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死はどんな姿? 全身を駆け抜ける青い光の波

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「人間の魂の重さは21グラムである」とは、ダンカン・マクドゥーガル博士が1907年に死の前後の体重を計測して得たデタラメな数字ですが、実際の話、死はどんな姿をしているのか? 数多の細胞が同時にシャットオフするのか?

そこにひとつの回答が出ました。
答えは、

死は特別なネクローシス(necrosis:壊死)の経路を通して広まり、通過する先から細胞が死んでいくのです。いわば、死の青いトルネードですね。

上の写真は死ぬ直前、1時間半に渡って線虫シー・エレガンス[C.Elegans]の体内を青い蛍光が駆け抜けていく様をユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究班が捉えたものです。

熱、病、凍傷で死ぬとこの虫は青く光るんですね。光ることは前から知られていたのですが、今回の研究では壊死して破れた細胞小器官からアントラニル酸が出て体内に広がり、それが光っていることもわかりました。なんかポキッと折ると光る棒みたい…。

また、タイムラプス写真では、この「死の蛍光」(研究班の命名)は虫が動きを止めた時点(死の2時間前)に強度が突如400%上がって腸から死のカスケードが始まり、死の瞬間MAXに達していたこともわかりました。光は死後6時間続きフェードアウトしたそうです。

因みに成人のヒトの体内では、予めプログラムされた細胞死「アポトーシス(apoptosis)」で毎日500億から700億個の細胞が死んでいきます。あとは予定外の外傷などで寿命前に起こる細胞死「ネクローシス(necrosis)」がプラスされるのですが、体全体の細胞がどう死んでいくのか、具体的なところは未解明でした。今回の成果はそれに大きなヒントを与えるものとして注目されているんざますよ。

研究班ではさらに、死の蛍光は壊死のカスケードで起こる→壊死のカスケードは細胞に細胞停止のシグナルを送るカルシウムイオンで起こる→ならカルシウムイオンの体内伝播を止めれば死も止まるんじゃあるまいか!!! ‥.と考え、タンパク質と遺伝子操作で突然変異させた線虫を駆使してカルシウムイオンをブロックしてみました。すると、感染・凍傷による虫の死はある程度遅らせることできました。

ただし高齢による死には効き目はなかったとのこと。
死は死。避けようがないようです。


[PLOS Biology via Smithsonian Mag]

CASEY CHAN(米版/satomi)
 

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