候補者の半数以上が、後期高齢者(65歳以上)という今回の都知事選(2月9日投開票)。若い世代の意見が反映されないのでは? とモヤモヤしたり、あきらめかけている人も多いのではないでしょうか。しかし、本当に若い世代は自分たちの声を社会や政治に届け、変えていくことはできないのでしょうか。ソーシャルメディアなどを駆使して埋もれがちな声を拾い、政策に活かしてきた現役の区議会議員・横尾俊成さんが出版した『「社会を変える」のはじめかた 僕らがほしい未来を手にする6つの方法』(産学社)から、具体的な方法を紹介します。
■本当に若者は少数派?
本題に入る前に、都知事選に関しては面白いデータがあります。「ハフィントンポスト」掲載で話題になりましたが、東京都の人口の年齢構成は多い順から以下の通り並びます。
・40代 207万3830人
・30代 205万4057人
・60代 161万3237人
・20代 154万4886人
・50代 145万4188人
・70代 123万9740人
・80代 61万7775人
・90代 11万8789人
・100歳以上 4444人
60代以上の高齢世代が多いかと思いきや、全国平均とは違って、実は30-40代の比較的若い世代が一番多いのです。20代も4番目。つまり、東京においては、「若い世代の人口が少ないから」声が届かないというよりも、単純に「投票率が低いから」票数では高齢層を下回ってしまう。結果として、“票になる”高齢世代向けの政策が通りやすくなり、“票にならない”若い世代はソンをするという構図があるようです。
では、若い世代はどうやって声をあげることができるでしょう? 横尾さんは、実践者にインタビューしながら6つの方法を提案します。
1. 投票する
まずは、もちろん投票に行くことです。若者と政治をつなぐ活動に取り組むNPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんは、「白紙でもいいので、とりあえず投票するという行為が大事」だといいます。「白紙でもいい」というのは、若者の投票率が上がったという事実を示すことで、政治側の対応が変わる可能性があるからです。「社会を変える」ためのいちばん身近な方法といえるでしょう。
2. 政治家に意見を届ける
投票の次に手軽にはじめられるのは、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用して、「政治家に自分の意見を表明する」ことです。賛成・反対で対立しがちな政治課題を、みんなで解決する方向にもっていくことができるBlabo!というオンラインでアイディアを募るプラットフォームも紹介されます。話題を呼ぶ家入一真候補の「#ぼくらの政策」という政策公募の手法もこの一例といえるでしょう。
3. 署名やデモに参加する
政治を動かす伝統的な手法です。同書では、ワンクリックで気軽に参加できるネット署名サイトのChange.orgが紹介されています。横尾さんに拠ると、政治家1人が当選するぐらいの署名数が集まれば、影響力を持つそう。地方議会では1000筆も集まれば十分大きな声になる場合もあるようです。
4. 政策を訴える
積極的に国や地方の政治に働きかけて法律や条例などを改革することをアドボカシー(政策提言)活動といいます。代表例は、非施設・共済型の病児保育事業で知られる社会起業家・駒崎弘樹さんの取り組み。一見、ハードルが高く見えますが、ある業界で有名であれば、一般的には知られていなくても発言力が生まれるそう。「従業員ゼロで、有給の人は経営者だけ、というような団体でも、国の審議会委員になっていることはざらに」あるそうです。
5. 政治家になる
やはり政治家が現場で大きな役割と力を持っていることは事実。会社員でいるより実利は低いものの、それを上回る「想い」があれば、思い切って政治家を目指すのもアリ? NPOドットジェイピー代表の佐藤大吾さんは、地方議会では約1.2倍という低倍率で当選する実態を紹介。簡単に当選するわけではないものの、社会を変えるための選択肢の一つではあります。
6. まちづくりに参加する
横尾さんおススメの政治参加は、「まちづくりの活動に、日常的に参加すること」。地域の課題を、その地域に住む人々が解決するための道筋を描くコミュニティデザインが、いま注目を集めています。トップランナーの山崎亮さんも、「コミュニティデザインは、住民が直接参加する“プチ政治”」と語ります。グローバル社会にあって、小さなまちの成功事例は瞬く間に世界に広がっていきます。また、まちでの小さな成功の積み重ねが、個々人の「社会を変える」ための能力を鍛えていくことになる。これこそ、政治の原点。身近なまちに、社会を変えるヒントがあるかもしれません。
■選挙は、終わってからが本番
このように、選挙以外にも自分たちの声を届ける方法はたくさんあります。むしろ、日頃からそのようにして政治に触れ、いざというときのために使いこなせるように訓練しておくことが大事かもしれません。というのも、いざ選挙がはじまった時に、どういう基準で候補者を選べばよいかわからないということが、往々にして起こるからです。そんな時、こうした取り組みが自分の目を鍛えることにもなります。
そういう意味では、選挙で試されているのは、候補者というよりも、私であり、あなたなのかもしれません。誰<に>投票するかではなく、誰<が>投票するかで未来は変わる! まずは、白紙でもいいから投票することから、社会に声を届ける第一歩をはじめませんか?
「「社会を変える」のはじめかた 僕らがほしい未来を手にする6つの方法(横尾俊成)」の詳細を調べる
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■本当に若者は少数派?
本題に入る前に、都知事選に関しては面白いデータがあります。「ハフィントンポスト」掲載で話題になりましたが、東京都の人口の年齢構成は多い順から以下の通り並びます。
・40代 207万3830人
・30代 205万4057人
・60代 161万3237人
・20代 154万4886人
・50代 145万4188人
・70代 123万9740人
・80代 61万7775人
・90代 11万8789人
・100歳以上 4444人
60代以上の高齢世代が多いかと思いきや、全国平均とは違って、実は30-40代の比較的若い世代が一番多いのです。20代も4番目。つまり、東京においては、「若い世代の人口が少ないから」声が届かないというよりも、単純に「投票率が低いから」票数では高齢層を下回ってしまう。結果として、“票になる”高齢世代向けの政策が通りやすくなり、“票にならない”若い世代はソンをするという構図があるようです。
では、若い世代はどうやって声をあげることができるでしょう? 横尾さんは、実践者にインタビューしながら6つの方法を提案します。
1. 投票する
まずは、もちろん投票に行くことです。若者と政治をつなぐ活動に取り組むNPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんは、「白紙でもいいので、とりあえず投票するという行為が大事」だといいます。「白紙でもいい」というのは、若者の投票率が上がったという事実を示すことで、政治側の対応が変わる可能性があるからです。「社会を変える」ためのいちばん身近な方法といえるでしょう。
2. 政治家に意見を届ける
投票の次に手軽にはじめられるのは、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用して、「政治家に自分の意見を表明する」ことです。賛成・反対で対立しがちな政治課題を、みんなで解決する方向にもっていくことができるBlabo!というオンラインでアイディアを募るプラットフォームも紹介されます。話題を呼ぶ家入一真候補の「#ぼくらの政策」という政策公募の手法もこの一例といえるでしょう。
3. 署名やデモに参加する
政治を動かす伝統的な手法です。同書では、ワンクリックで気軽に参加できるネット署名サイトのChange.orgが紹介されています。横尾さんに拠ると、政治家1人が当選するぐらいの署名数が集まれば、影響力を持つそう。地方議会では1000筆も集まれば十分大きな声になる場合もあるようです。
4. 政策を訴える
積極的に国や地方の政治に働きかけて法律や条例などを改革することをアドボカシー(政策提言)活動といいます。代表例は、非施設・共済型の病児保育事業で知られる社会起業家・駒崎弘樹さんの取り組み。一見、ハードルが高く見えますが、ある業界で有名であれば、一般的には知られていなくても発言力が生まれるそう。「従業員ゼロで、有給の人は経営者だけ、というような団体でも、国の審議会委員になっていることはざらに」あるそうです。
5. 政治家になる
やはり政治家が現場で大きな役割と力を持っていることは事実。会社員でいるより実利は低いものの、それを上回る「想い」があれば、思い切って政治家を目指すのもアリ? NPOドットジェイピー代表の佐藤大吾さんは、地方議会では約1.2倍という低倍率で当選する実態を紹介。簡単に当選するわけではないものの、社会を変えるための選択肢の一つではあります。
6. まちづくりに参加する
横尾さんおススメの政治参加は、「まちづくりの活動に、日常的に参加すること」。地域の課題を、その地域に住む人々が解決するための道筋を描くコミュニティデザインが、いま注目を集めています。トップランナーの山崎亮さんも、「コミュニティデザインは、住民が直接参加する“プチ政治”」と語ります。グローバル社会にあって、小さなまちの成功事例は瞬く間に世界に広がっていきます。また、まちでの小さな成功の積み重ねが、個々人の「社会を変える」ための能力を鍛えていくことになる。これこそ、政治の原点。身近なまちに、社会を変えるヒントがあるかもしれません。
■選挙は、終わってからが本番
このように、選挙以外にも自分たちの声を届ける方法はたくさんあります。むしろ、日頃からそのようにして政治に触れ、いざというときのために使いこなせるように訓練しておくことが大事かもしれません。というのも、いざ選挙がはじまった時に、どういう基準で候補者を選べばよいかわからないということが、往々にして起こるからです。そんな時、こうした取り組みが自分の目を鍛えることにもなります。
そういう意味では、選挙で試されているのは、候補者というよりも、私であり、あなたなのかもしれません。誰<に>投票するかではなく、誰<が>投票するかで未来は変わる! まずは、白紙でもいいから投票することから、社会に声を届ける第一歩をはじめませんか?
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