8月21日、LINEはこの秋から新規事業に参入すると発表した。
現在のLINEの主な機能は、無料通話、無料メール、スタンプ、ゲーム、LINEアプリなど。そして新たな事業は、音楽配信(年内公開予定)、ショッピング(秋公開予定)、ウェブストア(9月公開予定)、ビデオ通話(秋公開予定)などになる。
ユーザー数が世界で2億3000万人(前年比460%)を突破して順風満帆なこの時期に、あえて新規事業に参入する理由は何なのか。IT業界に精通し、関連著書多数の山本一郎氏は、LINEの新展開についてこのように見ている。
「LINEは無料通話やメッセージングサービスが主体で素晴らしい成長を遂げましたが、まだその拡大に見合う収益事業の育成はできていないのが現状でしょう。そのためユーザー層にフィットした換金性の高いサービスの開発を急ぎたい。逆に言うと、LINEが拡大しているこのタイミングで収益化できる事業を手がけないと、競合他社にユーザーを取られてしまうこともあり得るのです」
この見方に大きくうなずいているのは、IT関連企業の動向に詳しい小川浩氏だ。
「ウェブチャットを提供するLINEみたいな企業は海外にもいっぱいあって、メッセージングサービスの全世界のユーザーは10億人とされています。現在のLINEユーザーの4倍以上の数です。そこでLINEが勝負をしていく上でどうしても莫大な資金調達が必要になってくる。つまり、株式会社として上場し資金を調達するために新規事業が必要なのです」
確かにLINEは、今年4月に韓国の親会社NHN傘下の日本法人NHN Japanから、わざわざLINE株式会社に社名変更している。
「しかし、LINEはユーザー数が多いといっても、必ずしも投資家の受けはよくない。現在のLINEの収益は広告とスタンプ、ゲームが中心。世界中のソーシャル系企業がスタンプを採用し始めているし、フェイスブックも無料でスタンプを配布し始めた。
他社に追撃されている状況ですから、LINEとしてはモール機能などをプラスして、相対的に機能を向上させて、LINEがメッセージングだけに頼っていないところを投資家に見せなければいけないと判断したのでしょう」(小川氏)
日本国内ではメッセージングサービスで一歩リードするLINE。新規事業参入の背景には、オトナの事情も漂っているようだ。
(取材/鈴木英介)
■週刊プレイボーイ37号「全世界ユーザー2億3000万人の『LINE』が変わる!?」より 【関連記事】
・iPhone5のLTEは速くない?
・ドコモの「ポイントサービス改悪」に泣くのは長期契約者
・日本全土が、アップルの下請け工場になっている
・『パズドラ』の祖、ガンホー・森下一喜社長「パズドラは課金したい人だけ課金してくれればいいんです(笑)」
・アップルのアプリ審査担当者“デービッド”って誰?
現在のLINEの主な機能は、無料通話、無料メール、スタンプ、ゲーム、LINEアプリなど。そして新たな事業は、音楽配信(年内公開予定)、ショッピング(秋公開予定)、ウェブストア(9月公開予定)、ビデオ通話(秋公開予定)などになる。
ユーザー数が世界で2億3000万人(前年比460%)を突破して順風満帆なこの時期に、あえて新規事業に参入する理由は何なのか。IT業界に精通し、関連著書多数の山本一郎氏は、LINEの新展開についてこのように見ている。
「LINEは無料通話やメッセージングサービスが主体で素晴らしい成長を遂げましたが、まだその拡大に見合う収益事業の育成はできていないのが現状でしょう。そのためユーザー層にフィットした換金性の高いサービスの開発を急ぎたい。逆に言うと、LINEが拡大しているこのタイミングで収益化できる事業を手がけないと、競合他社にユーザーを取られてしまうこともあり得るのです」
この見方に大きくうなずいているのは、IT関連企業の動向に詳しい小川浩氏だ。
「ウェブチャットを提供するLINEみたいな企業は海外にもいっぱいあって、メッセージングサービスの全世界のユーザーは10億人とされています。現在のLINEユーザーの4倍以上の数です。そこでLINEが勝負をしていく上でどうしても莫大な資金調達が必要になってくる。つまり、株式会社として上場し資金を調達するために新規事業が必要なのです」
確かにLINEは、今年4月に韓国の親会社NHN傘下の日本法人NHN Japanから、わざわざLINE株式会社に社名変更している。
「しかし、LINEはユーザー数が多いといっても、必ずしも投資家の受けはよくない。現在のLINEの収益は広告とスタンプ、ゲームが中心。世界中のソーシャル系企業がスタンプを採用し始めているし、フェイスブックも無料でスタンプを配布し始めた。
他社に追撃されている状況ですから、LINEとしてはモール機能などをプラスして、相対的に機能を向上させて、LINEがメッセージングだけに頼っていないところを投資家に見せなければいけないと判断したのでしょう」(小川氏)
日本国内ではメッセージングサービスで一歩リードするLINE。新規事業参入の背景には、オトナの事情も漂っているようだ。
(取材/鈴木英介)
■週刊プレイボーイ37号「全世界ユーザー2億3000万人の『LINE』が変わる!?」より 【関連記事】
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