今年4月にサービスを開始し、現在の登録者数が約135万人、デイリーアクティブユーザーが約50万人と、驚異的な人気を誇るブラウザゲームが、通称“艦これ”こと『艦隊これくしょん』だ。
第二次世界大戦時の旧日本海軍などの艦艇を“艦娘(かんむす)”として美少女キャラに擬人化し、敵艦と戦うシミュレーションゲーム”。その独特の世界観と艦娘のかわいさが話題となり人気に火がついた。
いったいどういう発想から、この“艦これ”は誕生したのか。プロデューサー兼ディレクターである田中謙介氏(角川ゲームス)に聞いた。
「もともとは、僕の趣味から始まった小さな企画でした。艦艇が好きで、兵器をモチーフにすることの是非はあるのですが、“なぜそれらの艦艇はことごとく海の底に沈んでしまったのか”ということをコンテンツにして、ユーザー同士がそれぞれ調べたり、情報や二次創作などでコミュニケーションがとれるゲームが作れないかとずっと考えていたんです。
ただ、それをリアルな艦艇をメインにしてゲームを作ると、ごく一部の方だけしか興味を持ってくれないと思ったので、艦艇を美少女キャラに擬人化するというインターフェースで、多くの皆さんが愛情を持てるよう、遊びやすくしたいと考えました」
田中氏の趣味のような企画から始まったゲームだけに、“艦これ”は基本的に課金をしなくても遊べる仕組みになっている。
「映画からテレビに移ったとき、これまでお金を払って見ていた映像が、無料で誰でも見られるようになりましたよね。ゲームもそれと同じで、昔は何千円も出して遊んでいたのが、今は無料でも遊べるようになりました。特に今の若い人たちは、自然に最初から無料でゲームを楽しんでいるんです。
それなのに『お金を払わなければ、これから先には進めません』というのでは、気持ちがそこで止まってしまいます。それに“艦これ”は、お金を儲けるために作った“システム”ではなく、艦艇やその奮闘や最期を知ってもらうために作った“ゲーム”なので、なるべく課金しなくても遊べるように心がけました。
ただ、誰もお金を払ってくれないと、ゲームそのものを続けることがもちろんできません。“艦これ”の世界を支えてあげようと思ってくれる人たちから支援のような気持ちで課金していただいて、ゲームの世界を支えてもらっています」
田中氏が考える“艦これ”の最大の魅力とはなんなのだろうか?
「いろいろな見方ができるかとは思いますが、“知る楽しみ”もあるかなと思います。ゲームを進めていくと、愛着のある艦娘が見つかると思うんです。そうすると『この艦娘は、なんでこんなセリフを言うんだろうか』とか『このコとこのコは、なぜ仲がいいんだろう、悪いんだろう』とか、いろいろな思いが出てくるはずです。
そして、その艦艇のことをいろいろと調べていくうちに、その理由の一端がわかってくる。そのうちにユーザーの方たちが、僕らも知らない事象を探してくれたり、艦娘たちの独自のストーリーを考えてくれたりするんです。“艦これ”には、歴史を知ることや、みんなで一緒に考えること、創ることの楽しみがあると思います」
(取材/村上隆保、写真/本田雄士)
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第二次世界大戦時の旧日本海軍などの艦艇を“艦娘(かんむす)”として美少女キャラに擬人化し、敵艦と戦うシミュレーションゲーム”。その独特の世界観と艦娘のかわいさが話題となり人気に火がついた。
いったいどういう発想から、この“艦これ”は誕生したのか。プロデューサー兼ディレクターである田中謙介氏(角川ゲームス)に聞いた。
「もともとは、僕の趣味から始まった小さな企画でした。艦艇が好きで、兵器をモチーフにすることの是非はあるのですが、“なぜそれらの艦艇はことごとく海の底に沈んでしまったのか”ということをコンテンツにして、ユーザー同士がそれぞれ調べたり、情報や二次創作などでコミュニケーションがとれるゲームが作れないかとずっと考えていたんです。
ただ、それをリアルな艦艇をメインにしてゲームを作ると、ごく一部の方だけしか興味を持ってくれないと思ったので、艦艇を美少女キャラに擬人化するというインターフェースで、多くの皆さんが愛情を持てるよう、遊びやすくしたいと考えました」
田中氏の趣味のような企画から始まったゲームだけに、“艦これ”は基本的に課金をしなくても遊べる仕組みになっている。
「映画からテレビに移ったとき、これまでお金を払って見ていた映像が、無料で誰でも見られるようになりましたよね。ゲームもそれと同じで、昔は何千円も出して遊んでいたのが、今は無料でも遊べるようになりました。特に今の若い人たちは、自然に最初から無料でゲームを楽しんでいるんです。
それなのに『お金を払わなければ、これから先には進めません』というのでは、気持ちがそこで止まってしまいます。それに“艦これ”は、お金を儲けるために作った“システム”ではなく、艦艇やその奮闘や最期を知ってもらうために作った“ゲーム”なので、なるべく課金しなくても遊べるように心がけました。
ただ、誰もお金を払ってくれないと、ゲームそのものを続けることがもちろんできません。“艦これ”の世界を支えてあげようと思ってくれる人たちから支援のような気持ちで課金していただいて、ゲームの世界を支えてもらっています」
田中氏が考える“艦これ”の最大の魅力とはなんなのだろうか?
「いろいろな見方ができるかとは思いますが、“知る楽しみ”もあるかなと思います。ゲームを進めていくと、愛着のある艦娘が見つかると思うんです。そうすると『この艦娘は、なんでこんなセリフを言うんだろうか』とか『このコとこのコは、なぜ仲がいいんだろう、悪いんだろう』とか、いろいろな思いが出てくるはずです。
そして、その艦艇のことをいろいろと調べていくうちに、その理由の一端がわかってくる。そのうちにユーザーの方たちが、僕らも知らない事象を探してくれたり、艦娘たちの独自のストーリーを考えてくれたりするんです。“艦これ”には、歴史を知ることや、みんなで一緒に考えること、創ることの楽しみがあると思います」
(取材/村上隆保、写真/本田雄士)
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