7月21日に行われた参議院選挙。それを伝える選挙特番、みなさんはどの番組をご覧でしたか? 民放各局の視聴率トップは、テレビ東京の「池上彰の参院選ライブ」でした。
前回参院選、去年末の衆院選とテレビ東京は、当選者インタビューでズバズバと聞きまくる池上さんを総合司会に据えて、番組を制作してきました。政治家の痛いところを短いインタビュー時間でバンバンつく池上さんは、実に鋭い視線で、かつ、淡々とした語り口から、「池上無双」とネット上では呼ばれています。
今回は、そんな池上彰さんの選挙特番に思う、今のテレビの課題点を紹介します。そんなに堅い話ではなく、お笑い番組・お笑い芸人の話になって来るので、バラエティ好きの方は軽い気持ちでご一読下さい!
舌鋒鋭い池上彰
テレビ東京の「池上彰の参院選ライブ」の見所は、なんと言っても先述の「池上無双」でしょう。当選確実となった立候補者へスタジオから投げかける池上さんの質問には、毒がありまくりです。立候補者からしたら、「痛い所」を見事に池上さんは付いてくれるわけです。
象徴的だったのは、アントニオ猪木へのインタビュー。「維新は猪木さんの人気頼みということですね」「日本維新の会のマニフェストはお読みになりましたか?」などズバズバと物申す池上さん。さらに、自民党の小泉進次郎議員の選挙活動に対する池上分析も牙をむき出していました。「小泉議員の言葉を活字に起こすと、たいしたこと言ってない。でも聞いていると感動する」など舌鋒鋭い池上さんが見ることができました。
このとき、視聴者として思うことはさまざまです。「ただの揚げ足取りじゃないの?」という池上さんに対して批判的なものから、「よく言ってくれた!」と池上さんに賛同的なものまで、見ているものに物議を醸します。また、池上さんに物申された新人政治家やお偉方の重鎮政治家が、困り果てる顔を見るのも実におもしろいという方もいるでしょう。
池上さんのこのような活躍は、前回の「参院選ライブ」から見ることができました。池上さんの「おもしろインタビュー」を見ていると、筆者はどうしてもあることを思ってしまいます。すなわち、「池上さんのような芸人が出演するテレビ番組を見てみたい」という思いです。
茶化して見える政治の問題
数年前からTwitterやブログなどで、「選挙に行こう」と呼びかける芸人の言葉は目にすることは増えました。テレビの情報番組や、ラジオの報道番組でも、芸人がアンカーマン・進行を勤めて、政治を真正面から真面目に考える姿も見かけます。
しかし、本来の芸人の仕事(視点・切り口)として、政治を扱う姿はテレビでなかなか見ることができません。つまり、政治や政治家をネタにして、茶化し、視聴者を笑わせるという芸人は、ほとんどテレビで見ない、ということです。
池上さんの立候補者へのインタビューには、確かに「揚げ足取り」の側面もあります。だからこそ、立候補者は困り果て、その姿を見て視聴者はワクワクするのではないでしょうか? 池上さんのインタビューが、「茶化し」だとは言いませんが、「茶化す」ことでその政治家の問題点や欺瞞が、とてもわかりやすく表現されるのだと思います。
だとするならば、本来、(寄席やライブで)さまざまなものを茶化したり、揶揄することが本業である芸人が、なぜテレビではその「政治のネタ化」をしないのでしょうか? 無論、芸人さん本人に原因があるのではなく、おそらく「政治をお笑いにすると、いろんな団体からクレームを受けてしまう。だから止めておこう」という制作者の自粛ムードこそ、その原因だと思います。
アメリカの「サタデーナイトライブ」というバラエティショーでは、オバマ大統領を笑いにしたり、バカにしたりするのにもかかわらず、政治家本人も登場することもあります。政治家をネタにすることで、その政治家が抱える問題が提示されるのです。別に「サタデーナイトライブ」のような番組を日本でも作れ、と言ってるわけではありません。
不謹慎と思われようが、政治を茶化すなと言われようが、お笑い芸人が政治をネタに、笑いものにする、そんな番組があっても良いのではないかという話です。今、それに一番近い内容なのが「池上彰の参院選ライブ」なのかもしれません。政治で爆笑できるお笑い番組を見ることを楽しみにしています。
「池上彰がなぜわかりやすく説明できるか?」の詳細を調べる
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舌鋒鋭い池上彰
テレビ東京の「池上彰の参院選ライブ」の見所は、なんと言っても先述の「池上無双」でしょう。当選確実となった立候補者へスタジオから投げかける池上さんの質問には、毒がありまくりです。立候補者からしたら、「痛い所」を見事に池上さんは付いてくれるわけです。
象徴的だったのは、アントニオ猪木へのインタビュー。「維新は猪木さんの人気頼みということですね」「日本維新の会のマニフェストはお読みになりましたか?」などズバズバと物申す池上さん。さらに、自民党の小泉進次郎議員の選挙活動に対する池上分析も牙をむき出していました。「小泉議員の言葉を活字に起こすと、たいしたこと言ってない。でも聞いていると感動する」など舌鋒鋭い池上さんが見ることができました。
このとき、視聴者として思うことはさまざまです。「ただの揚げ足取りじゃないの?」という池上さんに対して批判的なものから、「よく言ってくれた!」と池上さんに賛同的なものまで、見ているものに物議を醸します。また、池上さんに物申された新人政治家やお偉方の重鎮政治家が、困り果てる顔を見るのも実におもしろいという方もいるでしょう。
池上さんのこのような活躍は、前回の「参院選ライブ」から見ることができました。池上さんの「おもしろインタビュー」を見ていると、筆者はどうしてもあることを思ってしまいます。すなわち、「池上さんのような芸人が出演するテレビ番組を見てみたい」という思いです。
茶化して見える政治の問題
数年前からTwitterやブログなどで、「選挙に行こう」と呼びかける芸人の言葉は目にすることは増えました。テレビの情報番組や、ラジオの報道番組でも、芸人がアンカーマン・進行を勤めて、政治を真正面から真面目に考える姿も見かけます。
しかし、本来の芸人の仕事(視点・切り口)として、政治を扱う姿はテレビでなかなか見ることができません。つまり、政治や政治家をネタにして、茶化し、視聴者を笑わせるという芸人は、ほとんどテレビで見ない、ということです。
池上さんの立候補者へのインタビューには、確かに「揚げ足取り」の側面もあります。だからこそ、立候補者は困り果て、その姿を見て視聴者はワクワクするのではないでしょうか? 池上さんのインタビューが、「茶化し」だとは言いませんが、「茶化す」ことでその政治家の問題点や欺瞞が、とてもわかりやすく表現されるのだと思います。
だとするならば、本来、(寄席やライブで)さまざまなものを茶化したり、揶揄することが本業である芸人が、なぜテレビではその「政治のネタ化」をしないのでしょうか? 無論、芸人さん本人に原因があるのではなく、おそらく「政治をお笑いにすると、いろんな団体からクレームを受けてしまう。だから止めておこう」という制作者の自粛ムードこそ、その原因だと思います。
アメリカの「サタデーナイトライブ」というバラエティショーでは、オバマ大統領を笑いにしたり、バカにしたりするのにもかかわらず、政治家本人も登場することもあります。政治家をネタにすることで、その政治家が抱える問題が提示されるのです。別に「サタデーナイトライブ」のような番組を日本でも作れ、と言ってるわけではありません。
不謹慎と思われようが、政治を茶化すなと言われようが、お笑い芸人が政治をネタに、笑いものにする、そんな番組があっても良いのではないかという話です。今、それに一番近い内容なのが「池上彰の参院選ライブ」なのかもしれません。政治で爆笑できるお笑い番組を見ることを楽しみにしています。
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