東京都の猪瀬直樹都知事が絶体絶命だ。
医療法人「徳洲会」から5000万円を受け取っていた問題で都議会から厳しい追求を受けている最中、昨年の知事選における選挙運動費用で虚偽の収支を報告していたことも新たに報道されてしまった。
真偽についてはこれから明らかになっていくだろうが、ここまで“カネ”の問題が噴出してしまったら、都知事としては致命的といわざるを得ない。進退問題に発展していくのは避けられないだろう。
民主主義を腐敗させる「政治とカネ」の問題は徹底的に追及されるべきである。だが一方で、このタイミングで猪瀬都知事にスキャンダルが連発するのには理由がある、と推測する人もいる。
※「猪瀬都知事×徳洲会問題が、1年後に表面化した真の理由とは?」
http://wpb.shueisha.co.jp/2013/12/10/23605/
自民党の税制調査会が推進する、法人税の一部を国税化して地方交付税に充当するというプラン。これに対し猪瀬氏は「地方分権に逆行する」と反対していた。これにより、自民党はおろか、国税を所管する財務省、地方交付税を所管する総務省までも敵に回してしまったというのだ。
現役財務省官僚のM氏が告白する。
「ここから先はあくまで“確度の高い想像”として聞いてください。
まずは消費税について説明する必要があります。ウチの省は消費税率が8%になろうと10%になろうと、先々の少子高齢化や巨額な財政赤字のことを考えればまったくもって財源不足だという考えです。つまり、税率10%の向こう側に、さらなる増税を見据えているということです。
再増税のためには経済成長率などの経済指標が上向きである必要がある。だから大都会の税収を地方に回し、日本全体の経済指標を“数字上だけ”でも上昇させる必要があるのです。
それなのに地方自治体の猪瀬さんが国税にイチャモンをつけてきたから、『アイツ生意気だ。邪魔だから潰(つぶ)しちゃえ』ということになったのだと思います」
国の財政を担っている財務省は、省庁のなかでもとりわけプライドが高い。東京都知事といえども、彼らから見たら「一介の地方代官の分際」というわけだ。
そしてもうひとり、猪瀬氏を快く思わない人がいるという。M氏が続ける。
「安倍首相です。彼は東京オリンピックに向け、莫大(ばくだい)な事業規模になるインフラ整備やカジノ法案成立後の好景気などを追い風にして長期政権化を目指していると思われます。だからオリンピック招致成功は自分だけの手柄みたいな態度が鼻につく猪瀬さんを快く思っていなかったはずです」
これらはあくまで“確度の高い想像”である。だが、猪瀬都知事が清廉潔白な身であれば、こうしたすべての圧力をはね退けることもできたはず。はたして真相は?
(取材/菅沼 慶) 【関連記事】
・徳洲会・現金受領問題、猪瀬知事の次に炎上する大物政治家は?
・猪瀬都知事の「都営交通24時間化」構想。利用するのはいったい誰?
・東京五輪で「お台場カジノ構想」に追い風?
・「猪瀬都知事誕生」を妨害する自民党“都議会のドン”の存在
・「お・も・て・な・し」が流行語大賞! 受賞を素直に喜べない滝クリの心境
医療法人「徳洲会」から5000万円を受け取っていた問題で都議会から厳しい追求を受けている最中、昨年の知事選における選挙運動費用で虚偽の収支を報告していたことも新たに報道されてしまった。
真偽についてはこれから明らかになっていくだろうが、ここまで“カネ”の問題が噴出してしまったら、都知事としては致命的といわざるを得ない。進退問題に発展していくのは避けられないだろう。
民主主義を腐敗させる「政治とカネ」の問題は徹底的に追及されるべきである。だが一方で、このタイミングで猪瀬都知事にスキャンダルが連発するのには理由がある、と推測する人もいる。
※「猪瀬都知事×徳洲会問題が、1年後に表面化した真の理由とは?」
http://wpb.shueisha.co.jp/2013/12/10/23605/
自民党の税制調査会が推進する、法人税の一部を国税化して地方交付税に充当するというプラン。これに対し猪瀬氏は「地方分権に逆行する」と反対していた。これにより、自民党はおろか、国税を所管する財務省、地方交付税を所管する総務省までも敵に回してしまったというのだ。
現役財務省官僚のM氏が告白する。
「ここから先はあくまで“確度の高い想像”として聞いてください。
まずは消費税について説明する必要があります。ウチの省は消費税率が8%になろうと10%になろうと、先々の少子高齢化や巨額な財政赤字のことを考えればまったくもって財源不足だという考えです。つまり、税率10%の向こう側に、さらなる増税を見据えているということです。
再増税のためには経済成長率などの経済指標が上向きである必要がある。だから大都会の税収を地方に回し、日本全体の経済指標を“数字上だけ”でも上昇させる必要があるのです。
それなのに地方自治体の猪瀬さんが国税にイチャモンをつけてきたから、『アイツ生意気だ。邪魔だから潰(つぶ)しちゃえ』ということになったのだと思います」
国の財政を担っている財務省は、省庁のなかでもとりわけプライドが高い。東京都知事といえども、彼らから見たら「一介の地方代官の分際」というわけだ。
そしてもうひとり、猪瀬氏を快く思わない人がいるという。M氏が続ける。
「安倍首相です。彼は東京オリンピックに向け、莫大(ばくだい)な事業規模になるインフラ整備やカジノ法案成立後の好景気などを追い風にして長期政権化を目指していると思われます。だからオリンピック招致成功は自分だけの手柄みたいな態度が鼻につく猪瀬さんを快く思っていなかったはずです」
これらはあくまで“確度の高い想像”である。だが、猪瀬都知事が清廉潔白な身であれば、こうしたすべての圧力をはね退けることもできたはず。はたして真相は?
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