日本人は、どうしてこんなに野球が好きなのか。真夏日を記録しても、夏の甲子園には人が集まってくる。第95回全国高校野球選手権大会が行われている甲子園球場は、連日の観衆4万人越えを記録。
日によっては、甲子園球場を本拠地とする阪神タイガースの試合よりも、観衆が多いことすらある。
これには、いくつかの条件があるだろう。
まず、高校野球はチケットが格段に安い。
中央特別自由席 2,000円
1・3塁特別自由席
おとな 1,500円
こども 600円
1・3塁アルプス席 600円
レフト・ライト外野席 無料開放
いっぽう、阪神タイガースのチケット料金は以下のようになる。
アイビーシート(1・3塁) 4,000円
1塁アルプス席 2,500円
3塁アルプス席
おとな 2,500円
こども 1,000円
ライト外野席 1,900円
レフト外野席・レフトビジター専用応援席
おとな 1,900円
こども 600円
「チケットが安いから」以上に大きいのは、阪神戦では販売のないネット裏の良い席に自由に座れることだろう。高校野球のときは、企業などが買い取っている年間シートが存在しないため、特等席で野球が楽しめるのだ。この点は、野球好きにとってはたまらないメリットの1つと言える。
次に、開催が興行にピッタリの時期なのだ。甲子園は毎年、お盆の時期に行われ、前後の土日も挟む。関西出身の人ならば、子どものころに「どっかに連れて行って」とせがみ、「甲子園でも観に行くか」と親に連れて行ってもらった人もいるだろう。
子を持つ親にとっては、チケットの安さは魅力的。しかも外野は無料とくれば、遊園地などに連れて行くよりは安く上がると考えるのだろう。毎日、テレビで放送されている高校野球を間近で観られるとなれば、子どもも喜ぶはずだ。
こうしたいくつかの要素が重なり、今年も夏の甲子園は満員になるのである。
※写真は甲子園公式サイトより
【関連情報】
阪神甲子園球場
http://www.hanshin.co.jp/koshien/
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