下を調べてみたら、米グランドキャニオン(全長446 km)を余裕で凌ぐ全長740kmの超巨大渓谷がゴロンと1個眠っていることがわかりました!
人類誕生前から厚い氷に覆われてしまったため、その姿を目にした人はまだひとりもいません。
谷の深さは半マイル(800m)。グランドキャニオン同様、くねくねと蛇行する川の形状のまま削れています。
科学誌「Science」に29日論文を発表した主筆者のブリストル大学ジョハサン・バンバー(Jonathan Bamber)自然地理学教授はこう話していますよ。
地球の地形はすべて探検し尽くされて地図に加えられたと思いきや。我々の研究を見ると、まだ未知のものが沢山残されていることがわかる。 発見は英・独からNASAが数十年間に渡って回収した数千マイルに及ぶ地域の航空レーダー観測データと、NASAが2009年から2012年の間に「アイスブリッジ作戦(Operation IceBridge)」で独自に集めたデータの賜物です。わけても決め手となったのが、アイスブリッジ作戦で採用した「Multichannel Coherent Radar Depth Sounder(マルチチャンネル・コヒーレント・レーダー深度サウンダー)」です。
これは分厚い氷でも透過できる性能を備えており、ぴったりの周波数に合わせてレーダーを照射すれば、ラジオ波が氷をぐいぐい透過してゆき、表土にぶつかって跳ね返り、また氷の上まで戻ってくるんですね。このラジオ波が戻ってくるまでに時間がかかればかかるほど深い、というわけ。
有史以前に形成された谷であることはほぼ確実なのですが、谷ができた当時のグリーンランドはまだ分厚い氷床に覆われる前でした。400万年前にはグリーンランドの陸から滲み出た水がこの谷を流れて海・主要河川に注ぎ出していたことを示す痕跡も残っています。
アイスブリッジ作戦がグリーンランドの氷床に戻るのは2014年3月。今度は何が見つかるのかな? 楽しみですね。
[NASA]
ASHLEY FEINBERG(原文/satomi)
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