6月8日に「第5回AKB48選抜総選挙」の開票が行われ、スキャンダルを起こしてHKT48に移籍していた指原莉乃が、初の1位を獲得した。
この衝撃的な結果のためか、あいまいなまま終わってしまったのが重複投票の問題だ。問題とは、ネットの掲示板で重複投票の方法が公表され、関係者が対応した結果、1000票以上の重複票が取り消しとなり、速報の順位が一部修正されたというもの。
集計を担当した情報処理会社「パイプドビッツ」では、「『AKB48 32ndシングル 選抜総選挙』最終結果の集計につきまして」の報告を挙げている。そこではなぜか「当システムは総選挙期間中に安定稼動を続け、障害や不正は一切発生いたしませんでした」と記している。
ではあの重複投票は? と見ると、「重複投票問題につきましては、『NMB48 MOBILE』運営元の株式会社よしもとクリエイティブエージェンシー様より、原因の特定及び修正並びに再発防止策が完了した旨を報告いただき、重複票(無効票)を控除修正して、本日の最終結果に反映いたしております」としている。対応策が施され、除外しているため、障害や不正には含まれないと言うことらしい。
最後に「総選挙についてのご質問を頂戴いたしておりますが、ご質問にはお答えいたしかねます。何卒ご容赦くださいますようお願いいたします」と締めくくっている。丁寧な表現ながらも「質問は受け付けません」であり、「不正投票をどうやって抽出(除外)したのか」「本当に不正投票はこれだけだったのか?」などの疑問について、払しょくできる機会はなさそうだ。
ネット上の不正投票は、ほかにも頻繁に起きている。
日本百貨店協会主催の「2013 ご当地キャラ総選挙」では、一部のキャラクターに異常な数字が出たため発覚し、当該キャラクターの関係者が出場辞退を申し出ることにもなった(解決したとして登録継続)。またゲームメーカーのレベルファイブが行っている「15周年キャラクター人気投票」でも、不正投票が明らかになったとのお知らせが出ている。
いずれも事後的に発表があるだけで、詳しい内容は不明のままだ。選抜総選挙と同様に、「本当にこれだけ?」と思う人もいるだろう。
しょせんお祭り騒ぎだと割り切って楽しむのであれば、細かいことにこだわるのも野暮かもしれないが、少なからず金銭が関係し、何がしかの影響力があることを考えれば、もう少し透明性の高い発表があっても良いのではないだろうか。
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