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今こそクルマ愛を語れ! 薬師寺保栄「世界チャンピオンになってランボルギーニを買う、それが夢だった」

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車に興味を覚えたのは3歳のときです。親父が石材をトラックで全国に運ぶ仕事をしていて、3歳の僕も一緒にあちこち行ってたんです。

そのとき、トラックを追い抜く外車を親父が「あれはフェラーリだぞ」「ポルシェだ」と教えてくれるわけ。子供心にスポーツカーってカッコいいな、欲しいなあと思いましたね。

もちろん、子供の頃はミニカーがせいぜいですけど、5歳のとき、ランボルギーニ・カウンタックのミニカーで遊んでいたら「そんなものボクシングのチャンピオンになったらいくらでも買えるぞ」と親父が言うんです。で、僕もそう思っちゃったんですよ。

そのボクシングを始めたのは中学生になってから。1年のときにケンカして帰ってきた僕の顔を見た親父がまた「ボクシングやったら勝てるぞ」と、ミットとグローブを買ってきて。それから毎日、親子での練習が始まりました。

この頃から、将来は世界チャンピオンになって本物のランボルギーニを買うんだと、漠然とだけど思い描くようになったんです。

もちろん親父も車好きで、僕が小学5年生のときはクラウンに乗ってました。その頃クラウンに乗るのはすごいことだったんですよ。中1のときには1979年式カマロ・ベルリネッタも買いましたね。当時は1ドルが250円前後。高い買い物だったでしょうけど、息子の僕には自慢でね。車好きもその影響をすごく受けてますね。

18歳でプロデビューしますが、そのときには世界チャンピオンになってランボルギーニを買うことを決めていました。それが実現したのは25歳でチャンピオンになり、26歳で2回目の防衛に成功した後です。その頃ランボルギーニのディアブロSE30という車が出たんですよ。これはランボルギーニ創業の30周年を記念した特別仕様(Spacial Edition=SE)で、当初150台の限定販売でした。



でも僕は車の中が白で、外が黒のが欲しかったけど黒がなかった。そこでランボルギーニ社に自分の試合のビデオと一緒に手紙を送ったんです。チャンピオンになったらランボルギーニの黒を買うと決めて練習に励んでいた気持ちも書いて訴えたんですよ。

すると返事が来ました。「ミスター・チャンプ。キミのために黒のランボルギーニを作ろう」って。いやぁ、うれしかったですよ。

94年7月にオーダーを出して日本に着いたのが翌年の1月。すぐに名港西大橋(めいこうにしおおはし)という長い橋をドライブしました。僕は今もそうだけど、基本的に車はひとりで乗るんです。

世界に一台だけの僕の思いが詰まったランボルギーニは今も大切に乗ってます。エンジンも600万円かけてオーバーホールしました。その後もいろいろな外車に乗っていることから車のテレビ番組の司会を10年間やらせてもらったけど、いろいろな車好きと交流できたことで人脈がグンと広がりました。ウチのジムの会員にもなってくれたりしてね。

今は09年に買った、このダッジ・チャレンジャーSRT8にも乗ってますが、なかには外車に乗る僕への嫉妬を持つ人もいるでしょう。でも、かつての自分がそうだったように「チャンピオンになればこんな車が買えるんだ」と、ウチのボクサーたちへのモチベーションが上がることも期待してるんですよ。

最近のエコブームを否定はしないけど、今、街中どこもプリウスだらけ。オリジナリティはないよね。僕はやっぱり個性の強い車に乗っていきたいし、そういう人たちと付き合っていきたい。ボクシングに加え、車があったから僕の人生は豊かになった。車なしの生活は考えられませんね。

ただ、いい車に乗ってれば女のコにモテるって昔は思っていたんだけど、そんなことはなかった(笑)。やっぱり、モテるモテないは車に乗る人間の中身次第ということですね。

親父ですか? 今も車好きですよ。チャンピオンになってから、BMW750をプレゼントしたけど元気に乗っていますよ。

(取材/樫田秀樹、撮影/五十嵐和博)

■薬師寺保栄(やくしじ・やすえい)






1968年生まれ。第23代WBC世界バンタム級王者。現在は薬師寺ボクシングジムを運営するほかマルチに活躍。デトマソ・パンテーラなど多くの車に乗り続ける。

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