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「過去なう」なんて言わないみたいよ。
もしタイムトリップができたら…。未来や過去に行くことができたら、何をしますか? 宝くじの当たり番号がわかった上で過去に戻って買ったり、株やったり、はたまた運命の出会いを演出したり、あれやらこれやらとやりたいことは山ほどあるでしょう。
さて、やりたいことは山ほどあるものの、現代人ならばどこに行ったってソーシャルメディアをしてしまうのでは、という見方があります。タイムトリップ先で写真や動画を撮りたくなるでしょう。撮った写真をFacebookやTwitterにアップしたくなるでしょう。「過去にきてるなう」なんてツイートしたくなるでしょうよ。インターネットがある時代間へのタイムトリップならば、行った先きでツイートするかもしれません。
そこに目を付けたのが、ミシガン工科大学の物理学者Robert Nemiroff(ロバート・ネミロフ)さんとTeresa Wilson(テレサ・ウィルソン)さん。インターネット上にタイムトリップの形跡がないかリサーチしてみることにしました。彼らの研究「Searching the Internet for evidence of time travelers(タイムトラベラーの形跡に関するネットリサーチ)」では、FacebookやTwitterにとどまらず、GoogleやGoogle+、はたまたBingまで様々なサービス上で、タイムトラベラーの痕跡がないかが調べられました。
リサーチ対象となったのは、2006年1月から2013年9月の間のネットへの投稿で、対象を2つの言葉にしぼって調べました。2つの言葉の1つは「Pope Francis(フランシスコ法王)」、彼以前の法王で「フランシスコ」と名乗った人はいません。もう1つは「Comet ISON(アイソン彗星)」、こちらもアイソンという名の彗星は他にありません。過去のネット上にこれらの言葉に関する発言があるかどうかを調べたのです。
その結果、結局2人は根拠のあるポストを見つけることはできませんでした。ぽいものはあったとしても、科学的に絶対だと言えるものはなかったということ。例えばFacebookだとポストの日時を過去へと変える機能があるので、調査はなかなか難しかった(信用性が低い)といいます。
また、グーグル検索では、未来からのタイムトラベラーが、自分達の持っている情報に基づき歴史的情報を書き直してあげようと試みた形跡はないか、またはとある出来事がすでに起こっているかどうかを事件名で検索してはいないか(例えば、「リーマンショック」が起きる前に「リーマンショック」というワードで検索していないか)等を調べました。が、やはりこちらも調査結果は0。それに当たるような形跡はみつかりませんでした。
というわけで今のところ、タイムトラベラーはいない、うっかり者のタイムトラベラーはいない、又は少なくとも彼らは現代の(彼らにとって過去の)インターネットは使わないということがわかったわけです。もしかしたら、未来のタイムトリップにはそういうルールがあるのでしょうか。それとも、未来ではインターネットなんて時代遅れでもう使っていないのかなぁ。
[New Statesman]
Image Credit: PeterPhoto123/Shutterstock
そうこ(ASHLEY FEINBERG 米版)
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