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Tehuの「残念ながら、アイドルヲタです。」第11回:「かわいい女の子が好き」という男子の欲求は、日中問題を超える

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12月8日、AKB48は8周年を迎えました。チームAの「目撃者」公演曲「Pioneer」の歌詞にもある通り、初回の一般入場客は7人。そこから這い上がって来た8年間でした。さて、9年目は一体どうなることやら。楽しみにしておきましょう。

その一方で、同じ日にSNH48が1周年を迎えたのをご存知ですか? SNH48はAKB48の7周年に合わせ、2012年12月8日に結成されました。とはいえ、劇場のこけら落としがあったわけでも、初お披露目があったわけでもなく、あくまでも手続き上の結成日として記録されています。

お披露目は2013年に入ってからで、専用劇場「星夢劇院」のオープンは8月30日。日本からの参加メンバーである2人(宮澤佐江・鈴木まりや)も就労ビザ発行に手間取り、ステージに立てるようになったのは10月以降と、1周年とはいえ、SNH48の活動はこれから本格的にエンジンをかけていくぞ、という段階でしょう。

しかし中国を侮(あなど)るなかれ。劇場オープンの段階で「20~25歳での知名度は8、9割」(中国テレビ局エンタメ担当者談)と、すでに注目度は抜群なのです。そのことを証明するように、12月6日には中国の音楽祭にて、「もっとも潜在力のあるグループ賞」を受賞しました。

そんなSNH48の現在の活動実態はどうなっているのか。残念ながら日本ではあまり報道されていないので、ちょっと調べてみました(僕は中国語ができるのです)。

いま、専用劇場ではチームSIIが「最終ベルが鳴る」公演チームNIIが「シアターの女神」公演をやっており、チームSIIは年末から新公演「長い光」が始まるそうです。

「えっ!? 秋元先生、国内グループの新公演をさぼって中国語の歌詞を書いていたの?」とびっくりしましたが、どうやらAKB48・チームA「恋愛禁止条例」公演の中国版みたい。確かに、「長い光」という曲は同公演の冒頭にありましたね。なんでこっちを新タイトルにしたのかは謎ですが……。

専用劇場の公演以外でも、すでに「広州国際体育演芸中心」という1万8000人収容のアリーナで単独ライブを成功させています。日本と中国ではそもそもの人口が違うので単純な比較はできませんが、HKT48が1万人規模の単独公演(日本武道館)を実現させたのは、初公演から1年4ヶ月後。それに対し、SNH48は約10ヶ月。ここまでを振り返ってみる限り、SNH48の活動は順調といってもいいでしょう。



結成が発表された直後は、「尖閣問題や反日デモの影響でつまずくのでは?」という説がありましたが、結果を見る限り、ほとんど影響はなかった模様。そうそう、外交面だけでなく、「アイドルは日本にしかない独特な文化だから、海外ではウケないよ」という国民性の違いを理由にした“失敗論”を述べる人もいましたね。

でも、SHN48がこれだけ成功しているのはどうしてなのか。まず僕が思うに、そもそもSNH48の登場以前には、中国には“男子の夢”を具現化してくれる「アイドル」という存在がおらず、女の子の芸能人はいても、アーティスト寄りの活動をする人ばかりでした。そのため、日本にAKB48が生まれたときに比べて目新しさが強く、競争的に優位であったのは間違いありません。

さらに、国民性の違いに失敗の理由を求めるなら、さまざまなアニメやマンガ(ドラえもんからドラゴンボールまで)の国境を超えた大ヒットはどうなるのでしょうか。

こうしたコンテンツだって、最初から海外展開を目指していたわけではなく、あくまで作者は日本人向けに作ったはずです。しかし、言葉の壁を取り除いた(翻訳した)だけで一気に世界中へと広まったのです。『ドラえもん』という典型的な日本の中流家庭を描いたマンガが世界中(もちろん中国でも)で好んで読まれているのは、よくよく考えればすごいことです。優れたコンテンツとは、どんなテーマを扱っていても、国民性の違いを超えるのだという好例でしょう。これは、アイドルも同じではないでしょうか。

そして、僕たち日本人(特にネット世論ね!)が一番よくわかっておかなければならないのは、中国の若者も大抵は「素直な男の子」であるということ。

日本も中国も、若者の多くは国際問題には大して興味がなく、問題意識があったとしても、一方的に相手を嫌ったり不買運動などをやっていたりするのは、本当にごく一部の人たちだけです。中国は人口がとにかく多いので、デモをやれば、いかにも「全人民が反日!」のように見えてしまいますが、実際のところは、人口比で数%もいないのではないでしょうか。

翻(ひるがえ)って日本はどうか。僕の周囲の中高生を調べてみても、そもそも中韓との関係に興味ない人が4割、問題だなあと思いながらも平和かつ共栄の方向で解決を願っている人が5割強で、過激なことを言っているのは1割もいません。





ネット上の一部の意見に注目すると、まるで日本人がみんな中国に対して過激な行動に出るべきだと考えているように見えますが、実態はまったく違いますよね? それなのに、どうして中国の若者が自分たちと決定的に異なると言えるのでしょうか。

SNH48のヒットぶりを見ていると、むしろ中国の若者だって日本の若者と大差がないのだとわかるはずです。実際、彼らの多くは日本への反発心よりも、日本の生活や文化に対するあこがれを強く抱いていますどちらも男の子であり、かわいい女の子が好きなんですよね、結局のところ(笑)。

日本人も中国人も本質的には一緒である――ということは! これからアイドルが大ブームになる可能性だってあります。SNH48のみなさんには、その先駆者として頑張って欲しいです。

あとは現地向けのちょっとしたカスタマイズがあれば、次々といろんなアイドルが進出できるようになると思います。つまり次に必要とされるのは、日本式を守りつつ、いかにして中国テイストを加えていくか、ということ。そうすれば、日本から公演を見に行ってみたいと思うヲタだって表れるかも。

というか、僕が見に行ってみたい! 編集長、中国取材班として僕を送り込んでください!

(写真/関根弘康)

<今週の気になるアイドルエトセトラ>






紅白出場とならなかったモーニング娘。が、新たな話題を振りまきましたね。来年からグループ名の後ろに年号を付けるというのです。改名後は「モーニング娘。’14」となり、読み方は「もーにんぐむすめ わんふぉー」だとか。正直なところ、意味が分からないので、やめたほうがいいと思います。もし、この方式になってから紅白に出場した場合は、毎年グループ名が変わるから、やっぱり「初出場」となるんでしょうか(笑)。

いま、僕が気になっているアイドルグループは「エビ中」(私立恵比寿中学)ですね。初のさいたまスーパーアリーナライブをニュースで見てしまったのです。見たらハマりそうでこわかったので、今まで可能な限り見ないようにしていたのですが……。いや、やられました。

“ももクロ”の妹分という冠がもうすこしで外れそうなほどの圧巻のパフォーマンス! あとはライブの本数を重ねて行けば実力も増し、ももクロに並ぶ人気アイドルになれるかもしれない。このままでは僕、ファンになっちゃうかも! 次のライブは見に行きます! 【関連記事】
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