8月10日、コミックマーケット(以下、コミケ)が東京ビッグサイトで始まった。初日は、最高気温37度という猛暑日だったが、暑さ対策とともに心配されていたのが、携帯電話の電波対策。昨年夏のコミケでは、過去最多タイの約55万人の来場者数を記録するなど、世界最大規模の来場者数を誇るイベントだけに、携帯キャリア大手3社(ドコモ、au、ソフトバンク)はいずれもコミケに備えた特別措置をとっていた。
各社とも、特設サイトなどでコミケでの電波対策を各社アピールしており、Wi-Fiスポットマップなどを公表しているが、実際どのような対策が行われているのか?
まず、コミケや初詣などの大型イベントでは定番の車載型基地局(移動基地局)は、3社とも出揃っていた。なかでも注目を集めていたのが、アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のステッカーで装飾されたauの基地局。アニメキャラのステッカーで装飾された自家用車を「痛車(いたしゃ)」と呼ぶが、これはまさに痛基地局。
停車場所が西館ホール外ということもあり、開場前の待機列で待っていた参加者に早朝から目撃され、ネット上でも話題になっている。そもそも今回の企画が実現した背景には、今年4月1日にauがエイプリルフールネタで公開した、ベッド型スマートフォン「zzz Phone Bed」の特設サイトにて、同アニメのキャラクターを起用した経緯がある。
⇒【画像】auの痛基地局 http://nikkan-spa.jp/490682/c84dp_05
痛基地局横にいたスタッフによると「企画が好評だったこともあり、今回のコミケでもお願いすることになりました。他アニメの候補もあったのですが、社内の“詳しい人間”にヒアリングしたところ『俺妹がいい』という声があり決定しました」とのこと。この女性スタッフの慣れない口調での「おれいも」というコメントに癒された。
ホール内では、各社が用意したWi-Fiスポットを発見。今回のコミケでは、ドコモは固定のWi-Fiスポットを5か所、auとソフトバンクは人間Wi-Fiスポットを多くのポイントに配置したようだった。
ソフトバンクは担当スタッフを「Wi-Fi忍者」と名付け、ポール型とリュック型の2種類を各所に配備。
⇒【画像】Wi-Fi忍者 http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=490691
リリースにて女性モデルを起用した写真を公開していたため、ネット上でも注目を集めていた。実際に歩きまわってみると、ホール内外の数か所で女性スタッフを確認できた。
auは「人間Wi-Fi」と名付けており、ホール内外のいたるところでオレンジ色のポロシャツを着たスタッフを発見。
開場前にも待機列付近で点在していた。あまりの多さにいったい何人いるのだろうかとスタッフに聞いてみると、「東ホールに22人、西ホールに10人くらいいます」とのこと。ホール内だけで30人強いることがわかった。ちなみに、彼らの集合時間は朝の5時だったという。
こうした「Wi-Fi忍者」や「人間Wi-Fi」が確認できるのは、主に人通りが多い所や立ち止まって休憩する場所の近くだ。ホール外では自販機周辺、ホール内では東1と東2ホールの間の手前と奥で1人ずつなど均等に配置されていた。
スマホの普及により、データ接続スピードや通話の安定性など、携帯キャリアはより高い品質が求められるようになっている。この瞬間、世界で最もスマホ所持者の密度が高いであろうコミケだけに、各社の電波対策の本気度がうかがえた。
⇒【画像】各社の対策エリアマップ http://nikkan-spa.jp/490682/c84dp_01
●各社のコミケ電波対策ページ
ドコモhttp://www.nttdocomo.co.jp/support/area/event_list/comic_market/
auhttp://www.au.kddi.com/pr/comic/
ソフトバンクhttp://www.softbank.jp/mobile/info/personal/news/support/20130801b/
<取材・文・撮影/林健太>
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