1月23日に告示日を迎えた東京都知事選。自民党東京都連と公明党都本部が推薦する舛添要一候補の圧勝かと思われたが、小泉純一郎元首相の支援を取り付けた細川護熙元首相が緊急参戦。果たして都知事選の行方は日本経済にどんな影響を及ぼすのか? 闇株新聞氏が分析した。
◆「脱原発」の細川元首相と舛添候補が争う都知事選はどう転がっても日本にマイナス!(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏)
東京都知事選が2月9日に投開票を迎える。ここ3年弱で3度目の都知事選となり、またも50億円もの血税が使われるが、1300万人以上が住み、五輪利権もカジノ利権もある首都の知事選は日本全体にとっても株式市場にとっても大変に重要なイベントである。
ところが「脱原発」を除けば各候補者による具体的な政策論議がまったく盛り上がらず、政策討論会さえまともに開催されていない。つまり国政レベルで様々な角度から検討しなければならない「脱原発」が、なぜか原発のない東京の知事選の唯一の争点になってしまっている。その背景はこうだ。まず昨年夏頃から突然「脱原発論者」になったらしい小泉純一郎元首相が、これも突然「脱原発」に積極的に賛同したらしい細川護熙元首相を担ぎ出した。その理由は単純で「脱原発」と連呼すれば当選できると思っているだけで、長期的視野に立って考えているわけでも都民の利益を考えているわけでもない。だいたい「脱原発」となれば、都民は電気料金値上がりのデメリットしかないはずである。
首相在任時に「痛みを伴う改革」や「郵政民営化」など、数々の失政・悪政を繰り返した小泉氏と、20年も前の首相在任時に突然当時3%だった消費税を「7%の国民福祉税にする」と夜中に発表し(さすがに立ち消え)、あげくの果てに1億円の不正資金受領を追及されて政権を投げ出した細川氏が、打算で組んだだけである。
一応、細川氏が「脱原発」を掲げる理由を見てみると、「原発にかける費用を代替エネルギーや新技術開発に回せば理想を持って生きることができ、日本はもっと元気になる」そうで、訳がわからない。
福島原発の不幸な事故は絶対に繰り返してはならないが、この事故は東京電力と日本の原発ムラによる人災であり、「脱原発」を叫ぶ前にやるべきことがたくさんある。被害者の方々のご苦労を、ただ票のために利用していることになる。
⇒【後編】「都知事選に投入される血税は50億円!?」に続く http://nikkan-spa.jp/578280
【選者】「闇株新聞」氏
’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」と’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。昨年4月には『闇株新聞 the book』を上梓
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