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極渦(きょくうず、polar vortex)南下で米国が氷点下40度近い記録的寒波に襲われる中、それの数夜前、北のカナダでは地面からドーンという爆発音が出て通報が相次ぐ騒ぎがありました。
住民はみな地震か倒木か発砲だと思ったそうなのですが、家の中を見回しても外に出てみても、どこにも変わった形跡はありません。
そこでメディアが専門家に聞いてみたら、寒さのあまり地中の水が凍って起こる破裂音、俗に言う「氷震(Frost quake、cryoseism=クライロサイズム)」だったのです。
瓶に水を入れて蓋をして冷凍庫に入れると瓶が割れますよね? あれと一緒で、地中の水分も凍るとき膨張するんです。
氷震が起こるのは急激に冷え込んだときです。プラスからマイナスの温度に一気に下がると、水が染み込んだ地面や岩がみるみる膨張し、周りの地面や岩を圧迫して…ドッカーンとなるんですねーはい。
氷震は地表に近いところで起こるので音は大きいんですが、音が派手な割には被害はそれほどでもなく、今回もけが人は記録されていません。
氷震はアメリカの中西部、ニューイングランドでも確認されました。トロントでは数秒、数分置きに爆発音が立て続けに起こり、通報は夜通しだった、とトロント・スターは伝えています。カナダ環境省の気象学者ゲオフ・コールソン(Geoff Coulson)博士もこんな氷震を体験するのは自分も30年ぶりだ、と同紙に話しています。ぶ~るるる~。
[Toronto Star via Outside]
Photo via Stephanie Barbary/Shutterstock
SARAH ZHANG(原文/satomi)
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