ハイブリッドカー天国の日本でも、マツダやBMWなどのディーゼル車を見かけることが多くなった昨今。同じディーゼル車でも、クルマオタクたちが見ているのは日本では正規販売されていない並行輸入モノの逸品。わざわざ正規販売されていないモノを買うなんて、と思われるでしょうが、そこにはこんな魅力がありました
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆オタク心をくすぐられる!日本未導入並行輸入ディーゼル
毎回、無知な諸君にモノを教えて差し上げている当コラム。今回は特にマニアックであるから、心して読むように。
諸君ら自動車免許すら持たないボンクラにはわからぬだろうが、日本はオタク発祥の地だけあって、世界に冠たるクルマオタクの国である。その証拠に、世界の主要な自動車ブランドは、ほぼすべて正規輸入されている。売ってないのは、オタク度のない韓国車くらいだ。
これが米国となると、フランス車(プジョー/シトロエン/ルノー)が一切正規輸入されていない。イタリア車もほんのわずか。ラテン系メーカーのクルマは、かつて故障しまくった頃に米国民から見放され、撤退を余儀なくされたのだ。
日本は違う。シトロエンがどんなに青い血を吐いて止まっても、一部マニアが買い支え、販売が続いてきた。おかげで諸君らボンクラも、世界の名車を街角で眺めることができる。ありがたく思いなさい。
が、それでも満足できないオタクもいる。彼らの不満は、「日本に正規輸入されていないグレードがある」ということ。その代表が欧州各メーカーのディーゼルモデルだ。
ディーゼルのメリットは、普段の走りが気持ちいい低速トルクの太さと低燃費。日本では軽油がハイオクよりリッター30円以上安いだけに(欧州ではほぼ同価格)、マニアックな満足感と節約の一石二鳥になる。
現在、日本で売られているクリーンディーゼル車は、国産がマツダと日産、三菱、輸入車はBMWとメルセデスのみでバリエーションが乏しい。そのせいで特にマツダとBMWが売れまくっているが、マニアはもっといろいろなメーカーのディーゼル車を欲している。特にフランス・イタリア車ファンには渇望感が強い。
私もクルマオタクのはしくれであるため、ラテン系メーカーのディーゼル車の購入を熱望し、早く正規輸入が始まらないかとうずうずしていたが、待てど暮らせど始まらない。イライラ。
そういう需要に対しては、並行輸入という道がある。シビレを切らした私は、先日、フィアットの1300ccディーゼルターボエンジンを積んだ「クーボ」というクルマを購入した。日本には正規輸入されていない、ルノー・カングー的なモデルだ。
⇒【後編】「クルマオタクには、ラテン系メーカーの並行輸入ディーゼルが人気」に続く http://nikkan-spa.jp/457633
― オタク心をくすぐられる!日本未導入並行輸入ディーゼル【1】 ―
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