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サッカーライターが考える「日本代表監督にしたい男」

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 3戦全敗と散々な結果に終わったコンフェデレーションズカップ。ブラジル、イタリア、メキシコと相手が悪かったといえばそれまでだが、来年に迫ったワールドカップを前にサッカー関係者は危機感を募らせているという。そこで今後の日本代表についてサッカー専門誌やスポーツ紙の記者に話を聞いた。

「ザックJAPANは強豪アルゼンチンを倒すなど、始動直後は破竹の勢いでした。ライバルのオーストラリアを破り、アジアカップも制覇しましたが、ここにきてサポーターから采配や選手選考への批判が噴出するなど、暗雲が立ちこめています。海外組偏重とも言われる選手の起用方法や機能しない選手交代など、首をかしげる日本代表関係者も大勢います」

 と語るのはJリーグから日本代表まで幅広く取材をするサッカー専門誌のライターだ。5大会連続でワールドカップに出場するなど成熟した日本サッカーだが、そのトップに立つ代表監督は常に厳しい目を向けられてきた。フランス大会直前にコーチから昇格した岡田武、選手やマスコミとのトラブルも絶えなかった日韓大会のトルシエ、サッカー界のレジェンドでありながら手腕を批判され続けたドイツ大会のジーコ、病に倒れたオシム監督の後を継いだ南アフリカ大会の岡田武とそれぞれが苦しい立場に置かれてきた。代表監督ほど辛い仕事はないだろう。しかし、そんな重責を背負う日本代表監督にふさわしい男がいるという。

「私が期待しているのは藤田俊哉です。ジュビロ磐田の黄金期を築きJリーグの最優秀選手に選ばれただけでなく、海外でもプレーし、10年に渡り日本代表に選出され続けた伝説の選手です」

◆藤田のためにカズ、ゴン、ヒデと豪華メンバーが集結

 昨年現役引退を表明した藤田だが、そんな日本サッカーのレジェンドを送り出そうと、5月23日に「サッカーの聖地」国立競技場で送別試合が行われた。集まったのは、ゴンこと中山雅史、名波浩、福西崇史、高原直泰など、磐田OBを中心とした「ジュビロスターズ」と、キングカズこと三浦知良、前園真聖、中田英寿、小野伸二など日本代表OB を中心とした「ジャパンブルー」。他では目にすることのできない豪華なメンバーだ。

「送別試合という呼び名は、仰々しい式典ではなく、気の置ける仲間との試合がしたかった藤田の望んだもの。たしかにメンバー発表では笑いも起きるなど、和やかな雰囲気がありましたね」

 送別試合を取材したスポーツ紙記者は送別試合をこのように振り返った。普段とは違った独特の空気の中、藤田は前半をジャパンブルー、後半はジュビロスターズでプレー。久しぶりに集うOBたちがゆったりとプレーしていた前半だが、後半はすっかりガチンコな雰囲気に。ジャパンブルーの三浦カズ、中田ヒデ、小野伸二がパスをまわすと国立中からうっとりとしたため息が漏れる。一方のジュビロスターズも藤田、名波浩、ゴン中山のコンビネーションでチャンスを作り出す。今では観ることのできない夢の競演に観客は大興奮だ。

「藤田は現役を退いて身体のキレは衰えたものの、そのセンスはいまだに健在でした。スタンドからは『まだ全然現役でやれるんじゃないか?』なんて声も聞こえましたね」

 そして、この日1番の盛り上がりは84分にやってきた。裏に抜けた中山が、主役の藤田にラストパス。藤田が落ち着いてゴールを決めると、国立中から割れんばかりの歓声が飛んだ。試合の最後には藤田の放ったシュートが中山に直撃。二人(と国立中)がずっこけたところでタイムアップとなった。

◆若手からの信頼も厚い藤田、欧州で指導者を目指す

「送別試合には往年の名選手だけでなく、カレン・ロバート、安田理大といった現役の若手も出場しました。プレミアリーグでプレーする日本代表の吉田麻也は自身の結婚式を抜け出してやってきたそうですが、世代を超えた藤田の人望を痛感させられましたね」

 藤田俊哉の魅力とはその人望にあると語るのは、欧州のサッカーに詳しいサッカーライターだ。

  今夏からはオランダのVVVフェンロで指導者としての道を歩むことが決まった藤田。試合後は「サッカーに出会えて素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。僕はサッカーが大好きです。サッカーで多くの夢を見てきました。これからも大好きなサッカーで夢を見ていきたい」と語ったように、まだまだサッカーへの愛情は揺らがない。

「もし欧州で監督となれば日本人としては初の快挙です。藤田は若手からの信頼も厚く、日本代表を支えたレジェンドたちからも尊敬されています。来年のブラジルW杯は現実的に難しいでしょうけど、いつかきっと再び日の丸を背負って日本代表を引っ張ってくれますよ」

 指導者として新たな道を歩み始めた藤田俊哉。日本サッカーの歴史にその名を刻んだ男の第二章にぜひ注目してほしい。 <取材・文/本誌蹴球特捜班>



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