
友人や家族と過ごすことの重要性をいまいち感じていませんか? それであれば、交際には人を幸せにするという研究成果を紹介しましょう。
まずはHarvard大学で幸せについて研究を続けるDaniel Gilbert教授による説明を読んでみてください。
私たちは、家族がいると幸せです。私たちは、友人がいると幸せです。私たちはほかにも、さまざまな物事を幸せのカギだと考えていますが、そのほとんどすべては、もっとたくさんの家族や友人を得る方法にすぎません。
George Vaillant氏は75年間にわたって、「Grant Study」という調査研究の責任者を務めています。これは1940年前後にHarvard大学に在籍した200人を超える男子学生を、その後の生涯にわたって追跡したものです。
Grant Studyの調査対象者に向けたニューズレターの2008年3月号に、Vaillant氏へのインタビューが掲載されています。「Grant Studyの被験者男性たちから学んだことは何ですか?」と聞かれた同氏は「人生にとって本当に大切なのは人間関係だということ」と答えています。
この研究成果の一部は、米誌「The Atlantic」のJoshua Wolf Shenk氏による記事の中で公開されています。そこでは、調査対象者の交友関係はその全般的な幸福度に関わっていると指摘されています。
調査対象者らの老いへの適応の度合いを予測する上では、「47歳時点での人間関係」が(中略)特に有効だとVaillant氏は結論しています。兄弟姉妹との良好な関係は特に影響が大きいようで、65歳で経済的に成功している男性の93%は、それ以前の若い頃から、兄弟姉妹の(少なくとも)1人と仲が良かったそうです。
また、社会経済学誌「Journal of Socio-Economics」誌に掲載された研究によれば、あなたの人間関係には8万5000ポンド(約1300万円)もの価値があるそうです。
英国世帯パネル調査の結果を基に計算したところ、社会参加の度合いを増すことは、人生の満足度の観点からみると、最大で年収が8万5000ポンド(約1300万円)増えるのと同等の効果があることが判明しました。その一方で、収入が実際に増えたとしても幸福度はほとんど上昇しません。
「収入が実際に増えたとしても、幸福度はほとんど上昇しません」という最後のくだりは、特に興味深いものです。つまり、年収を何十万ドルも増やすことができたとしても、人間関係を強化したときのような幸せは得られないということになります。
Stanford大学のLewis Terman教授が始めた足かけ80年にもおよぶ研究では、人間関係や他者への手助けが幸せに長生きする上で重要な要素であるとわかりました。
この研究の詳細は『長寿と性格』という本で紹介されています。
私たちは、「困難な時期に頼れる友人や親戚がいる」と確信できる被験者は健康度が高いと予想していました。とても愛され大事にされたと感じている人は、特に長生きできるだろうとも推測していました。
しかし、私たちの予想は間違っていました。社会的人間関係のメリットとしてもっとも明白なものは、社会的なつながりの輪の大きさよりも、他人を助けることから来ていたのです。友人や隣人を助け、他者に助言したり世話を焼いたりしていた人は、より長生きする傾向がありました。
10 Simple Things You Can Do Today That Will Make You Happier, Backed by Science | Buffer
Belle Beth Cooper(原文/訳:風見隆、江藤千夏/ガリレオ)
Photo by Thinkstock/Getty Images.
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