6月20日、世界中に衝撃が走った。上海市場の短期金利が過去最高水準で高騰したからだ。以降、シャドーバンキングや理財商品など、聞きなれない言葉とともに、中国経済が抱える闇が徐々に明らかになっている。果たして、バブル大崩壊はあるのか? 現地ではその「兆候」がすでに見え始めている。
広州市内で日本食料理店を営む日本人経営者は、上海市場の短期金利が急騰した翌日に起きた出来事をこう証言する。
「何十か所回っても、ATMに現金がなかったんです。在住8年になりますが、こんなのははじめて。窓口も長蛇の列で、行員に食って掛かる人も多数いて、暴動寸前でしたよ」
一方、上海市在住のコンサルタント・山内幸治氏(仮名)も言う。
「近所のATMを利用しようとしたんですが、どこもタッチパネルに『引き出し』というボタンがなかった。3~4か所のATMを回ったのですがすべてダメ。『当局が取り付け騒ぎを警戒してATMの出金量を調整している』と噂が駆け巡ってました」
同種の証言は、微博(中国版ツイッター)でも多数、報告されている。中国工商銀行の全国各地のATMでは「故障中」という張り紙が一斉に張られたが、これも出金を規制していたとされる。また『華西都市報』(6月28日付)によれば、6月末、クレジットカードの限度額が突然、勝手に引き下げられたという報告が相次いでいるという。
崩壊の兆候とも言えるような取り付け騒ぎが、実は各所で起きていたのだ!
週刊SPA!7/16発売号「7月【中国バブル崩壊】の断末魔を見た!」では、現地での「異変」を総力取材。使えないATM、廃墟化するショッピングモール、倒産寸前の中国企業、それをひた隠す報道規制についてリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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